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三度目の正直なるか!?漢検1級R4-2 反省と感想 【ウラ面】

この記事は後編です。初めての方は前編からご覧ください。

(五)熟字訓・当て字 5点

対策間に合わなかった〜〜〜泣
重要度が低い大問であるとはいえ、完全に着手が遅かった。最後の1週間だけでQuizlet回すなんて、醴酒のごとく甘き計画でした。

1.「海盤車」まんぼう× → 正:ひとで
車のイメージで「翻車魚-まんぼう」しか出てこず。

2.「花楸樹」ななかまど○
3.「行器」ほかい○


4.「白頭鳥」あとり× → 正:ひよどり
「〜とり」っぽいなーくらいの記憶しか残ってませんでした。

5.「乙甲」かるめる× → 正:めりかり
逆だよ〜〜ん泣
「かるめる」は「甲乙」。またもうろ覚えの災い。

6.「木綿垂」スカーフ× → 正:ゆうしで
ここ笑うとこですよ〜〜(涙目)
完全にカンです。
漢検漢字辞典に掲載がないので仕方ないかなとも思いますが、「浜木綿-はまゆう」は確実に覚えていましたし、「垂」を「しで」と読むのも難しくありません。ちょっと頭を捻れば出せたのかもしれません。

7.「水爬虫」たがめ○
8.「西班牙」スペイン○

9.「海布」みる× → 正:め
これはやられました。
というのも、「海松」で「みる」「海布」で「め」、さらに「海松布」で「みるめ」と読むんですね。こんなんゴチャゴチャなるわ。
丸暗記に頼りがちな熟字訓も、しっかり整理して覚えないと引っかけられます。

10.「梭子魚」かます○

(六)熟語の読み・一字訓読み 6点


前回の9点から一転、苦戦を強いられました。

1.「岑嵒」しんがん○
2.「嵒しい」けわ(しい)○
3.「啜賺」せったん○
4.「賺す」すか(す)○
5.「龐錯」ほうさく○


6.「龐れる」すぐ(れる)× → 正:みだ(れる)
「龐」の音読みは覚えていたんですが、意味に関する記憶が薄れていました。良い意味(たかい・おおきい)と悪い意味(みだれる)があったような、くらいの記憶しか残っていませんでした。
ちなみに龐の音読みはホウorロウで、ロウは「おおきい」の意味でしか使われないようです。

7.「牖民」ゆうみん○

8.「牖く」ひら(く)× → 正:みちび(く)
「ひらく」か「みちびく」で迷って外しました。実際「ひらく」は存在しないんですけど。
熟語のほうの下に「民」が来ているので「みちびく」で自信を持って書くべきでしたね。「窓を開く」に引っ張られた感があります。

9.「趣装」しゅそう× → 正:そくそう
「趣」の読み分けは知らなかった…
「うながす」の意味のときは「ソク」になるんですね。「促」と相似と考えてよさそうです。
漢検漢字辞典および漢字ペディアでも明確に読み分けがあると示されている (自分は「公式読み分け」と呼んでいます) ので、これからは常用の公式読み分けも大規模にチェックしていく必要がありそうですね。

公式読み分けは篦棒に多いわけではない。高得点を狙うなら頭に入れておくべきだろう。

(七)対義語・類義語 18点

ここまでは調子悪い大問もありましたが、対類は大満足の結果を収められました。

1.(向来⇔)恐惶× → 正:向後
「向来」が「向風 (=仰ぎ慕うこと)」あたりとゴッチャになった結果、対義語を「恐惶」としてしまいました。幸いなのは語群から選択した読み「きょうこう」が間違っていなかったこと。2問芋づるでやられることがなくて安心しました。

2.(進陟⇔)屯蹇○
3.(雅楽⇔)鄭声○
4.(千鈞⇔)錙銖○
5.(畏日⇔)愛日○
6.(玄黄≒)覆載○
7.(妹背≒)鴛鴦○
8.(縷述≒)絮語○
9.(磽瘠≒)窮髪○
10.(不世出≒)曠世○

いいんじゃない?
(五)(六)の痛みをここで少し回復できました。

(八)故事・ことわざ 16点

簡単だった前回R4-1に比べれば微妙に難化していますが、これが標準的な難度でしょう。
ここでは推測力が冴えました。

1.「チョウゲイの百川を吸えるが如し。」
長鯨○

この諺自体は未履修でしたが、百の川を吸い上げるほどの大きな動物を言っているのは想像に難くありません。ゲイという読みは非常に特徴的なので、一発で「鯨」だと分かりました。ただ、今から思えば「鮨-ゲイ (サンショウウオ)」は無いにしても「鯢-ゲイ (メスのクジラ)」は棄却できない気がしますが。
2.「竜吟ずれば雲起こり虎ウソブけば風生ず。」
嘯○

