
2025年、円相場見通しのポイント~需給編<前編>~
2025年、円相場見通しのポイント
今年も残すところ、あと3週間強となって参りました。必然的に2025年見通しを色々な場所でお話させて頂いているところです。円相場に関しては2022年から3年弱続いてきた円安相場がいよいよ円高へ折り返すのか、それともさらに悪化するのか、横ばいないのか、色々なストーリーが跋扈しており、コンセンサスが定まってないように見受けられます。
恐らく、これから色々なメディアで出てくることかと思います。この点は毎年申し上げているのですが、各媒体の取材や締切、掲載、発信のタイミングがバラバラなので都度、水準感が微妙に異なったりすることはご容赦願いたいと思います。
常々、ここでも述べているように、筆者は極力「腐らない議論」をコンセプトとしてストーリーを作るようにしています。今日も来月も3か月後も、できれば1年後も同じようなことが言えているのがある種、アナリストとしては理想的でもあると思っています。もちろん、各国の金融政策運営や第二次トランプ政権の行方、国内外の政治情勢など、その都度丁寧に拾ってはいますが、それは”マーケット”エコノミストとしての義務感でもあります。純粋にエコミストとしてはもっと大局的な話をしたいと思ってはいます(明確な区分けは難しいですが、マーケットエコノミストとしての情報発信は日経COMEMOとしてお出しするような意識でやらせて頂いております)。
…と前置きが長くなりましたが、今回から複数回に分けて「2025年の円相場見通しのポイント」を整理し、発信させて頂こうと思います。言及したい論点は多岐に渡りますが、基本的な考え方は①需給、②金利の2点に分けて整理すべきでしょう。そのような整理の下、情報発信させて頂きます。
まず、今回と次回を使って過去2年間、口酸っぱく申し上げてきた①需給の話を解説します。本来、需給と金利で1本ずつが綺麗ですが、需給部分が長くなりそうですので、読みやすさの観点から前編・後編に分けたいと思います。全3~4回を通じて(すみません、まだ決めていません)、筆者が25年に対して抱いているイメージを上手く共有できればと思っております。
恐らく世に出ている円相場見通しの中で最も網羅的かつ構造的な視点を提供できると思います。それは予測精度とは別ですが、想定外の事態に対する至高の軌道修正を図るにあたっては、予想の論理構成は漏れなく・だぶりなく準備しておくことが大事だと思います。
まず、需給については今回と次回の2回に分けて、以下のような構成で解説しようと思います:
●需給編(前編):貿易収支・第一次所得収支・第二次所得収支・サービス収支(旅行)
●需給編(後編):サービス収支(デジタル)・経常収支の仕上がり結論・家計の円売り
では、以下、見てみましょう。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?