Daisuke Katsura

寄付や贈与について書いています。共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」と、寄付プラットフ…

Daisuke Katsura

寄付や贈与について書いています。共同贈与コミュニティ「新しい贈与論」と、寄付プラットフォーム「solio」を運営しています。

最近の記事

バレンタインには日本の贈与文化が表れている

今日はバレンタイン・デーですね。ぼくはつねづね「日本は贈与大国である」「日本人には贈与回路が備わっている」と主張していますが、その論拠の代表例がこのバレンタインというイベントです。今夜はあらためてこのイベントについて考えてみましょう。 1 バレンタインが日本に来るまで バレンタインが日本の贈与? 海外のものじゃないの? と考える人もいると思います。それはその通りで、バレンタインはもともと古代ローマのルペルカリア祭というお祭りに由来するもの。それがキリスト教に取り込まれ、聖

    • 「行ってきましたクッキー」から考える贈与のメタメッセージ

      今日は「○○に行ってきました」と書かれたお土産のお菓子についてです。ご存知でしょうか。今もあるのかよくわかりませんが、ぼくが子供の頃はお土産物屋さんにいくとよく置いてありました。ご当地の名前を冠して「日光に行ってきました」とか「八ヶ岳に行ってきました」とか、そういう商品名がつけられたクッキーです。「行ってきましたクッキー」とか呼ばれていますので、今回はそう呼びたいと思います。 まずは本題の「行ってきましたクッキー」について話す前に、少し前提のところから話します。 1 贈与

      • 「恩送り」の本当の意味とは。恩送り誤用の検証と、恩に対する日本語の変化

        こんにちは、桂大介です。noteでは寄付や贈与について書いています。 今日は「恩送り」という言葉について。現代における「恩送り」の誤用と、その背後にある日本語の変化に迫りたいと思います。 1 「恩送り」はもともと「もらった恩を別の人に送る」という意味ではない ネットで「恩送り」という言葉を調べてみると、たいてい「江戸時代から使われていた言葉で、恩を受けた人に返すのではなく、別の人に送ること」なんて説明がでてきます。これは現代においてかなり定着した使い方となっており、新聞

        • 新しい贈与論は何をしようとしているのか

           こんにちは、新しい贈与論の桂です。  新しい贈与論で久しぶりに会員募集をしていますので、今日は新しい贈与論が何を考えているのかについてちょっと書いてみようと思います。 新しい贈与論の信念 新しい贈与論の根本的な信念は、以下の3つに集約されます。 人は贈与によってつながっている 贈与は「私」に穴を開ける ままならない贈与こそ、贈与である  今日はこのことについて書いてみたいと思います。 1 人は贈与によってつながっている  多くの人にとって、寄付や贈与という言

        バレンタインには日本の贈与文化が表れている