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『flock』 No.14

はじめに


東京都南青山で営業しております『呑喋処 はじめまして』店主の金田と申します。店名が『はじめまして』なので、挨拶の「はじめまして」とややこしくなってしまってごめんなさい。

この度、当店発行のWebマガジンを創刊させていただきました。なぜ飲食店を営みながらWebマガジンを立ち上げたのかと申しますと、誰もがあらゆる情報を発信できる“情報発信過多”な世の中で、個人や一商店が情報を発信していくにはどうしても限界があります。その限界がある中でより多くの人に届けるにはどうしたらいいか考えた結果、“個”ではなく“群”で情報を発信したらどうだろうと思い至りました。

連載は当店の情報だけでなく、あらゆるジャンルで活動されてる方に声をかけ連載をお願いしました。“個”では難しかったけど“群”だからできる充実した内容になっていると思います。毎月7日に300円で発行しておりますが、こんなご時世になってしまいましたので空いたお時間のお供にとしばらくは全て無料で発行させていただきたいと思います。
最後まで読んで頂ければ決して損は無い内容となっておりますので是非ともご一読を!!

Webマガジン『flock』、よろしくお願いいたします。


Webマガジン『flock』発行・編集・責任 『呑喋処 はじめまして』店主 かなだたつる






『呑喋処 はじめまして』からのお知らせ


いつになったらこの騒動が終わるのか。
困ったものです。
もう正直限界にきております。
打つ手がないとゆうか、もうなんのために自粛しているのか全く意味がわかりません。

当店は東京都の要請通り短縮営業を取っておりますが、この先もうどうなるのか。
引き続き少人数様での貸切も承っておりますので、親しいお仲間での飲み会等に是非ともご利用ください。






繁文 『ずぼらレシピ』


【かなだたつるによる著者紹介】
私とは青春時代を共に過ごした盟友です。若気の至りを謳歌した仲間です。そして、当店でもイベントを開催したこともある『とろろ 繁文』の店主でもあります。繁文の“とろろ汁”は、今まで食べてきた“とろろ”とは一味違う絶品。昔から馴染みのある「遠州とろろ汁」に試行を重ね、独自のアレンジを加えた他には無い逸品

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とろろ以外も何を作っても美味しいので、レシピを連載しないかとスカウトしました。食卓を彩る一品の参考にして頂けたらと思います。



【繁文ずぼらレシピ8月号】

こんにちは。繁文です(^^)/
購読いただきありがとうございます。

今回お届けするのは・・・

「コールスロー」です♪
冷蔵庫で3日は持ちますので
是非作ってみてください!!
フライドチキンやから揚げなどのお供に最適ですよ(^ ^)/

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材 料 
キャベツ4分の1、コーン・ハムは好きなだけ♪

作り方
①キャベツをみじん切りにして塩を小さじ1杯振りかけ、混ぜてから置いておく(キャベツの水分を出す)10分ほど経過したら水で洗い塩を落とし、キッチンペーパーで水分をとる。

②ボールにキャベツを入れ、そこにコーンとハム(細かく切る)を入れて塩とブラックペッパーを少々、マヨネーズ大さじ4強(お好みで調整してください)、甘酢があれば小さじ2(なければ酢を小さじ1、もしくは入れなくてもOK)を入れよく混ぜる。

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③味が馴染むまで冷蔵庫に15分程入れておく。

~完成~






昇万亭竜好 『東京タワー 〜落語と列車と時々お酒〜』


【かなだたつるによる著者紹介】
昇万亭竜好のことは昔から知っています。よく会うようになったのはここ数年のこと。よく会うようになって驚いているのが、恐ろしいほどに落語にのめり込んでいることです。仕事帰りの寄席なんて当たり前、休日には落語会をハシゴするなんてこともよくあるほど。「恐ろしい」と書きましたが、比喩ではなく狂気すら感じるレベルで、まさに「恐ろしい」ほどのめり込んでいるのです。
でも、落語にそこまでのめり込めるのは最高に幸せなことで、そして最も“東京らしい”趣味なのだと思います。粋ってやつです。そんな落語の世界にのめり込んだ昇万亭竜好の連載。落語に少しでも興味がある方にオススメです。



題 「其の拾四 落語初心者のための生落語鑑賞について
       ~ たまに出会う神会 ~」

少しずつ自粛ムードも明けたと思ったらまたまたコロナ感染者が増えてきて、やっぱり自粛したほうがいいのかなという今日この頃です。
寄席は通常営業しておりますが、落語会はまた中止や延期といった会が増えてきてしまいました。。。
また開催された落語会でも席の間隔をあけたり検温やアルコール消毒をしたりと感染防止対策に余念はありませんでした。
寄席は当日自由席なので席を空けるのは難しくないですが、落語会で何か月も前からチケットを売っていたものについてはチケットの席番通りに座ってしまうと密になる個所もあるので、各主催者さんはいろいろ工夫されていました。
中にはこんなやり方ありなのか?というものもありましたが。。。
これはいずれお話しするかもです。

さて今回はテーマを神会(回じゃないですから)としました。
寄席や落語会では時折個人的神会なんてものに遭遇します。
中には万人がこれは神会というのもありますが、あくまで個人的です!
そんな神会に7月は幸運にも遭遇してしまいました!

