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日常に読書の時間があるということ。

「みんなの図書館さんかく」を開館して、本に囲まれる生活を送るようになってから、「時間」の大切さをひしひしと人感じる日々を送っています。

本を読むためにはまとまった時間が必要です。

人によって差はあれど、新書サイズの本であっても最低2時間から3時間くらいは確保しなければ、本を読むことはできません。400ページを超える厚い本であれば、5時間以上はかかるでしょう。

もちろん世の中には、さまざまな読書法があって、もっと短時間で読むこともできるのかもしれません。

しかし、1冊の本ができるまでには、筆者が「世の中にこれを伝えたい!」と思いを馳せ、長い時間をかけて、何度も何度も文章を書き直すプロセスがあるはずです。

ですから自分は、文章の一文一文を丁寧に、いろんなことを想像しながら深く読むのが好きで、それはまるで筆者との対話のようです。そして自分との対話でもあります。

アルベルト・マングェルが『読書の歴史』のなかで、読書は「経験」であると断じきっているのもよくわかります。

よくさんかくの来館者の方と話をしていると「本を読む時間がないんだよねぇ」という声をよく聞きます。

その気持ちよくわかります。

家事や仕事、日常のことに追われていると、なかなか読書の時間をとることができなくなります。

結果的に自分も積読だらけになってしまっていて、「いかんいかん」と立ち止まることがよくあります。

これまで読書の目的とは、なにか知識を得たり、刺激を得たりするためのものだと感がていました。

しかし、図書館をつくって半強制的に本と時間を過ごすことで、私たちは読書という行為を通じて、日常に自分と向き合う余白を得ていることに気が付きました。

極論、読書でなくても良いと思うのです。

例えば、映画だったり、散歩やランニングだったり、ボーッとする時間だったり。

日常のなかに、自分のための時間があることが大切で、自分を大切にする時間を取れるからこそ、家事や仕事、日常生活がより良いものになっていく感覚があります。

重要なのは、非日常ではなく、日常に位置づくということです。夏休みとか、意識して休む時間を持つのではなく、きちんと日常のなかにそういう時間をつくることが大切だと思うのです。

日常のなかに当たり前のように、自分のための時間がある。そんな社会の方が豊かだと思いませんか。

そんなことを言いながら、最近は仕事ばかりで読書ができていなかったので、時間の使い方を見直さないとなぁ。

あなたは読書をする時間を日常のなかにとれていますか?

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