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出産を経て、育休中にやりたいことが大きく変わった話~小説家になりたい~

いざ、産休に入ったとき、どんな風に過ごそうかいろいろ思案した。
育児コミュニティなんかに入ろうか、
自家製パン作りを極めようか、
英会話を頑張ろうか、
資格を取ろうか…
そんなことを考えており、特に資格は何かしら取りたいなぁと思っていた。
出産の不安の中、資格について調べていて「キャリアコンサルタント」や「日本語教師」がいいかもという結論に至った。
自分が好きなこと、得意なことで仕事になるものという(ぼんやりした)軸で、考えたときにその二つが浮かんだからだ。

ただ、出産を終えて4か月たった今、私は全く別のことを考えている。
出産は私にとっても価値観が変わる、パラダイムシフトだったのだ。
たくさんのことで考えが変わったのだけど(例えば、親への感謝の気持ちがすごく大きくなったとか、健康を大切にしようとか…)資格の勉強は後回しだなと今思っている。
子育てが最優先なのはもちろんなのだけど、それだけではなく、自分の人生を幸せにする心から求めていることに向き合おうと思ったのだ。
なんとまあ抽象的な表現…!
私の場合は、それは「小説家になりたい」という小さい頃からの夢だ。

そう思ったのには理由がある。

まず一つ目は、人生は短いと実感したから。
出産を経て、私の人生の一つの節目が終わったと痛感し、めちゃくちゃ悲しかった。
当たり前だけど、子供時代には戻れないし、青年期も終わる?お姉さんじゃなくて、おばさんに確実になるのだと身震いして、自分が死に向かって一直線に生きていることを実感した。それはとても悲しいし、恐怖だけど、いい感じに変わっていくしかないとメンタルを安定させることができてきた。(産後鬱っぽかったなぁ…)
そう考えたときに、ちょっとよりよく生きるために、仕事の選択肢を増やすための資格のために時間を割くよりも、自分の本当の夢と向き合いたいと思った。
結果、なれなくてもいいから「本気で努力したけど、私には才能がなくて無理だったわ」と言えるくらい向き合いたいと思った。
それが一つ目の理由。

二つ目は、子供が巣立ってからも、人生の喜びを感じたいと思ったから。
赤ちゃんを見つめていると強烈な喜びを感じて、この子が巣立ったらどんなに悲しいだろうか…と涙がぼろぼろでてきた。
(やっぱり産後のメンタルはやばい)
悲しくて悲しくて、これ以上の喜びは人生でもう二度と味わえないのではないかと思い、辛かった。
そんな時に、子供と同じように、自分が心から喜べるものを見つけなくては…と思った。それは、高い服を買うこととか若い見た目を維持することとか、異性にモテるとか、良い給料で働けるとか、そんなものでは満たされないと思う。私が小さい頃から、憧れていて、叶うはずないと思ってしまっていたものに、もしなれたならそれは、かなりかなり大きな喜びなんじゃないかなと思うのだ。アイドルになりたいとかプロ野球選手になりたいとかの類のような若さが必須なものではなかったからありがたい。

三つ目の理由は、子育てしながら取り組むのに最適だと思ったから。
娘と日々を過ごしながら、楽しくなる方法を模索してみた。育児系のイベントに参加したり、友達に会ったり、映画を見たり…それなりに楽しんでいる。
ただ赤ちゃんがいる生活の大変なところは自分のペースでは何もできないことだ。
寝る時間も、起きる時間も、ご飯を食べる時間も何もかも、思い通りにはいかない。もちろん赤ちゃんを世話できている喜びに比べれば全然問題ではないんだけど、やれることの制限はあるなと思った。
人にやっぱり迷惑かけちゃうし、遠いところには行けないし、無理はできない…そういう意味で、ほんの少しの空き時間に文章を書くことは最適だなと思った。
(私は友達と会うのが大好きだし、産後の欝々を吹っ切るために友達と遊んでみたけど、みんなそれぞれ自分のペースで生活しているんだから、適切なタイミングがあるな~と実感したりもしたので。でも、もちろん頻度は調整してお友達とも会いたいと思っている!)

産休に入る前は、社会に戻ったときに一皮むけるためにも、この休み期間を有益な時間にしたいと考えていたけど、なんだかそういう短期的な視点はどうでもよくなってしまった。
自分の人生を生きなおす、見つめなおす大きなきっかけとなった出産。
幼少期好きだったもの、憧れたものに私は今も憑りつかれているんだと思う。学校の図書室でうきうきしながら本の背表紙に触れていた少女の頃。
そういうものと出会えてよかった。

とはいえ、書いてみた小説のつまらないことつまらないこと。書けないこと書けないこと。
若い頃は、才能がないから小説家になれない、頑張れないと思っていたけど、才能がなくても頑張りたいことに出会えたんだから、それ自体が奇跡だと思って、頑張ってみようと思う。
死ぬまでに1冊くらい!!ね。

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