無職になった理由

娘の生活を私が補えないことにより、夜の仕事を始めた娘。

私は、ある知人に勧められてネットワークビジネスを始めた。順調に稼ぎながら、弟の飲食店の手伝いをしていたが、週2日は娘が夜の仕事に出たいということから、その日は店を休ませて欲しいと弟に伝えた。

まぁ、こんな状況下に夜の仕事を始める娘を止めない私もどうなんだと、世間様はきっと思うだろう。

昼間のOLだけでは生活が出来ないのだから、仕方ないと思うのは私だけだろうか。

私は水商売をする親に育てられたので、偏見も何も持っていない。

だが、弟は違ったわけだ。

現状伝えた時は、黙ってきいて、
『まぁ、仕方ないよね。生活していくのも大変だから』と言っていたのに、しばらくしてから、電話で突然、咎めてきた。

『おめぇは甘えいんだよ！楽して稼ぎたいとか、働きたくないとか！そういうの子供の言うことそのまんま野放しで甘いんだよ！』

と第一声。

『は？』
何キレてんだよ。と心の声の私は冷静に弟の怒鳴り散らす声を電話越しに聞いていた。

私には娘が2人いる。
もう1人も現役キャバ嬢だ。
その事も弟は咎めてきた。

『なんでこんな状況下に、2人ともキャバクラで働くわけ！？楽して稼ぐとか何考えてんだよおまえら！コロナが移ったらどうすんだよ！』

いやいや、まって。
あんたの仕事は何？
100%、コロナに感染しない環境にある仕事ですか？
と心の声を抑えつつ。

『んー、そうは言ってもねぇ。あなたの言ってることは間違ってないけど、娘たちの行動も間違ってるとは言いきれないよねぇ。お互い生活かかってるし。私は娘たちの生活の面倒は見きれないし、行政の支援も限度があるし、申請しても、貰える額は様々だし、それすら通るか分からないし。
だからといって、楽して稼ごうとか、働きたくないからとか、そういうことは言ってないでしょ』

と言うと、
『こと前会った時に、子供たちが働きたくないって言ってるのを聞いて、おめぇは笑ってただろーが！』
とまぁ、キレましてね。

弟も、2月に開業して、コロナ騒ぎになって、嫁さんの実家の隣に家を建て、嫁さんと共働きで子供を嫁さんの両親に頼んで保育園だの、仕事が終わるまでの間、面倒見てもらって、夕飯は嫁さんの実家。

私からしたら、羨ましい話だよね。笑
シングルの私のムスメから見ても羨ましい話だよね。

ちなみに、私の娘の子供と、私の弟の子供は同じ年齢。

弟にしてみれば、もし、娘達がコロナに感染して、私も感染したら店が営業出来なくなるだけじゃなく、嫁さんの両親に移って万が一何かあったら困る、どうしてくれるんだよ！

との事。

まー確かにねー。

『もう少し、よく考えて行動しろよ！』

と言われても、じゃ、子供たちは生活できなくていいの？
水商売、バカにしてるの？
自分さえ良ければって、私に言うけど、じゃ、あなたはどうなの？

と思ったけど、まぁ、弟の言うことも間違ってる訳じゃないし、この状況下では、もう、どうにもならんよなー。ということで

『もう、姉ちゃん、俺に関わるのやめて。店にも手伝いに来ないで欲しいし、子どたちにも友達と飯とか食いに来て欲しくないから、つたえておけ！それから、実家にもいくな！この前、子供たちが遊びに行っただろ！なんでこんな時に行くんだよ！』
と。
(当時はまだ、自粛前だった)

その旨を子供たちに伝えると
『なんか、ガッカリだわ。水商売バカにされてんのとか、おじいちゃんとおばあちゃんも可哀想。相手の背景とか全然考えらんないんだね。余計なこと言わないで、しばらく店休んでって言えば、誰も嫌な気持ちないのにね。』と子供たち。

数日後、母からも連絡が来た。

『弟くんから連絡が来たんだけど……。
お母さん、とても傷ついたわ。悲しかったし、あんな言い方されるの悲しかったわ。
みんな大変な時なのに、誰が悪い訳でもないのに、あなたや子供たちを否定して、水商売を否定してきて。孫ちゃんたちが来てもあうな！って怒るのよ』

そりゃ、可愛い息子に、そんな言われようじゃ、母も父も傷つくだろうよ。

誰が悪い訳でもないし、仕方の無いことだけど、弟の仕事の手伝いを、しなくなったので、そこの収入は無くなり、そして、なんということか、ネットワークビジネスも収入がパタリと止まった。

さぁ、これからどうしようか。