オッペンハイマー観ました
マグロ漁にホタテの養殖に農業にペットボトルがコケてないか見守る仕事(謎)と肉体労働連打で最近夜にスマホで長文連打する体力が無かったのでオッペンハイマーのレビュー遅くなりもした。
本作、原爆とレッドパージのアメリカの二大タブーに挑んだ問題作であります!
結論からズバリ言うと凄すぎて凄かったです(KONAMI)
ノーランの映画は時系列が交錯するので人によっては苦手かと思いますが、ワイはノーラン好きなので観に行かねばと思い4月に行ってまいりました。
内容は原爆を開発した原爆の父、オッペンハイマーの半生で原爆の開発から戦争の英雄になるパートとアメリカの赤狩りの嵐でソ連のスパイの濡れ衣をかけられて聴聞会で糾弾されるパートからなります。
戦争の英雄が赤狩りで一転して国賊として濡れ衣着せられる、そこに絡む人間関係という物語ですね。
3時間という長時間と登場人物も多くとても一言では語れない映画でした。
オッペンハイマーという男はまさにバカと天才は紙一重というかキチガイと天才は紙一重で一言で語れない男なのです。
物理学だけでなく多言語を操る天才でありストイックでありながら女にだらしがなく、女絡みで足元を掬われることになります。
でも、先に一言でまとめてしまうと、IMAXで見ろ!!
出来ることならIMAXで見るべき!
ちょっと金払えばトリニティ実験の原爆を体感出来る。
IMAXでトリニティ実験を体感せよ!
原爆のシーンをIMAXで見るだけでも価値がある…
オッペンハイマーの伝記を下にしてるらしいですがネタバレない方が楽しめると思うので、オッペンハイマーの半生を追体験するためにオッペンハイマーにざっくりしとした知識しかないくらいで行くのが楽しめると思いますね。
しかし、当時の時代背景とか日本の敗戦までの流れを全く知らないって人だと理解するのが難しいかもしれないので、マンハッタン計画の概要やドイツの降伏から日本への原爆投下までのざっくりした時系列は知っておくといいと思います。
当時のアメリカの科学や文化水準が日本と比べて高過ぎてこりゃとてもじゃねえけど戦争勝てる訳なかったわっつうな。
原爆が投下されなかったらノルマンディー上陸作戦みたいに日本に上陸して東京へ侵攻する予定だったですが、これは連合国と日本双方にダメージがデカい作戦でもありました。
ドイツが降伏した時点で日本もそう持たないのは目に見えていたし、日本が降伏するのは時間の問題でしたが原爆がダメ押しでしたよね
本作のあらすじ
アメリカやオッペンハイマーは原爆を投下したことで最小の犠牲に留めたと本気で思ってたんですが(もちろん、新型爆弾の実験とソ連への牽制の意図はありまくる)自分が作り出した爆弾の想像を上回る威力に恐怖や悔恨も感じ、水爆の開発にはソ連との新兵器競争がよりエスカレートするだけだと反対するのです。
また水爆のアイデアを試したい天才物理学者も仲間にいて、その仲間がオッペンハイマーにライバル心も燃やしていた。
オッペンハイマーが水爆の開発に反対したことと、オッペンハイマーの愛人や妻が共産党と関わっていたことが過去にあったのでオッペンハイマーはソ連のスパイではないかと疑われてしまうのだ。
アメリカは決して自由の国ではなかった
戦争という愚かさと赤狩りという愚かさが軸になっております。
ワイに嫌がらせしていた諸葛はアメリカはレッドパージをして共産党がなりを潜めたからフェミにも嫌がらせしまくればフェミは黙るはずだ、今はリベラルに時代が傾いてるけど嵐のようなものでフェミに嫌がらせしまくればいずれは黙ると語ってました。
アメリカのレッドパージは言論の自由から最も遠い。
これを自由の国アメリカがやってしまったことは大罪だとワイは思う。
表現の自由を唱えるものがレッドパージに賛同するというのはあってはならないとワイは考えている。
アメリカの歴史に置いての二大タブーは原爆とレッドパージだと思うんだけど、原爆がやべえのは勿論、当時のハリウッドでもレッドパージは吹き荒れていて、チャップリンが追放されたのは有名ですよね。
チャップリンがアメリカから追放されてイギリスに帰ってイギリスがナイトの称号を送ろうとしましたが、アメリカが圧力をかけてこれをやめさせました。
それほど当時のアメリカのレッドパージは凄まじく、オッペンハイマーも戦争の英雄と讃えられていたのから一転してソ連のスパイの濡れ衣を着せられるというチャップリンのような目に遭ったのです。
ハリウッドは国民に影響力あるので政府はハリウッド関係者も徹底的に共産主義者を弾圧しようとしていた。