時は7月4日霞が関イイノホール。
お暑いさなかに冬噺という会です。
この会は毎年恒例となっており、暑い夏に冬を題材とした噺をしてお客さんに涼をとってもらおうという趣旨の会となっております。
ちなみに、この由来は100年以上前の噺家4代目橘家圓喬という人物が夏の暑い日に冬の噺である鰍沢という噺をかけて客の扇子・団扇を止めてしまったという逸話から来ております。
昨年の大河ドラマいだてんで松尾スズキさんがこのエピソードやられていましたね。

そんな会を今回はオール新作落語でということで、ここでも以前ご紹介したこともある柳家喬太郎師匠と林家彦いち師匠、三遊亭白鳥師匠という3人で行われました。
何を隠そう私も新作落語が好きなのでこの会非常に楽しみにしておりました。
そしてこの会を神会としたのはトリで出てきた三遊亭白鳥師匠です!
この師匠は私も大好きなのでまた改めてご紹介したいですが、新作というか創作落語家でストーリーがとにかく面白い師匠です。

今回の演目は「鬼コロ沢」。冬噺として先ほどエピソードもあった鰍沢をベースに白鳥師匠が作られたお噺です。
ざっくりのあらすじとしては7代目三遊亭圓生となることとなった落語家が山奥の街への落語会へ行く途中でかつてその圓生を継ぐことを目標としていた姉弟子と再会する中でのやりとりについてのお話です。
この噺を理解するには圓生という名跡について学ぶ必要があります。
落語好きな方はおそらくわかっているかと思いますが。
なので、落語好きにはたまらない内容でした!
客席にいて周りのお客さんの雰囲気も伝わって、この会はただ事じゃない会になるという予感が噺の途中から感じ取ることができ、終わった後にすごいものを観てしまったという感覚に襲われました!
よく映画を観た後にしばらく客席から立てなくなるあれです!笑
もしご興味がありましたら9月にweb落語でまた「鬼コロ沢」をやられるようです。
ただしこの7月とは違う雰囲気になるとは思いますが。
落語はその時その時の一期一会なので。






34、 『泳ぐスピードで、東京を』

【かなだたつるによる著者紹介】
友人の紹介で出会いました。一言で言えば狂っています。エンタメ欲に狂っています。そして良い方向に狂っています。これ肝心です。良い方向に狂って、そして行き過ぎています。行き過ぎているから感性が面白い。その独特の感性を求め、今回『flock』立ち上げに伴いスカウトしました。34、独特の世界観を是非感じてください。



泳ぐスピードで、東京を8月

その獣に名前はあっただろうか。
その獣に名前は。

東京駅から地下道をくぐって774歩。
鋭角な壁面を円柱の柱が支える建物。
アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)

6 階展示室で行われている
鴻池朋子(こうのいけ ともこ)さんの展覧会
「ちゅうがえり」

入り口の壁面に書かれたメッセージによって、
私は一人から一匹になり、最小単位の視点を手に入れる。

入口から足を踏み入れると、
巨大な生き物の気配(皮トンビ)
絶えず生き物が動くせわしない音(襖絵)
により、落ち葉深い森の中に迷い込んだような感覚に。

壁づたいに作品と戯れていくと
無数の毛皮がされた作品「毛皮」に出会う。

生き物としての形を失い、
だらんと垂れる脚の先には肉球
美しくそろった毛並み――――
生きるための機能、その殆どを処理されてもなお、残る生の匂い。
それはどこか懐かしくて、あたたかく、ぬくい。

作品に添えられたテキストには、この毛皮は害獣駆除によって殺されたヒグマ・エゾジカ・アザラシのもので、北海道にある毛皮のなめし工場から、彼女が譲り受けたものだと書かれている。

館内の写真撮影は禁止されていない。
毛皮にうもれた自身を笑顔で撮影する者、毛皮だけをそっとカメラに収める者、毛皮が毛皮になる前の事に思いを馳せる者。
一匹、一匹がそれぞれの意思で鑑賞している。

