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天国に旅立ってしまった君へ【ラストレター】

永遠に君に恋している。

【本の基本情報】
○ジャンル:小説・恋愛
○本の種類:文庫本
○著者名:岩井 俊二
○出版社:文春文庫

■「ラストレター」あらすじ

「君にまだずっと恋しているって言ったら信じますか?」
亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、初恋相手の鏡史郎と再会し、姉のふりをして文通を始める。
手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、二つの世代の時間を動かし始めた
不朽の名作「ラヴレター」から24年の時を経て贈られる、岩井美学の到達点。
※裏表紙より引用

■初恋の人の死

鏡史郎は初恋の相手、未咲の死を知ります。
いきなり亡くなった初恋相手へのラヴレターということで始まります。

学生の頃からずっと憧れていた初恋の相手。
彼女の影響で小説家になった鏡史郎。

二人のもう育むことのできない恋。

鏡史郎の心の中に残る未咲への恋心。
売れない小説家を続けながらも、彼女への思いをずっと持ち続けていたが、ある日彼女の死を知ることになります。

そして鏡史郎は、自分の知らない未咲の生活をしり、何も出来なかった自分の存在を思い知ることになります。

■「ラストレター」を読んで!まとめ

学生の頃に出会った初恋の相手の死。

未咲への恋は永遠であるという思い。
しかし、その恋はもう育むことは出来ません。

未咲のふりをして同窓会に現れた、自分に恋している初恋の相手の妹。
この姉妹と鏡史郎の何とも微妙な関係が面白い。

どろどろした三角関係ではなく、すれ違う純粋な男女の関係を爽やかに描いています。

学生の頃に抱いた恋心。
「手紙」に乗せた思いが、次の世代の心も動かします。

スマホ片手に、簡単に言葉を送れる今の時代。
そんな時代だからこそ、手紙という便利とは言えない言葉のやりとりが、何とも言えない切ない恋愛もどかしさを表現しています。

最後に亡くなった未咲が子供達へ贈った最後の手紙、遺書の意味とは。
何故、未咲はその手紙の内容を選んだのか。

最後にとても深く考えさせられました。

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