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コロナで増収増益の「なぜ?」

コロナ禍で大打撃を受けた業界があるなか、じつは業績好調の企業も多い。そんな(大きな声では言えない)企業の実態をお話しします。
これから就職・転職するなら、ニューノーマルに強い業界を選ぶべきです。


全くダメージを受けていないメーカー

先日、当社は2021年Q1の決算を発表しました。
4期連続の増収増益でした。

年ベースでも、2020年に過去最高益を記録するなど、コロナ禍でダメージを受けるどころか、むしろコロナを奇貨として収益が改善している印象です。

当社は、巣ごもり需要の恩恵をモロに受けた業種ではありません。
一部の販路(チャネル)で販売が減少しましたが、別の販路で減少分を補うことにより全社的には売上をキープしたかたちです。

サービス業に比べて、製造業が有利な点は、在庫を持てることです。
コロナ発生時において当社が最初に陥った危機は、工場での生産がストップしたことでした。それでも、十分な安全在庫があったおかげで欠品を防ぐことができました。

また、一部の販路で売れなくても、在庫を他の販路に移せば販売機会を得ることができます。

基本的に在庫を持てないサービス業は、一回性のビジネスです。
2021年5月4日のペントハウスに宿泊客がいなければ、その分の売上は永遠に得られないままです。

出張がなくなって大幅増益

見出しのとおりの状況です。

当社では、国境をまたぐ出張が原則禁止という状態が1年以上続いています。
出張旅費のセービングは、(ラフな試算ですが)日本円で2,000億円くらいでしょうか。
実効税率30%として、1,400億円の純利益増になります。

コロナの影響でコスト削減効果があったのは、出張旅費だけではありません。
100%在宅勤務となり、本社を含む世界中のオフィスをクローズしました。
オフィス家賃はなくならないとしても、光熱費、オフィス用品、社員食堂、託児所、警備員や清掃等のサービスにかかるコストはゼロになりました。

出張禁止の状態は2021年末まで続くとみています。
オフィスの出禁は、コロナの収束とともに徐々に緩和されていく可能性がありますが、「オフィスに来てもいいけど・・・」となるだけで、基本的には在宅勤務が奨励されるでしょう。
一部のオフィスは不要とみなされて、完全に解約することになると思われます。

よって、ますますコスト削減が進むわけです。

コロナショックから半導体ショックに

ニュース等でご存知の方も多いでしょうが、世界では未曾有の半導体不足が続いています。

コロナが拡がった2020年始め頃に、景況の悪化を予測した半導体メーカーは軒並み減産に走ったのです。ところが、知ってのとおり実際に起こったことは逆でした。
巣ごもり消費によって、大量の半導体を必要とするパソコン、スマートフォン、ゲーム機、そして自動車などは需要が増えたのでした。

その結果、半導体の不足は危機的なレベルにまで達しています。
「産業のコメ」とも呼ばれる半導体は、今やありとあらゆる電子機器に使われているので、半導体の不足はその国の基幹産業を停滞させるほどの大問題です。

しかも、現在の半導体生産能力は、台湾メーカーと韓国メーカーで世界の生産量の半分以上を占めるという、とんでもなく歪な構造になっています。

最近になって中国がけっこう本気で台湾に侵攻しようとしていることや、ついにアメリカが「Love台湾♥」を表明したことの背景には、こうした半導体を巡る台湾争奪戦があるのです。

社員の孤独にどう対処したか?

以前の記事で、ヨーロッパの会社員は在宅勤務となった今もコロナ前と変わりなく働いている、と書きました。

それでも、在宅勤務にともなう試練がなかったわけではありません。
それは、一部の社員に蔓延しつつあった孤独感でした。
“Connect” を合言葉に、幹部らが「離れていても気持ちは繋がっている」というメッセージを発信したり、”Shake A Coke Challenge” など、世界中に散らばる社員の面白映像を繋げたビデオを社内SNSに投稿したりと、いろんなアクションがとられました。

孤独を感じているのは自分だけではない、と気づいたり。

世界中の仲間たちがこの状況でもバカをやっている、と知って安心したり。

私たちは、たくさんのビデオに勇気づけられ、孤独も不安も忘れました。

アフターコロナの生き方に備えよう

世界的にまだコロナが収束しないうちから、アフターコロナについて考えるのは時期尚早かもしれません。
でも、私は新しい世界に絶望しないためにも、今のうちから覚悟を持っておきたいと思うのです。

旅行しない人生を見つけます

私は転勤も多かったし、コロナ前は息をするように出張ばかりしていました。
そして休暇を取れば、やっぱり旅行。
仕事でさんざん旅行しているのに、休暇中もまだ旅行するんか?と自分でも呆れるほど、旅行が好きなのです(たぶん)。

そんな私が、コロナのせいで出張にも行けず、バカンスにも行けず、日本にも帰れない。しかも、この暗いトンネルは、出口が見えません。

だったらいっそのこと、生き方を変えてやろう。

バーチャル旅行みたいな虚しいことはしません。
家で仕事をし、妻と酒を飲み、子供と工作でもして遊ぼう。
休日は、家から半径2km以内の公園、プール、山で遊ぼう。

そんな生き方も悪くない(よね?)