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「あえて全て描かない」という選択肢を持っておきたい。

なんかネタはないものかとネットサーフィンをしていたら、こんな記事と出会いました。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』はどうして原作を知らない人にも刺さるのか。劇場で観客に取材したところ、興味深い感想があったといいます。

曰く「湘北の主力ではないキャラクターに惹かれた」

その観客は〝メガネ君〟こと、木暮公延が気になったそうです。

劇場版での見せ場といったら、試合終盤にベンチから精一杯の声援を送る場面くらい。孤立した赤木を支えてきたことも、陵南戦で劇的なシュートを決めたことも描かれていません。ところが……、

「試合中に安西先生から『赤木君と木暮君がずっと支えてきた土台の上に、これだけのものが加わったのが湘北だ』と言われてましたよね。『じゃあ、あのメガネ君にはどんな背景があるんだろう?』って気になるんですよ。あれで原作を読みたくなりました」

なんと、描かれていないからこそ・・・・・・・・・・・逆に想像力をかき立てられた・・・・・・・・・・・・・というではありませんか。

実は僕、数日前にも同じことを〝ある小説のあとがき〟で読んでいました。

その作品には、ストーリーには全く絡まないけど、名前だけはちょくちょく出てくるキャラクターがいるのですが、どうして一度も登場させなかったのか?

あとがきには、このようなことが書いてありました。

🍀作者がデザイン系の専門学校に通っていたころ、同級生が先生からある指摘を受けた
🍀パーティーの様子を描いたイラストに対して「全員がきっちり画面におさまっているから、画面の外にもっと人がいるように思えない」
🍀つまり、物語に出てくること全てを説明すると、世界が枠の中におさまってしまう
🍀文字のみで表現する小説において、最強の武器となるのは読者の想像力

『〇〇〇〇〇〇』新装版3巻あとがきの一部を抜粋・要約

ほら、同じでしょう?

僕が働くテレビの世界では〝親切さ〟が重視されます。視聴者に「わかりにくい」と思われたら、チャンネルを変えられてしまうと考えるからです。

なので、一から十まで説明しがち。

しかし「あえて全て描かない」という選択肢を持っていてもいいんです。一から三くらいまでにおわせておいて、あとは想像させる。

これこそ、見る(読む)側から「なんか気になる」を引き出すテクニック。

逆の意味で思い出したのは、今年2月の記事です。

この中で、俳優のリーアム・ニーソン氏は『スター・ウォーズ』はスピンオフを作りすぎて、謎や魅力が損なわれているのではないかとコメントしています。

全てを説明することで、裏目に出る可能性もあるというわけですね。今後、よく考えていきたいと思います。

最後に、僕が読んだという小説について。

その作品は、今から30年ほど前にシリーズ化されたライトノベルで、旅の魔道士である女の子が陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。アニメにもなって、林原めぐみさんが声を務めました。

名前だけちょくちょく出てくるのは、主人公の郷里でウエイトレスのアルバイトをしている姉。実は作中最強のキャラクターみたいなのですが……。

さーて、なんの作品かわかります?

どうしても気になる人はハッシュタグを見てね。

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