これは「竜吟虎嘯」の四字熟語で親しみ深いですね。
3.「愚者はセイジに闇く智者は未萌に見る。」
成事○
逞筆さんにあった気がします。
「未だ起こっていないこと(未萌)⇔既に起こったこと」の対比で推測できました。
4.「官はカンの成るに怠る。」
宦○
5.「画竜テンセイを欠く。」
点睛○
6.「リギュウの喩え。」
犂牛○
どうでもいい話ですが、ここで(一)の「喩る」が分からなかった嫌な記憶が頭を過りました。

7.「キョシツ白を生ず。」
遽疾× → 正:虚室
「慌てる→頭真っ白」みたいな?カンジ?と思いましたが…
どっかに載ってた気がするぞ。

8.「王昭君がコチの旅。」
胡地○
これも諺自体は未履修でしたが、「胡地=未開の土地」は普通語彙として知っていたのでOKでした。
9.「髪結いのチャセン髪。」
茶筅○
喩えが秀逸な諺ですね。

10.「一人善く射れば百夫ケッシュウす。」
結聚× → 正:決拾

存じ上げず。
最初は「結集」と書いていましたが、せめて格好つけさせてくれということで意味もなく「聚」に変更。

(九)文章題 27点

前回物議を醸した文章題ですが、今回はかなりお手柔らかといった印象です。

書き取り 18点


1.「腰にスガりつ。」縋○
2.「空をマロぶに」転○
3.「再びルイバに策うちて」羸馬○
4.「ヨウカイすべき余地の無い」容喙○
5.「オウオウとして溢れん」汪汪○
6.「時に小サチあれども」蹉躓○
7.「如何にもチントウである。」陳套○
8.「実に神州のリクチン憂うべき」陸沈○

この陸沈はその場の推測です。「神【州】」という言葉で推測がつきました。

9.「キチュウ・甲寅より已に六七年に及べども
」己丑× → 正:癸丑
問題はこれです。「甲寅」とナカグロで繋がれていることから干支であることはすぐ分かりましたが、六十ある干支のうち「キチュウ」と読むものは「癸丑-みずのとうし」と「己丑-つちのとうし」の2つがあります。前後の文脈にヒントがないか探しましたがよく分からず。博打で己丑を書いたらまた2択外し。
あとから癸丑と甲寅は連続しているということを知りました。干支の順位まで考えるべきだったか…と、悔しさというより呆気に取られた感覚です。

10.「ナカンズク一二の傑物ありとも」就中○

読み 9点

ア.「次第に風【歇み】」や(み)○
イ.「茶店の座敷に【舁き】」か(き)○
ウ.「再びルイバに【策】うちて」むち○

エ.「ここは石動の【棒端】なるを」
ぼうたん× → 正:ぼうばな
単純に「ぼうたん」ではないだろうなと思いながらも僥倖を狙って普通に「ぼうたん」。はずれ。
この感じ、R4-1の「驚破」と似てますね。驚破ほど凶悪ではなかったですが。

オ.「その完全【周浹】なることに於いて」しゅうしょう○
カ.「懈っては居ない。」おこた(って)○
キ.「【滾々】として尽きず」こんこん○
ク.「【遺れ】ざらんとする」わす(れ)○
ケ.「【瑣屑】の事は」させつ○
コ.「外夷【控馭】最も其の宜しきを失い」こうぎょ○

ウラ面 総括


ウラ面、合計は72点となりました!(五)(六)は痛かったですが、比較的回復しやすい分野でしょうから邁進するのみです。

全体総括

さて、いよいよ全体予想得点の発表です。






















【160〜164点】【162〜165点】

ヒヤヒヤすぎる…
審議部分が全アウトになれば字形ミスは1問も許されないという崖っぷち。
審議部分(シャオウ・曦和)が両方アウトになれば字形ミスは1問しか許されません。
もっと慎重にやればヨカッタ…と思いつつ、こうなったら審議部分についての寛大な裁量、字形ミスをしていないことを祈るばかりです。

ですが、やはり対義語類義語をはじめ、語彙強化の成果が出たことが大きいと思います。たとえ合格に届かなくとも、頑張ったぶんの結果が出ていると思います。

以上、しゃけの漢検1級3回目チャレンジ、R4-2の感想と反省でした。

吉報を待つ!!

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