あの日、あの場所に立ち、その味わいを
私はまだ覚えている。

あの獣が生まれた事を。
あの獣が死んだ事を。
あの獣の名前を。

■鴻池朋子 ちゅうがえり
https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition/detail/2


 ̄タイトルの馴れ初め_

小学生だった頃の夏休み、水の中で泳ぐことが大好きで楽しくて、学校のプールに毎日通っていた。インターネットもスマホもSNSもない時代。
高知の田舎出身なので、娯楽がそれくらいしかなかったというのも、私を毎日プールへ向かわせる理由のひとつだったように思う。
好きなことはずーーっとやっていたいタチなので、ある日の帰り道にふと、こんな事を思いついた。「このじりじりとしたアスファルトの道も、ぜーーんぶぜんぶ水で満たされてしまえばいいのに。そしたら、そしたら…およいで家に帰れるし!」あまりのグッドアイデアに鼻の穴をふくらませ、水の中に浸かる町を夢想した事を、今でもよく覚えている。

――そして私はそのままオトナになって、東京という街を少しづつ知って、毎月家賃を払う大変さを知り、無意識に迫り来る刺激の多さに振り回され、街をながめて「知らない人ばっかりだな」と不思議な気持ちになったりして、この街との付き合い方も距離感も変化した。今、小学生の頃に夢想した、あの『泳ぐ』感覚で街を歩くことが一番しっくりくるので、連載のタイトルとして掲げました。

そもそも、“泳ぐ”という動詞には、[水の中を移動する]以外に複数の意味がある。
——前のめりになってよろめく。
——人がたくさんいる間をかき分けるようにして進む。
——うまく世間を渡る。
——遊里で、遊びに夢中になる。
流れに身を任せたり、果敢に逆らってみたり、息継ぎしないで、いけるところまで。我慢して我慢して進むのも良い 。疲れたら思い切り全身のちからをぬいて その広い闇にただ漂うのもまた良いと、最近思えるようになった。
『泳ぐスピードで、東京を』
私が泳いだある日の東京を、ここに記録していく。

これを読んでいるあなたにも、
この水の中で、息つぎして、お逢いできる事をたのしみに。






OBH 『Not selling T-shirts』


【かなだたつるによる著者紹介】
『flock』は水道橋博士のメルマ旬報をモデルにしています。そのメルマ旬報の中で原田専門家さんが『Tシャツ連載』をされているのですが、『flock』でもデザイン連載をやりたいと思い、友人のデザイナーOBHに声をかけました。普段はカチッとした洋服のデザインを生業としている彼ですが、ここではとにかく遊び心溢れるデザインをお願いしています。私との会話は映画の話ばかりなので、映画関連のデザインでお願いしています。色々問題ありそうなので販売しない予定でしたが、面白いサイトを見つけたのでこれからは販売もしていきます。



【I am done!!】

今月もシンプルに言葉系のデザインにしてみました。
今の気持ちをあえてポップに訴えてます。(笑)

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下記サイトからご購入頂けます。
今までのデザインも販売しております!!
よろしくお願いいたします!!






和利 『食道楽が一番幸せ』


【かなだたつるによる著者紹介】
当店の常連さんです。出会ったのもお店です。出会って半年と経っていないのに彼女から教えてもらったお店がもう何軒もあります。とにかく色んなお店を知っているのです。驚きます。自分で言うのもなんですが、私も意外とお店を知っている方だと思っていたのですが足元にも及びません。そんな彼女に「連載をお願いできませんか?」と打診したところ、

・記事に写真は載せない

・あくまでも紹介だけで評価はしない

この二つの条件でならと連載を受けてくれました。写真なし、評価しない、これ最高です。そして彼女が紹介するお店はまちがいないです。他のグルメサイトとは一味違うオススメのお店を是非参考にしてください。



【ステイホーム期間で変わったこと】

ステイホーム期間で変わったことってありますか?

私は完全に食事の趣向が変わったような気がしています。

今まではそこまで好んで食べることのなかったラーメンをなぜか最近よく食べます。

自粛期間中もラーメンが無性に食べたくなったのですよね。

なんでなのでしょう。

また太っちゃう。

先日も恵比寿で美味しいラーメンをいただきました。

開店したのいつなのか、気づいたらありました。

今まで感じたことのない食感の麺、鯛の出汁がしっかりと聞いたスープ、完成された一杯でした。

ホントに美味しかったです!!

休み時間もなく営業されてるみたいなので、少し遅めのランチなんかいかがでしょうか!!






