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深夜の伏見稲荷

皆さんコンニチハ。

とろサーモン久保田さんと同い年の41歳で、無職、貯金ゼロ、フォロワーさんが1000人を超えたので、質問コメントを募集する記事を投稿したところ、3日間で2つしか質問が来なかった秋山真之介です。

ドラゴンボールの元気玉的な発想で自己紹介テンプレートを作ろうと目論んだのですが、よく考えてみたら元気玉はスーパースターが惑星を救う時のみに許されたワザでしたね。(軽率でした)

さて、本日は『深夜の伏見稲荷に行った話』をさせていただきます。

15年くらい前のゴールデンウィークに、私は後輩と2人でバリ旅行へ行きました。

バリ島へ飛び立つ前の関西空港で、後輩が言いました。

「ちょっと現金持って来すぎましたわ」

「ATM有るから入金して来たらええやん」

「キャッシュカード持って来て無いんですよ」

「オレ持ってるし、オレの口座に入れといたろか?」

という流れで、私は後輩から受け取った10万円を自分の銀行口座に入金しました。

当時も貯金はゼロで、残高10万円の明細を見て微笑んだのを覚えています。

4泊5日の楽しいバリ旅行から帰国すると、私は財政難に陥りました。

給料日は25日。

ゴールデンウィーク明けなので、2週間以上有ります。

元々バリ旅行の費用も足りなかったので、後輩に借りておりました。(5万円)

当時の私は、家賃4万円のアパートに一人暮らし。

手取り25万円で、年に2回ボーナスを貰っていました。

なんでそんなに金欠だったかって?

『酒』と『ギャンブル』です。 

アットホームな職場だったので、毎月給料の前借りをしていました。

給料日の1週間くらい前になると「真之介、今月は大丈夫か?」と社長が聞いてくれていました。

毎月そんな状態なのに、バリ旅行で限界まで散財した私は、窮地に立たされておりました。

          ※

社長が前借りを打診してくれるまであと10日。

所持金は3千円。

朝イチでパチンコに行きました。

2千円で確変を引き、3箱積みました。

1時間後、その3箱が吸い込まれ、残りの千円も一瞬で溶けました。

ATM に行き、後輩から預かった10万円を引き出したまでは覚えています。

気がつくとパチンコ屋に『蛍の光』が流れていました。

所持金は5千円。

朝よりちょっと増えています。

ヤケになって居酒屋で3千円使いました。

          ※

心の底から情け無い。

2度とこんな事を繰り返してはいけないと思った私は『怖い目に遭おう』と決めました。

とても惨めなその1日を、絶対に忘れない為に。

深夜2時、自転車で伏見稲荷に向かいました。

途中のコンビニでワンカップ大関を買いました。

深夜の伏見稲荷には、誰もいません。

暗闇の中、鳥居を潜って階段を上がっていきます。

40分ほど上がると、茶店の有る中腹に着きました。

私はそこで寝転がりました。

綺麗な星を眺めながら、自分と金と後輩の事を考え、反省し、後輩には正直に謝る事に決めました。

その時、森の奥から『パーティ音』が聞こえました。

深夜2時。京都市内の夜景が綺麗に見える伏見稲荷の中腹で、人々が宴会をしているような声が聞こえて来たのです。

私は立ち上がってワンカップを飲み干し『パーティ音』の聞こえる方へ歩いて行きました。

すると『パーティ音』は段々と遠ざかります。

私は違和感を覚え、元の場所に戻りました。

『パーティ音』は、また大きく聞こえ始めました。

音の聞こえる方にもう一度近づくと、また音は遠ざかります。

私は怖くなって、坂を駆け下り、家に帰りました。

          ※

その後私は、2度同じような理由で(惨めな自分を忘れない為)深夜の伏見稲荷を訪れましたが、そのような事は起こりませんでした。

もし同じような経験をされた方がいらっしゃっいましたら、ご一報くださいませ。

情報が集まれば、深夜の伏見稲荷で怪奇現象に出会う為のテンプレートを発表させていただきます。

ご静聴ありがとうございます。

今アナタは大変なモノを盗もうとしています。私の、心です。