「あえて全て描かない」という選択肢を持っておきたい。
なんかネタはないものかとネットサーフィンをしていたら、こんな記事と出会いました。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』はどうして原作を知らない人にも刺さるのか。劇場で観客に取材したところ、興味深い感想があったといいます。
曰く「湘北の主力ではないキャラクターに惹かれた」
その観客は〝メガネ君〟こと、木暮公延が気になったそうです。
劇場版での見せ場といったら、試合終盤にベンチから精一杯の声援を送る場面くらい。孤立した赤木を支えてきたことも、陵南戦で劇的なシュートを決めたことも描かれていません。ところが……、
なんと、描かれていないからこそ、逆に想像力をかき立てられたというではありませんか。
実は僕、数日前にも同じことを〝ある小説のあとがき〟で読んでいました。
その作品には、ストーリーには全く絡まないけど、名前だけはちょくちょく出てくるキャラクターがいるのですが、どうして一度も登場させなかったのか?
あとがきには、このようなことが書いてありました。
ほら、同じでしょう?
僕が働くテレビの世界では〝親切さ〟が重視されます。視聴者に「わかりにくい」と思われたら、チャンネルを変えられてしまうと考えるからです。
なので、一から十まで説明しがち。
しかし「あえて全て描かない」という選択肢を持っていてもいいんです。一から三くらいまでにおわせておいて、あとは想像させる。
これこそ、見る(読む)側から「なんか気になる」を引き出すテクニック。
逆の意味で思い出したのは、今年2月の記事です。
この中で、俳優のリーアム・ニーソン氏は『スター・ウォーズ』はスピンオフを作りすぎて、謎や魅力が損なわれているのではないかとコメントしています。
全てを説明することで、裏目に出る可能性もあるというわけですね。今後、よく考えていきたいと思います。
最後に、僕が読んだという小説について。
その作品は、今から30年ほど前にシリーズ化されたライトノベルで、旅の魔道士である女の子が陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。アニメにもなって、林原めぐみさんが声を務めました。
名前だけちょくちょく出てくるのは、主人公の郷里でウエイトレスのアルバイトをしている姉。実は作中最強のキャラクターみたいなのですが……。
さーて、なんの作品かわかります?
どうしても気になる人はハッシュタグを見てね。
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