なんと、アメリカ大統領のロナルド・レーガンはハリウッドに共産主義者を弾圧するために送り込まれたスパイで、スパイがハリウッドに潜り込む為に俳優をやっていたのです。
単なる俳優ではなかったのだ。
バックトゥザフューチャーのネタになってたように元は売れない俳優が大統領にという訳じゃなかったのだ。
日本で言うなら公安や内閣調査室のすげえエリートのスパイが芸能界に入り込んで工作活動していた、そのエリートが政府の中枢のことを色々知ってたから大統領になれたというのが正確なのです。
アメリカっていうのはやる時はそれくらい徹底してやるやべえ国という側面があるから、マンハッタン計画を発動して原爆開発の為に町を一個作って3年くらいで原爆を開発させちゃったんです。
日本が戦争で勝てる訳がねえって😅
これ言うと日本すげえ日本世界一の馬鹿ネトウヨが発狂してうぜえんですが、ハルノート受け入れてれば日本は台湾守れたし北方領土盗られなくて済んだし、参戦したとしてドイツ降伏した時点で即土下座で降伏してれば原爆投下されなくて済んだんだよ…
本当に残念でならない…
話はハリウッドに戻りますが、レーガンがハリウッドに送り込まれたスパイだったり、チャップリンが追放されたり、当時のハリウッドもレッドパージに加担しまくっていた、加担しなくては存続できないほどの圧がかけられていた。
これはハリウッドの黒歴史と言ってもいいでしょう。
アメリカは自由な国や言論の自由があるという建前ですが、レッドパージで共産党員ではない人間にもものすごい弾圧をしていたり、黒人は差別しまくってたりでその反動がポリコレであるということもあるのでしょう。
ハリウッドが近年ポリコレポリコレうっせーのもハリウッドのレッドパージや黒人差別の歴史があるからだと思います。
なお、本作はポリコレ的なものには是も非も唱えてないし、戦争や原爆の是非も唱えてないんですね。
核の抑止力
本作は反戦映画でもないし戦意高揚プロパガンダ映画でもありません。
ノーランの映画の大体は善悪の価値観とか勧善懲悪は無く、その価値観や受け止め方は視聴者に委ねられる事が多いのだ。
これ言うとまた左翼とネトウヨ発狂するでしょうが、ワイは千葉県民なんで九十九里から上陸されたら千葉県めちゃくちゃになってたんで(このダウンフォール作戦やコロネット作戦の話も映画にある)もしこれ実行されてたらワイ的には原爆投下より嫌だったんでまだ原爆の方がマシなんですよね、申し訳ないが。
原爆投下されなかったら本土上陸作戦まで粘るつもりだったらやっぱ日帝頭悪すぎる…
キチガイネトウヨは粘ったから日本が認められたんだとか天皇が認められなんだとか訳分からんネトウヨ理論唱えるかもしれんが…
実際に戦争になったらせいぜい女盾にして逃げるようなお前らみたいな軍師気取りの無責任なバカが国を滅ぼすんだよとしか。
それにマンハッタン計画成功してた時点で時間の問題で日本降伏だったんで、マンハッタン計画成功する前に日本降伏してれば…
どの道負けたんだから負け被害少ない時点で降伏してれば原爆投下されなくて済んだのに…
悔やまれてならない
オッペンハイマーは原爆の誕生で連合軍の兵士の犠牲が最小になったし(それはそう)なんなら日本人の犠牲も少なく済んだとガチで思ってはいたんですけども、これ広島長崎の人は絶対に認められないしそれはそうなんですけど、日本が降伏しないで原爆が作られないで本土上陸作戦もそれはそれで千葉県がモロに地獄の阿鼻叫喚になってたし連合軍、日本ともにどんだけ被害あったか分からんの考えると原爆の是非なんてそうそう簡単に出せないんですよね。
広島、長崎に限定すれば計り知れない悲惨な悲劇なんですが。
核の抑止力の話も出てくるし、オッペンハイマーが開発に成功しなくてもいずれは他のソ連に雇われた物理学者が成功させてたろうし。
なので、ユダヤ人であったオッペンハイマーのナチスドイツへの憎しみや戦争を終結させるために原爆を作ろうとした思いから、その後に原爆のあまりの威力を恐れ原爆を上回る水爆に反対する揺れる心の動きはあるものの、戦争や核兵器の存在それ自体は否定もしてないんですね。
オッペンハイマーはソ連が原爆を成功させるだろうことは予見していたので核の抑止力は前提なものの、原爆のあまりの威力や新兵器開発競争が世界にとって悲劇しか生まないこともまた予見していたのです。
そしてそれ故にソ連のスパイの濡れ衣を着せられそうになってしまった。
人間が宇宙の法則を物理学に落とし込んで原爆を開発してしまった、いわばプロメテウスの
