ディズニーとフェミニズム。実写版アラジンの感想。
皆さんはもう、実写版アラジンをご覧になられましたか?
私は今日、やっと観て来れました。以下、個人的な忘備録兼、アラジン実写版の布教記事になります(※ネタバレ満載なので、未視聴の方はお気をつけください)
1 歌がヒップホップ調になっている
ディズニー映画と言えば、ミュージカルシーンですね。元祖アニメファンとしては、お馴染みの名曲たちがどうなっているのか気になる所でした。結論から言えば若干アレンジが加えられており、「Friend Like ME」「Prince Ali」辺りは、ヒップホップ調になっています。
日本語翻訳歌詞も、アニメーション映画とは一部違う所があります。1992年には出来たけれど、2019年現在は出来ない(もしくは時代にそぐわない)表現があったのだと思われます。海外の友人曰く、アニメ版ではジャスミンの父の口癖だった「praise allah!(神様に祈りを!)」が、実写版ではなくなっているのだとかなんとか。
私はサントラを持っているくらいアラジンの主題歌・挿入歌が好きなのですが(アラジンはディズニーきっての名曲揃いのアニメーション映画だと思っています)、そんなファン心を擽る良アレンジ揃いでした。ジーニーだけじゃなく、アラジンたちも歌って踊っているのが良かったです。
ウィル・スミス(吹き替え/山寺宏一)の「Prince Ali」は実写版1、2を争う見所です。
2 ジャファーの「Prince Ali」がない
なくなって気付きました。私、ジャファー様の「Prince Ali」がとても好きだったみたい……。出来るなら、北村一輝さんにこれをノリノリで歌って欲しかった。そしてマーワン・ケンザリ氏がヒップホップ調で歌って踊る姿が観たかった。無念。
3 新キャラ、ジャスミンの侍女ダリアが可愛い
ジャスミンの親友にて侍女のダリアさん。アニメーション映画には出てこなかった、新キャラです。
彼女、ジーニーが「アリ王子のお通り(Prince Ali)」を歌いながら登場するシーン、めっちゃノリノリなんですよね。私もジャスミン同様、「この姉ちゃん、やけにノリノリやな……」とちょっと引きながら見ていたんですが、実はダリアはジーニーに恋をしており、しかも両想いというまさかの展開。
ダリアさん、ジーニーにデートに誘われて、ツンとした顏で対応するんですが、扉を閉めてガッツポーズを取ったりするんですよ。ジャスミンも二人の恋を応援します。この辺り、ジャスミンとダリアのやりとりがとっても可愛くて、思わずにまにましてしまいました。まるで女子中高生の初恋のワンシーンを覗いているような。個人的な萌えポイントシーンでした。
4 元々強かったジャスミンが更に強くなっている
アニメーション映画アラジンが放送されたのは1992年。私が視聴したのは、それよりも大分後なのですが、初視聴後は「ディズニ―がこんな強いヒロインを出すなんて……」とえらく感銘をうけたものです。アラジンが見つからないように、ジャファ―に自分からキスをしたり。今までのディズニ―に、ジャスミンみたいなヒロインはいなかったんですよ。
冒頭のフェミニズム云々ですが、実写版はジャスミンが女王になるんですよね。時代だなと思いました。
今までのディズニ―映画は「不遇な環境に置かれていたお姫様が、素敵な王子様選ばれ、幸せになる」というストーリー構成がメインで、長らくそのスタイルが愛され続けていました。容姿の美しさや健気さ、心の美しさに、昨今、努力や勇気、聡明さが付加されていきましたが、ルッキズム問題云々は置いておいて。昔はそれが女の子の夢で、幸せだったのでしょうけれど、時代の変化とともに女性の幸せや憧れ、夢の形は変化し、多様化しました。
アナ雪辺りからディズニ―はガラリと路線変更をして、強いプリンセスが増えていきます。2013年、王子がヒーローではなく倒すべき敵として登場したアナ雪に続き、2016年、「モアナと伝説の海」にいたっては、ついにヒーローがスクリーンから消えました。ディズニー初のヒーロー不在モノ。モアナを初めて観た時は「ついにやりやがったな、ディズニー……」と思ったものです。(マウイはヒーローではないと思うので)
ジャスミン以前も、美しいだけじゃない、強いディズニ―プリンセスたちは存在しました。というか、私の知る限り全員そうだった。シンデレラも白雪姫もベルもアリエルも、何気にあいつらみんな超強い。彼女たちは自分の強さは内に秘めて、活躍は王子に譲り、一歩後に下がってはいたけれど。
2013年 アナ雪で自由と解放を叫び、
2016年 モアナで女性の社会進出、男性社会への挑戦を提唱。
2019年 アラジンでは、「ずっと黙っているのが賢いと思っていた」とSpeechless(無言)を貫いていたジャスミンが、「これ以上黙っていられない」と叫び、Speechless(心の声)を歌い出しました。「君なら出来ると思う」とジャスミンの背中を押すアラジンも、今の時代らしいイケメンですね(ただ、兵士達が消える演出はどうなん……)
今も昔も、ディズニー映画は変わらず女の子に勇気を与え、夢を見せてくれる映画なのだと思います。
ディズニ―がこのスタンスを崩さない限り、私はこれからもずっとディズニ―を愛し、応援し続けるでしょう。
さて、2019 年の11月22日公開のアナ雪2は私達に何を見せてくれるのでしょうか? 今から楽しみでなりません。