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6月5日

今日も出勤。同僚のなかでわたしが外に出たがっているとまことしやかに噂されているらしいがそれもしかたない勢いでわたしばかりアポに出ている。だって田舎であればあるほど電話やウェブで話をしたっていいことないのよ。ほんとはまったく外に出たくない。

今日はだいぶ遠いところの薬局のアポだった。滋賀からだと旅行のようだ。フレッシュ営業さんと一緒に向かう。きれいな女の人と話をした。フレッシュ元銀行営業マンの営業さんはフレッシュすぎていいやつなのかわるいやつなのかいいやつなのかわるいやつなのか判断がつかなくて帰り道もそんなに盛り上がらない。少しくらいイカれてないと会話がもたない。

唐揚げとおにぎりのセットを買う。わたしは気づくと唐揚げばかり買ってるので唐揚げが好きなんだと思う。また一人きりのオフィス。一人きりの部屋でもくもくと仕事をしてちょうど先輩に相談事の電話をもりもりしているときに、横の部署の男の人が出勤してきて驚く。ラジオ聴きながらとかのタイミングでなくてよかった。この男性はTHEうちの営業というタイプの人でまあえらそうに話すので、我々はあまり好きではない。そんな彼がまた横暴な感じで誰かと話し続けるなかで仕事を進める。彼のうるさい偉そうな口上のおかげで仕事がやけにはかどる。月曜日の仕事を少しでも減らすために原稿の下書きを終えて退社。

魚を食べたいと夫に連絡すると、居酒屋?と返ってくるのでううん、家にある魚を焼く気だった、と返す。飲みにいってもいいけどな。

夏だからホラーっぽいのが見たいよと夫が黒沢清の回路を持ってくる。彼は黒沢清が好きだ。麻生久美子の若いときというのを初めて見て驚く。麻生久美子は気づいたときにはいつだって美しいほうれい線のある女だった。この人の顔はそれだけで物語だなと思う。問題は夫が雰囲気を出すために切った部屋の照明で、そのせいでわたしはとても目が悪いのでしんどくて画面があんまり見えず、開始5分で死んだ男のことを加藤晴彦だと思いこみ、加藤晴彦が死ぬまでを追った話だと思っていたら後半30分くらいで全然違うことにようやく気づき驚いた。面白かったけどやっぱり、?と思うところがあって、ホラーというものはなんだ?と思うことをなくすことは難しい類いのものなんだろうな。と思うとやっぱり黒沢清のキュアは本当にすごかったのでわたしは黒沢清作品を見るたびキュアを超えてほしいと願ってしまう。夫はマサイの人くらい目がよい。

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