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経営人事の補助線

私事ですが、組織人事コンサルティングを手掛けるようになって、1年半が経過しました。

もともと人材開発の業界に10年以上いたこともあり、HRについては一定度理解していたつもりではあったのですが、いざ人事全体を俯瞰する立場に置かれてみると、これまでには見えてこなかった景色がありました。

その景色の一つが、タイトルにも挙げた「経営人事」でした。

詳しくはあとで述べますが、「経営視点を持って人事施策を企画・運用できるか否か?」がその会社の人事パフォーマンスを決めるのでは?との思いを強く抱いています。

このマガジンでは、コンサルティング・各種書籍における気づき等をベースにしながら「経営人事=経営に資する人事とは?」という問いを探究していきたいと考えています。

◆経営人事とは何か?

まず「経営人事」とは、僕の造語です。その意味するところは「戦略人事」と極めて近いです。

つまり「人事を一機能として扱い個別最適を目指す姿勢」ではなく「経営の一分野として全体最適を目指す姿勢」を指します。

戦略人事という言葉もすでにありますが、どうも「経営を担う」ニュアンスが伝わりにくいように昔から感じていて、より意が伝わりやすいと思われる「経営人事」という言葉を使うことにします。

◆なぜ経営人事にフォーカスを当てるのか?

結論から言ってしまうと、コンサルティングで多くの企業を支援する中で、
人事の巧さは「経営人事」的なセンスの有無によって決まると感じているからに他なりません。

ものすごく乱暴に言ってしまうと、人事の世界には二種類の人がいます。(10年以上の業界経験を元にすると)

①人事プロパー(管理系プロパーも含む)
②異分野からの参入組

上記の中で、仕事がしやすいと感じる方は、普通に考えれば①のはずなのですが、実際には②の人が多いのです。
それにはいくつかの背景があります。

①:人事プロパーの人は、人事しか経験がないこともあり、全体最適の視点を持ちにくいことが多いです

②:①ゆえに、専門的な枝葉末節に捕らわれやすい傾向があります

③一方、異分野からの参入組は、人事以外の経験があり、多角的な視点で意思決定できる(傾向があります)
(また、②の場合は、得てして他部署で優秀な人材がアサインされるケースが多いです)

②の人は人事経験は浅いので、人事系の知識やモノの見方は不足しているところからのスタートにはなるのですが、それは我々がサポートする領域でもあるので、実務上は実はあまり気になりません。

それよりも、大した論点でないにも関わらず、細かいところにこだわったり、一度決めたはずのことを次のミーティングでひっくり返したりという方が大変です。

なお、この傾向は人事というよりは人材開発の方が強いように感じています。

人材開発は絶対解がない分野で、また、専門的な知見が毎年生み出されるので、それをフォローしているだけで勉強した気になりやすいこともあるのでは?と考えています。

最後に、念のためですが、この傾向に①の人全員が当てはまるわけではありません。

◆で、けっきょく経営人事って?

おそらくここまで読んでも「経営人事って結局なに?」という感じだと思いますので、僕はこういう観点で経営人事を捉えています、というものを図で表してみます。

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要は経営マターと言われているような事業論や組織論も参照しながら、人事施策に落とし込めること、といったイメージです。

事業や戦略は創れなくともOKです。

そういった情報を咀嚼しながら、それらを実現する人事施策を立案する順番で考えられれば、まずはそれで十分、といった感じです。

が、実はこの頭の動かし方ができる人は、世の中にあまり多くないと思っています。何を隠そうこんなことを偉そうに書いている僕自身も、人材開発の領域のみをフィールドとしていた時には「わかった風」でした。

人事制度等も含め、経営者の方とご一緒しながら、経営→人事制度→人材育成という一貫性を持って考えざるを得ない環境に置かれてから、強く意識するようになりました。

このギャップが生まれるゆえんは「上位のレイヤー」(ミッション・事業・組織)を考える機会不足と、上位レイヤーと下位レイヤーの往復運動量の不足にあるように思います。

だから手っ取り早いのは、自分自身で(小さくとも良いので)経営をする、経営者の真横にいて頭の動かし方を理解する、というあたりかと思いますが、それはそれで元も子もないので、このマガジンを通じて、その補助線を描いていければと思います。

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組織・人事コンサルティングやスタートアップの経営に携わりながら「Humanization」をテーマに活動しています。人や組織の変容や、それらを司る意識進化の探求・自己変容のプロセスを綴っています。最近は「生かされる生き方」にエネルギーが向いています。