灯 『ことてら』


【かなだたつるによる著者紹介】
『flock』創刊後初の新連載です。まず“灯”と書いて「あかり」と読みます。私との出会いは2011年、東日本大震災が起きた頃。当時、私のTwitterによくリプをくれていた方がいました。それが灯さんです。(Twitterアカウント名は違います)
それからもTwitter上でのやり取りはあれど会うことはなく、もちろんどんな方なのかも存じ上げなかったのですが、先日、まさかの当店に突然ご来店いただいたのです。まず驚いたのがイメージしていた方と全然違う。何より若い。まだ22歳らしく、「初めてリプくれたの中学生だったんですか?」と衝撃の事実。
ただ、驚いたものの、当時私が書いていたものが中学生の届き、こうやって年月が経って訪ねて来てくれるなんてとても嬉しいことです。さらに灯さんはずっと“詩”をいろいろなところで書いてきたみたいです。商業作品を手がけたりしています。だったらスカウトするしかないでしょう。
灯さんには過去に書いたものの、どこにも発表せずに終わったものを中心に連載していただきます。埋もれた中にお宝があるかもしれません。まさに『flock』のコンセプトに相応しい“青田買い”新連載です!!



【若さ】

私はまだ若い

経験もない

早く若くない立場になりたい

ずっと思ってた

でも、ある人に言われた

自分より若い人からの方が学ぶことが多い

そんなこと言う大人がいた

私はあなたについていく

そして私も若い人から学んでいく






零説家 『日常』


【かなだたつるによる著者紹介】
今回『flock』創刊にあたり、色々なジャンルの方が連載に協力してくれましたが、その中で、どうしても小説を連載してくれる人が欲しく、零説家さんに声をかけました。“零説家”はこのWebマガジンだけの名前です。本来は違う名前で小説家として活動されています。
零説家さんには『flock』ならではの基準で書いてもらうことにしました。その基準とは、

・先の展開は決めず、思いついたままどんどん書いていく

・書いたものの直しはしない

普段練りに練ったものを書いている人がこの基準で書いた場合、どんなものが出来あがるのか。とても興味深く面白い物語になるのではないかと思っています。“小説”と呼べるものができるかどうか不安なので「零説家」と名乗る小説家、『flock』にて連載スタートです。



※後ほどアップします。






かなだたつる 『あちこちぼたもち』


『呑喋処 はじめまして』店主、Webマガジン『flock』発行人のかなだたつるです。世の中には「棚から牡丹餅」どころか、あちこちに牡丹餅(ネタ)が転がっていると思っています。そんな私が拾い続けた牡丹餅エピソードを紹介します。



【愛】

先日、友人の若い女の子と、その子の仕事の先輩と三人で話していた時の会話です。
ここではわかりやすく女の子をA子、先輩をB男とし、筆者である私を「私」とします。


私「A子、そういえばこないだ愛菜(マナ)ちゃん来てくれたよ!」

A子「そうなの??会いたかったなぁ。」

B男「友達??」

A子「そう!!愛菜(マナ)ちゃんてゆうメチャクチャ可愛い子がいるんだよ!!」

(愛奈ちゃんのインスタをB男に見せるA子。)

B男「メチャクチャ可愛いじゃん!!」

A子「そうなのよ!!しかも超良い子!!」

B男「そんな良い子いたなら紹介してよ!!」

(なんてことないよくある会話を続ける二人と、横でそれを聞く私。)

B男「そもそも、“マナ”ってどんな字書くの??」

A子「“愛しい”ってゆう字に、野菜の菜だよ!!」

(この会話を逃さない私。)

私「A子、君は『愛』とゆう字を『愛しい』と表現するようになったんだな。」

A子「はっ??なんで??」

私「『愛』は『あい』と言えば大体わかるのに、そこを『愛しい』と表現するなんて。こないだまでは不倫してて『愛人』の『愛』だったのに、それが今は『愛しい』だなんて。お兄さんは嬉しいよ。」

A子「うるさい!!」

(その後も『愛しい』表現をいじり倒す私。)

B男「よく一つのフレーズ拾っただけでそこまで話展開させますね。(笑)」

A子「ホントそうゆうとこあるよねぇ。」


たった一つのフレーズからでも人の心情の変化がわかる・・・とかもっともらしいことを言いたいけど、要はネタになりそうならそれを広げていきたいだけだったり・・・。






後記


今号もご拝読ありがとうございました!!
そして発行が遅れて申し訳ございません。
この暑さと共に夏バテが皆様の所にも迫ってきております。
まだ遅れてる連載は後ほどアップします。

新型コロナの感染拡大、自粛との戦いに合わせてこの猛暑。
1日でも早く世界中が日常を取り戻せることを心より願っております。

才能ある人たちが少しでも多くの方の目に止まることを祈りながら、また来月の第15号もよろしくお願いいたします。




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