火だっただけで、人間が存在しようがしまいが超然として存在してる宇宙で、宇宙には是も非もないようにノーランは自分の価値観を視聴者には明示はしてないのです。
ノーラン節炸裂の時系列交錯入れ子的羅生門構造
じゃあ、映画は誰の視点でもないのかというとそうではなく、あくまでもオッペンハイマーの認知が及ぶ範囲の話になるんですね。
ここは分かりにくいと言われてるところなので事前に知った方が見やすいかもしれません。
映画はカラーと白黒のパートに分かれて時系列が交錯するんですが、カラーのパートがオッペンハイマーの認識する世界の視点、白黒がオッペンハイマーに恨みを抱いて陥れようとしている政治家ストローズの視点になるんです。
ここがオッペンハイマーを初見で見てよく分からんという感想が結構いた原因になるんですが、ノーランの映画はこういう時間軸とか誰視点かという芥川龍之介の羅生門みたいなトリッキーなギミックが多いんで、そこがノーランの映画が好きか嫌いかの分かれ目にはなるでしょうな。
左翼系の人らが映画中で日本の原爆投下シーンや戦争の悲惨さが描かれてないだとか反米ネトウヨ系の人らが所詮はアメ公は日本はどうでもいいんだとか吠えてたのも散見されましたが、お前ら現代文の偏差値が低い。
カラーパートがオッペンハイマー視点、白黒パートがストローズ視点なので、あくまでもオッペンハイマーはオッペンハイマーの知識や認識や感情での認知が及ぶ射程、ストローズはストローズの認知が及ぶ射程でのそれぞれの認識になるんですよ。
だからオッペンハイマーは原爆投下の成功時点では電話でしか知らないんですよ。ここで原爆投下シーンが描かれたら話が破綻するんですよ。
後にオッペンハイマーはフィルムで日本の惨状を知り威力の壮絶さに恐怖と悔恨を感じ幻聴を聞くシーンがあるんですが、ここでなら日本の惨状を描けってのはまあ分からんでもないんですが、これはワイが思うに日本の惨状を描いてしまうと視聴者の心が揺さぶられて映画が反戦映画的に傾きがちになる、それを避けたかったのではないかと思いますねえ🧐
宇宙や物理の法則には是非もないし、神の視点だけど、物理を運用するのはあくまでもその人間の価値観や視点であるという構造なんですね。
だからノーラン自体の主張ではなく、オッペンハイマーとストローズのそれぞれの考え感じ方価値観感情の羅生門的構造になってるのです。
そして、本作のヒロインはなんと!あの有名なアインシュタインなのだ(違う)
最終的な話のキーはアインシュタインになります。
ヒロインのアインシュタインを取り合う三角関係のBLだよ!たまげたなあ、もう
ノーランは時間軸の入れ子構造が好きなんですが、本作よく見ると色んな入れ子構造や対比が存在してます。
1.カラーのオッペンハイマー視点(主幹)、白黒のストローズ時点の二つの視点(客観)
2.アメリカVSソ連 の冷戦
3.国家VS個人 のレッドパージ
4.資本主義VS共産主義
5.全体主義VS個人主義
6.男VS女
7.生(性、生殖、子供)と死(戦争と原爆)
インドの聖典からの引用もある
8.嫁VS愛人
9.天才VS凡人 ストローズも大学や学者を目指したかったが家庭の経済事情で断念して靴磨きから富豪に成り上がった。ストローズもかなり頭いいんだけど物理学に関して天才的なオッペンハイマーやアインシュタインに比べるともし物理の道に進んでもせいぜい大学の普通の教員くらいだったろうし、研究者ではなく金融や政治家と言った実務家である
探すともっと色々あるはずですw
そして、オッペンハイマー、アインシュタイン、ストローズは全員ユダヤ系なんですけど最終的にユダヤ人で内ゲバなんですわwww
しかもこの三人のユダヤ人それぞれに頭いいんですよw
アインシュタインは直感型天才肌、オッペンハイマーは努力型天才、ストローズは金融に長けた秀才でアインシュタインは一線退いてるのでバトルしないけど頭いいオッサン同士が喧嘩なんですねww
これアメリカだけでなく世界の色んなところ大きなところからネットの小さな界隈までそうなんですけど最後はしょうもない個人的な理由で内ゲバなんですよねwwww
最後は生き様や自分の発言がオッペンハイマーにふりかかり伏線は回収されるのだ。
アメリカ政府は憎きナチスドイツを倒す為にオッペンハイマーを召喚して最初は国家VS国家ってところから、戦争に協力したはずの個人を国家がイデオロギーでパージしようとする国家VS個人、そして仲間だったはずの科学者や同胞ユダヤ人が妬みや恨みから足を引っ張る。
自らの不倫が仇となってスパイ容疑。
