
2025年円相場見通しのポイント~需給編<後編>~
前回の「2025年円相場見通しのポイント~需給編<前編>~」に続き、早速後編を議論させて頂こうと思います。長い!ですが、今週読もうと年末年始に読もうと腐らない話ですので、読者の方々の空き時間に、冬休みの頭の体操にでも使って頂ければと思います:
予告しておりました通り、今回の後編は話題のデジタル赤字や家計の円売り、そして前・後編踏まえた上での2025年に対する需給イメージを提示したいと思います。ちなみに予告では後編に関し「サービス収支(旅行&デジタル)」書いてしまっていましたが、旅行は前編にやっています。訂正しておきました。正しくは以下のような構成です。失礼いたしました:
●需給編(前編):貿易収支・第一次所得収支・第二次所得収支・サービス収支(旅行)
●需給編(後編):サービス収支(デジタル)・経常収支の仕上がり結論・家計の円売り
では、まずデジタル赤字の見通しから議論してみましょう。奇しくも12月11日の日経新聞で関連記事が出ておりました。私のコメントも出ています。2024年のデジタル赤字が最大になることは見えていますが、2025年はどうなるのでしょうか?この辺りの見通しも示しておきたいと思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA225V50S4A121C2000000/
伸びるデジタル赤字
前編で議論した過去最大の旅行収支黒字と対を成すようにその他サービス収支赤字も毎年のように過去最大を更新しており24年は1~10月合計で約▲7.1兆円と2023年通年の赤字(約▲5.9兆円)を超えています:

このうち、近年注目されるデジタル関連サービスに支払う赤字(以下デジタル赤字)は約▲7.1兆円のうち約▲5.6兆円と殆ど部分を占めます。昨年のデジタル赤字は約▲5.5兆円でしたから、2か月を残して昨年の赤字を超えてしまいました。前出の日経記事が報じるように、過去最大ということです。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?