見出し画像

お金は銀行に預けるな【本の紹介】

noteの企画なのか、「人生を変えた1冊」というハッシュタグがオススメされていたので思い出した本です。

オススメする理由

第1に私の人生を変えるほど役立つ内容だった、というのが理由です。
しかもわかりやすい。
私がこの本を読んだのは学生時代で、学部が理系だったので金融や経済の知識もありませんでした。
それでも理解できて、かつすぐさま行動に移るだけの具体性がありました。

行動とは、ノーロードの投資信託を国内株式、国外株式、国内債券、国外債権に1万円ずつ分散して毎月買う、というものです。
理由は、少額で最大限の分散投資ができること、信託報酬が安いので期待利回りが高いこと、そしてドルコスト平均法が使えることです。

何言ってるのかわからないかもしれませんが、この本を読めばしっかり理解できますし、わからなければ買って読むべきです。

私はその後10年あまり資産の運用を続けていますが、もしあの時この本に出会っていなければ未だに資産のほとんどを銀行に預けていたと思います。

正直、想像しただけでぞっとします。
なぜなら、資産運用を始めなければ、今得られている以下のような恩恵を得られれなかったからです。

- 純粋に放っておくだけで資産が増える
- お金はお金を稼ぐことができる、と体感でき、その理屈を深く理解できる
- 身銭を切っていろいろな資産に投資したことで、経済について学べる
- 学べたから新たな資産にも投資できて、さらに資産が増える

こう書くとお金のことばかりのようですが、それよりも人生全体に影響が出ていると思います。
どういうことかというと、収入源を会社の給料だけに頼らずに済むようになったことで、将来への不安、特に経済的な不安がほぼなくなったということです。

以前ご紹介した「最高の体調」にも書かれていましたが、不安は現代人の体調不良の2大要因の1つです。

しかも単なる不安ではなく、未来への漠然とした不安が体調不良の要因だそうです。
将来の経済的不安なんてまさにこれの代表格でしょう。
そこからほぼ解放されたのは、日々生きていくうえでプライベートも仕事も充実させるために大きく役立っているように思います。

本の概要

最初に基本となる金融リテラシについて説明がされています。
リテラシとは"識字"を意味する言葉ですので、専門的な知識ではなく最低限知っておかなければいけない知識です。
例えば金利って何?とか、どうやって金利って決まるの?リスクって何?といった話です。

金融リテラシをおさえると、株や債券といった金融商品のことも理解しやすくなりますので、次のパートではそれらについて語られます。

投資というと株のイメージが強いかもしれませんし、投資信託と聞くと怪しいと思われる方が多いかもしれません。

でも株はたくさんある金融商品の中の1種類でしかありませんし、怪しいのは投資信託そのものではなく一部の売り手です(しかも最近は法の規制も強くなって怪しい売り方もしづらくなっています)。

本書では株、債券、不動産、投資信託、保険、コモデティといった基本的な金融商品の概要やしくみが説明されています。

ここまでが前提の知識のパートです。
この後は実践編です。
実際にどのように金融リテラシを身に着けていくべきか、投資していくべきか、が書かれています。

これについては前提となる金融リテラシが無いと理解が難しいので、ここでは触れません。
是非本書を読んでみてください。

感想

この本を読んだから値上がりする株がわかるとか、どの国の不動産を買うべきか判断できる、といったことは全くありません。
でもだからこそ信頼できる本だと思います。
アドバイスはそれが具体的であればあるほどすぐに陳腐化します。
また、みんなが今後高くなると思っている時点でその金融商品はすでに高額になっているものですので、利益を出せる確率は下がるでしょう(このあたりも金融リテラシの1つとして本書の中で紹介されている効率的市場仮説というものです)。

この本は10年以上前に出版されていますが、金融リテラシのパートや、各投資商品の説明は今見ても色あせる内容ではありません。
どうやって投資を開始すべきか?と今私が聞かれたら、ほぼこの本と同じ回答をするでしょう。

少し付け加えておくと、今は積み立てNISAやiDeCoがあるので、その枠組みで、この本が薦める毎月インデックス投信を国内株式、国外株式、国内債券、国外債権に分散して投資し続ける、というのがベストだと思います。

数百円で買える本ですし、専門的な金融知識が身につくわけではありません。
内容としては現代を生きる上で最低限身に着けておくべきレベルにとどまってはいます。
ですが、これを知っているのと知らないのとでは雲泥の差がありますので、人生に与える価値は本の価格の数百倍では効かないほど大きなものだと思います(個人的には数万倍です)。

読んだことがなくて、内容に自分が知らないことが多く含まれていそうだったら、間違いなく買って読むことをオススメします。

著者紹介

勝間和代
中央大学ビジネススクール客員教授。著書多数
参考: Amazon著者紹介ページ


この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、記事執筆のための参考文献の購入費用(月数万円)に充てさせていただきます。