人間しょーーーもな!!!っていう
でかいところの争いからどんどん小さい身の回りで争いが起こる訳ですわ
宇宙は人間の価値観とは無関係に超然として存在するが、人間はそれぞれのどうでもいいような事でしかしそのどうでもいいような事は当人にはどうでもよくない訳で、争いはなくならないのです😔
これだけの壮大な話で計算尽くで最初から伏線張ってあって全ての伏線を回収しきってるので流石のノーラン
そして、ストローズ役が肉体派のロバート・ダウニー・Jr
このロバート・ダウニー・Jrがアカデミー賞でやっちまいましたね…
差別だ差別でないという議論ありましたけど、ユダヤ人役やっんであれば人種はセンシティブだったはずですが、ユダヤ人と黒人には注意を払ってもアジア人はぶっちゃけどうでもよかったんでしょう。そこまで綺麗なオチがついたと思いますがね、ワイは。
なぜならば、ロバート・ダウニー・Jr演じるストローズはオッペンハイマーとアインシュタインにぞんざいな態度を取られたり塩対応されてムキー!!となった訳で、ロバート・ダウニー・Jrの演技が凄まじく上手かっただけにシカトされて腹立ったということを解釈してない訳がないんですけど、まあ、アジア人はガチでどうでもよかったんでしょうね。
残念ですね。
あと、知ったかぶりキッズが差別されたからと言ってキーキー言うな、努力してアメリカでも認められるようになれ、とかほざいてましたけどインディージョーンズの子役もやってて映画俳優のキーホイクアンや美女のミシェル・ヨーは有名人でセレブリティなんですよね。
それでもあの扱いってことなんだよ。
無名の俳優ってことじゃないんだよ。アメリカで既に認められてるはずだったんだよw
いわんや俺らをやってことだよwww
俺らはイエローモンキー扱いってことだよww
イエローモンキーに対してなら原爆投下も憎きナイスドイツの白人にやるよりも心痛まない、これは当時のアメリカ人にはあったと思いますよw
まあ、ここまで綺麗なオチじゃないでしょうか?
ロバート・ダウニー・Jrの演技は本当に上手くてアカデミー賞は納得でしかないんですよね、だけどこの顛末だったのも含めて人間はしょうもないんすわ。
本作では主演のキリアン・マーフィーもノーランの好きな俳優で他の作品にも出てますし、マット・デイモンも他のノーラン作品に出てますね。
キリアン・マーフィーはインセプションの金持ちの御曹司役ですね。
インセプションの御曹司の時は線が細いイケメンだった。
日本への原爆投下を反対する物理学者役でボヘミアン・ラプソディのラミ・マレックも出てます。
トルーマンがなんとゲイリー・オールドマン、特殊メイクがすごい。ゲイリー・オールドマンはレオンのチンパラだったのがチャーチルで英国首相を演じたましたね。特殊メイクがすごい。
かなりの名優揃えてるので演技も見ものです。
田舎だと設備ないところが多いかもしれんけど出来れば是非IMAXで観てほしい!!!
トリニティ実験、衝撃の44秒(後)をIMAXで体感せよ❗️
そして…映画では描かれませんがオッペンハイマーも癌で死にますし実験に参加した兵士も癌で死にまくりました…
マンハッタン計画当時は放射線や放射能の危険性も分かってなかったのでほぼノーガードで実験してたのも現代人が見ると震えるポイントです。
まさに人を呪わば穴二つ…
点数は93点!
95点でもいいんだけど、話が難しいことと人を選ぶタイプの映画なので93点くらいで。
映画はアホの子にも分かった方がいいってのもあるので。
多少エロシーンあるからかR15なのかもしれんけどエロあってもなくてもある程度の世界史の知識がないと何が何だか分からんし小学生には難しすぎるから中学生ならいけるかもだけど歴史とかそこそこ分かってる子じゃないと観てもわかんないかも。
あと原爆投下シーンとか小学生の低学年だと怖くて泣くかもだからR15くらいで妥当かな。
(終)
ここからは観る予定の人は観ない方がいいネタバレ
みなさん、観ましたか?
トリニティ実験の原爆投下シーン凄かったですね!
大気に引火するかどうかがポイントで大気に引火するから凄まじい威力を発揮するってのワイはアホの子なんで知りませんでした🤪
大気に引火するのは凄まじいエネルギー量を要する訳だったのかーーー!!!
ワイは核の凄まじい爆風なのかと思っておったw
閃光と大気に引火からの衝撃の44秒後に光に遅れて音と爆風だったのか!!!
光に遅れての音速だったのか!!
音速に遅れての爆風!!
最大のネタバレここな!!!
うおおおおお凄え