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新規投資|UPSIDER

2020年9月29日付にて、株式会社UPSIDER(代表取締役 宮城徹)のサービスが正式にリリースされました。併せてDNX Venturesが、2020年6月の調達ラウンドにて、ANRI、Global Brain他複数の個人投資家とともにUPSIDERへの出資を実行いたしましたことを報告いたします。


「上場のための法人カード」UPSIDERとは?

UPSIDERは、成長著しいベンチャー企業を主要ターゲットに据えた法人カードを発行する会社です。これまでスタートアップ経営者は、従来の法人カードを利用するにあたって2つの大きな課題を抱えていました。一つが、限度額が低く、カードが原因で成長機会を逃すリスクがあること。もう一つが上場審査に耐えうる管理・ガバナンス体制を整えていく上で、使用しにくいこと。

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UPSIDER社は、以下の5つの特徴を備えており、弊社の支援先も含め、数々のスタートアップ経営者が共通して持っていた悩みを一気に解決してくれるカードです。

(1)1000円〜1億円の高い利用限度額
(2)月次決算に漏れや遅れが生じない
(3)部門・使用用途別に発行・明細管理可能
(4)不正利用の防止機能・補償付き
(5)請求書の振込代行機能による業務効率化

具体的に一つひとつの特徴を見ていきましょう。

(1)1000万円〜1億円の高い利用限度額
従来のサービスでは、法人カードの申請を行う際に、会社の財務体質や社歴が重視されてきました。従って、創業まもなく、赤字が続くスタートアップ企業は法人カードを作りにくい(代表の連帯保証を要したり、限度額が低い)という問題がありました。また、スタートアップの成長速度が早すぎて、限度の引き上げが追いつかず、会社側が気づかないうちに、カードが止まり、オンライン広告への出稿が勝手に止まってしまうなど、法人カードが事業に直接負の影響を及ぼしている、という逸話もよく起業家から聞くところです。UPSIDERは、従来とは異なるアプローチでで柔軟な限度額の設定を行うため、急成長している有望なスタートアップに対しては、柔軟かつ高い限度額の設定が可能となります。

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(2)月次決算に漏れや遅れが生じない
従来の法人カードでは、カードを切ってから明細確定までに時間を要することがあり、それにより月次決算の漏れ、遅れなどが起こるリスクを孕んでいました。従って、上場審査中に監査法人から指摘が入りその対応に時間を要したり、また、上場準備フェーズに入る前に法人カードを廃止せざるを得ない場合もありました。UPSIDERでは、カード決済後すぐに明細確定を行う仕組みを作ったため、そのような問題を解決することができています。

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(3)部門・使用用途別に発行・明細管理可能
(4)不正利用の防止機能・補償付き

従来の法人カードでは、1法人の中で16桁の番号が異なる複数カードの発行することができず、会社全体で一枚のカードを使用するケースがありました。UPSIDERは部門や使用者別に別々のカードを発行し、明細管理を行うことができます。

部門別、用途別管理ができるようになった結果、手動での明細内容の事業部別振り分け等を行う手間が省けるため、会計作業(財務会計・管理会計ともに)の取り込みが楽にできるようになります。

また、従来カードでは、会社全体で一枚のカードを使用した結果、付与される限度額が大きく、カードへのアクセスがある担当者が規模感ある不正利用を行えるリスクを孕んでいました。UPSIDERでは部門別・使用者別のカード毎に予算管理を行うことができるため、ガバナンスやアカウンタビリティー強化を図ることができます。

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(5)業務効率化、振込費用の削減
UPSIDERの管理画面では、カード機能とは別に、振込代行機能がついています。請求書を写真でとり、UPSIDERの管理画面にアップロードするだけで、振込を自動的に完了してくれるため、アーリーステージの経営者によっては、振込業務を行う時間を削減したり、リーンな経理部門の立ち上げを行うことが可能となります。

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今回投資に至った経緯

弊社がUPSIDERに注目し、投資を決定した理由は大きく3つあります。

1. 信用事業を行うに値する信用力が高い、誠実なチームであること
UPSIDERの経営陣は、法人カード事業を行うにふさわしい人格、カルチャーを持ち合わせています。特に、代表取締役の宮城さんを中心に、メンバーが有している誠実さと精緻さは特筆すべきです。良いことだけでなく、良くないニュースもステークホルダーに対しては即時情報開示を行うスタンス、そして常に準備を徹底し、細部にこだわり続ける。弊社も投資時にカスタマーレファレンスを数社させて頂きましたが、皆口を揃えてこの点について挙げられており、また日々のコミュニケーションの中で私達も感じとっています。

2. 欧米でも見られるグローバルトレンドであり、社会的なインパクトが大きい事業であること
数年前から銀行がAPIを開放しはじめたことに付随して、米国は新しい与信体系をベースとした法人カード会社BREXが出現。その後大企業系も含めた沢山の後発サービスが出てきており、業界変革が起こりつつあります。またBREXは、スタートアップ経営者が新しいサービスへのニーズを最も抱えていたために、スタートアップを対象として事業を立ち上げましたが、今では、ECやその他領域まで拡大しており、オンラインで登録や審査、管理ができ、かつ柔軟な与信体系に裏付けられた法人サービスが巨大な市場を獲得できる可能性を感じています。

3.日本市場に展開する上で、よいタイミングであること
日本市場においても、スタートアップや中小企業向けに法人カード・サービスを提供している企業は少なく、十分参入できる余地が見受けられたこと、また、銀行API開放や金融サービスのマイクロサービス化などのグローバルトレンドについて、欧米以上に規制撤廃等の課題はあるものの、着々と進んでいることから、同社が市場展開をはじめるのに良いタイミングであると考えました。


メディア掲載

Fobes JapanのオンラインメディアでもUPSIDERについてご紹介いただき、DNXの倉林もコメントさせていただきました。ぜひ合わせてご覧ください。


早速DNX Venturesの他の支援先でも、法人カードの需要からUPSIDERの検討を始める企業がでてきました。スタートアップの事業推進を支えるUPSIDERの法人カード事業を、DNX Venturesとしてもサポートさせていただければと思います。


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(監修:倉林 陽、文・向川 恭平)

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