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一見をファンに変えるには

継続的に店舗を営業するためには、店のファンづくりは欠かせない。あらゆる小売は店のファンを獲得するために、様々な施策を立てている。

ファン獲得の有効なポイントは、来店動機購入動機である。この2つの動機に、ファン獲得のヒントが隠されている。

顧客が店舗に来店する動機は大きく2つある。自店を目的に来た場合たまたま来た場合である。また購入する動機についても、自店で買う目的がある場合たまたま買う場合がある。ポイントはたまたまの顧客を、いかに自店目的に変換できるか、にある。

どんな顧客も、最初の接点の多くは偶然である。たまたま通りかかったから、たまたま検索してヒットしたから。店舗は偶然の出会いに感謝し、最大限、顧客のために奉仕するべきである。

どうすれば、偶然訪れた顧客をファンに変えることができるか、ポイントは2つあり、得意客と一見客を区別しないこと顧客の期待を上回ることである。

得意客と一見客を区別しないことについては、得意客をないがしろにするということではなく、一見客を特別にもてなすということでもない。あくまで誰に対してもフラットなサービスを提供するということである。

フラットなサービスが生むものは、安心感である。その場所に対して何の情報もない一見客は、そこがどんな店なのか無意識に探っている。そこでフラットなサービスが提供されていれば、顧客は安心感を抱きやすい。どんな店かがわかれば再来店につながりやすい。

そして最も大事な安心感は、そこに店があるという安心感である。店に限らず、いつでもそこにあるという安心感は変化の多い現代においてこそ、人々の心の拠り所となる。永く関係を築くにあたって、安心感こそがファンをつくる重要な要因となるのである。

顧客の期待を上回ることについては、たまたま訪れた客は期待の設定値が高くない場合が多く、そもそも期待の設定自体もされていないかもしれない。従って、顧客の期待に応えることは得意客よりも比較的容易である。

しかし期待を上回ることを目指す場合も、何か特別なことをしてはいけない。いつものサービスをいつも通り提供すべきである。これは無理して初回のサービスを上げると、2回目以降のハードルが上がり、いずれどこかで期待を裏切ることになってしまうからである。ファンになっていく過程において、常に同じサービスを提供することが重要である。したがってなすべきことは、常に提供するサービスのレベルを向上させることである。高いレベルのサービスを一定して提供することが、確実なファン獲得につながるのである。

常に高いレベルのサービスを、分け隔てなく提供することが、たまたま来店した、たまたま購入した顧客を自店のファンに変えるのである。

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