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「NISA貧乏」とは何なのか~「貯蓄としての投資」~

「家計の円売り」は復調傾向
早くも2025年1月の半分が終わってしまいました。年末年始の報道に目をやると、資産運用立国2年目ということで、その心構えを説くような記事が目立ったように思います

奇しくも、両記事共に「早く売るなよ」というメッセージであることは印象的です。実際のところ、令和版ブラックマンデーを底として相場は上向いており、当時騒がれた米利下げ局面はその終わりが議論される状況です。「短期的に動いてあまりいいことはない」は一定の事実ではありました。

今回の本欄では数字を交えて家計の投資動向の近況と展望を整理しておきたいと思います。ちょうど1月14日に財務省から2024年12月分の「対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)」が公表されておりますので、これをもって投資信託を経由した「家計の円売り」に関し、全貌が見えたことになります。この点に考察を与えたく思います。

なお、最近では「NISA貧乏」というフレーズもあるそうです。今回のコラムではこの「NISA貧乏」に理論的な解釈を与え、年内の指針を定めることにしたいと思います。結論から言えば、「NISAにお金を使っているから消費ができない」というのは表面的な事実としてあったとしても、だからその状況が不健全だという話にはならないと思います。

2024年の「家計の円売り」の実際と2025年の展望を「NISA貧乏」というフレーズを踏まえながら解説してみたいと思います。

2024年の「家計の円売り」は前年比2.5倍!
新NISA稼働に伴う「家計の円売り」の代理変数と注目されてきた投資信託委託会社経由の対外証券投資は2024年通年で+11兆5069億円でした。2023年通年(+4兆5447億円)の約2.5倍であり、明確に資産運用立国に向けた施策の効果が現れた年になったと言って差し支えないでしょう。

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