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半沢直樹に学ぶ『イノベーション』の起こし方

 どーも、中小企業診断士の「どばしんだんし」です。

本日はドラマに学ぶ企業経営シリーズで「半沢直樹」に学ぶ『イノベーション』の起こし方をお届けします。

公式サイト↓↓↓


今回の放送内容(8月2日)

あらすじ(公式サイトより)

電脳の買収相手であるスパイラルとのアドバイザー契約を正式に結び、親会社・東京中央銀行と全面戦争へと突入した半沢(堺雅人)。銀行の卑劣な買収計画からスパイラルを守ることには成功したが、依然ピンチであることに変わりはなかった。そこで半沢が次の手として瀬名(尾上松也)に提案したのは、なんと「逆買収」だった。
だが、そんなある日、突然、セントラル証券に証券取引等監視委員会が立ち入り検査にやってくる。半沢の目の前に現れたのは、黒崎駿一(片岡愛之助)だった。黒崎が一体なぜ? 黒崎のターゲットはいったい何なのか? さらに、タイミング良く検査のことがニュースで報じられ、半沢は裏で伊佐山(市川猿之助)だけでなく、三笠副頭取(古田新太)が糸を引いているのではないかと推測する。
一方、パソコンからゴミ箱の中まで徹底的に検査を進める黒崎は、ついにクラウド上の隠しファイルに迫ろうとしていた。もし、半沢たちが水面下で進めている逆買収の計画が見つかってしまうと、すべてが水の泡と化す。半沢から連絡を受けた瀬名は、すぐさま高坂(吉沢亮)に指示し、データを消去しようと試みるが…。
果たして半沢はこの危機を乗り切ることが出来るのか?

 これまでのシリーズでも大活躍!?だった黒崎がついに登場しましたね。ハートもあれも鷲掴みされてしまいました。今回はちょい役でしたが次回以降も活躍しそうな伏線が貼られていたので今後の活躍が楽しみです。

 また、スプンオフドラマの主役であるスパイラルの高坂も大活躍でした。浜村さんとの進展も気になるところです。(ご参照↓↓↓)

※以下ネタバレ注意

 半沢達はスパイラルを救うために「逆買収」という手に売ってでます。「買収」の逆なので「逆買収」なのですがその相手は電脳雑技集団ではなくフォックスでした。

 半沢はフォックスが隠していた巨額損失をマスコミにリークしフォックスの株価を下げることで、スパイラルの手持ち資金での買収を可能とします。

 しかしフォックスの郷田社長とスパイラルの瀬名社長の関係性は前回のホワイトナイトを装った買収策により最悪です。

 その2人の関係性を改善し友好的買収を実現させたのが半沢の部下、森山が語った今回の「逆買収」の真の目的でした。

 「逆買収」の真の目的とは両者の強みを掛け合わせ新たな価値を生むことです。具体的にはスパイラルとフォックスの通販子会社コペルニクスがタッグを組むことで「世界最強の検索エンジン」×「世界最大の商品量」という価値を生み出しアマザンに負けない世界最大の通販サイトを実現できるということでした。

 またこれにマイクロデバイスのジョン・ハワードが3億ドルの出資を表明したこともありスパイラルの株価が高騰し電脳雑伎集団の計画していた買い付け価格を大きく上回るのでした。

 個人的にはスパイラルの株価が高騰しているということは巨額の含み益(売ったら儲かる)が出ているわけですから、電脳雑伎集団にしても買収資金を出している東京中央銀行にしても買収が成功するかどうかはさておき現時点では双方にとってプラスの要因です。

 それでも買収にこだわるのは電脳雑伎集団に目先の利益よりももっとスパイラルにこだわる理由があるのか、銀行がメンツを守るためなのか?

 その理由が気になるところなので次回以降にも注目です。


新結合

『新結合』という言葉は耳慣れないのかもしれませんが 『イノベーション』という多くのかたが言葉は聞いたことがあるかと思います。

 今は「技術革新」などと訳されることが多い様ですが、実は『イノベーション』の源流、出発点が『新結合』なのです。

 イノベーションの父と呼ばれるシュンペーターはその著書「経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉(岩波文庫) 文庫」の中で『新結合』という言葉を持ちていています。

 『イノベーション』というと0から1を生み出すという意味合いが強い様に思いますが、シュンペーターは「既存にあるもの同士を組み合わせて新たな価値を生み出す」ことが『新結合』であり、『新結合』の実行が『イノベーション』であると定義しています。

 つまり『イノベーション』を起こすために『新結合』が必要であるということです。

 『新結合』を私なりにまとめると

新結合=イノベーションの源流、出発点
   ≠ 0→1
   =1+1>2(イチタスイチヲニヨリモオオキク)

といったところでしょうか。

 またシュンペーターは『新結合』の代表的な5つとして以下をあげています。

①新しい財貨の生産
②新しい生産方法の導入
③新しい販売先の開拓
④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
⑤新しい組織の実現(独占の形成やその打破) 
   出展;Wikipedia  ヨーゼフ・シュンペーター

 今回の「半沢直樹」でスパイラルがフォックス(コペルニクス)を吸収合併することこそが『新結合』であり上記の5つの中では③④⑤あたりが該当しそうです。

 今回の『新結合』がどのような『イノベーション』を起こすのか次回以降の放送が楽しみです。


ドラマに学ぶ企業経営

 今回の「半沢直樹」を観て『新結合』とともに感じたものは『企業者魂』でした。

 シュンペーターの定義では

『企業者』=まったく新しい組み合わせで生産要素を結合し、新たなビジネスを創造する者

です。

 経営者という意味では会社やそこで働く社員を守ることも非常に重要ですが、「まだ無い新たな価値を世に提供する」ことこそが真の『企業者魂』です。

 一度は信頼を失った瀬名と郷田が急転直下、手を結ぶことを決めたのも「新たな価値を創造できる」という魂の共鳴があればこそだと思います。

 多くの企業が『イノベーション』を起こしたいと思ってはいるものの実現できていないのが現状では無いでしょうか。

 今回の「半沢直樹」のエピソードより

・『イノベーション』はどうやって起こるのか?
 0→1ではなく既存のモノ・サービスの組み合わせ(新結合)によって起こる
・『イノベーション』はなぜ起こるのか?
 「まだ無い新たな価値を世に提供する」という企業者魂から起こる

という点が参考になるのではないでしょうか。

「半沢直樹」に学ぶ『イノベーション』の起こし方は以上になります。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

  

 




 


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