University of the People - コースの進め方

はっきり言っておく。このnote、始めたばかりとはいえ、各記事の読者は10人に満たない。今この記事を読んでくれているあなたは、このオンラインでつながる世界中の中であってもものすごく少数派の、普通ではない人だ。人と少なからず違う感性や目標をお持ちか、自らの目的に向かっていくつもの情報源を精査するタイプか、好奇心旺盛で何か新しいこと探しているか、もしくはなんらかの理由でおびただしい数のnoteに目を通しているか…のどれかであろう。いずれであっても、強力な武器をお持ちということだ。

さて、無事入学手続きが済み、オリエンテーションに目を通している頃、いよいよ最初の講義の前に2つの連絡が来る。ひとつは入学手続き完了の旨、もうひとつは自動的に登録された最初のコースである。今回は1ターム取り組み、おそらく単位が取得できたであろう組織行動論について、具体的な進め方を紹介する。

①コース受講に使用するポータルサイト

入学手続きからずっと使ってきた学生メニューの中に「MOODLE」というものがある。この中でコースを受講していくことになり、MOODLEのログインIDは通常の学生メニューのものとは異なる。大学側から割り振られたIDがメールで来るはずなので、それを使ってログインする。

②基本的な1週間の課題

週により多少のばらつきはあるが、以下を1週間でこなすことが求められる。すべてに点数がつき、加算されていく。

・クラスメイトが書いた前ユニットのWritten Assignment(A4で2-3枚のエッセイ)の評価×3人分。

・今回のユニットのReading Assignment(読み物課題)。PDF形式の論文から、ネットニュース記事のようなものまで、難易度も分量も様々。平均して1ユニットで4-8文献くらい。最初の頃は、Google翻訳を使っても、読むだけで5-6時間以上かかった記憶がある。

・Discussion Assignment(出題テーマに対するエッセイ)。クラスメイトとオンライン上で意見交換するためのもので、上記の読み物で得た知識に加えて自分でも文献を探して読み、洞察を加えた内容が求められる。匿名ではなく名前が公開されるので、毎週提出が早い人、思考の深い人、等だんだんクラスメイトの特徴が見えてくる。

・クラスメイトのDiscussion Assignmentへのコメント。自分のものを投稿した後、クラスメイトの投稿も見ることができるようになる。そこで3人以上のクラスメイトの投稿にコメントをつける。自分のものに来たコメントに対しても、返信をする必要がある。意外と、同じテーマでも深堀り方に個性が出て面白い。

・Written Assignment(A4で2-3枚のエッセイ)。先述のように、これが翌週クラスメイトに匿名公開され、内容の質、十分な文献を参考にしているか、エッセイ自体がきちんと整理されているか、結論は明確かといった複数の視点でそれぞれ点数がつけられる。インストラクターではなく学生同士の採点という仕組みにより、大学側のコストを削減しているらしいが、実際は他人のエッセイを読むことで新たな見解も得られ、学生側にもメリットとなっている。3人以上に評価されるので、誰か1人だけ変な評価をつけてきても、そのまま反映されることはない。どうしてもクラスメイトからの評価に納得できない場合は、大学側に再考の申請も出せるらしい。

・Group Activity。クラスメイトの中からランダムにグルーピングされる。私の時は4人で1グループで、2週間で1つの論文を完成させるというものだった。大学側が用意したSNSでやり取りしてもよいが、私たちはWhatsApp(という、日本でいうLINEのようなもの)でやりとりして完成させた。新たな文献を10つ以上参考にし、A4で5枚以上を使って、与えられたテーマに皆で取り組む。

以上すべてに対して、点数がつけられる。自分が行ったクラスメイトのエッセイ評価自体にも、点数がつけられる。(おそらくこれはインストラクターがつけているのだろう)私の場合、初期は1週間で14-15時間ほど、こなれてきてからも平均7時間かかった。時間としては、読み物に半分、残りのアウトプット系に半分という配分だったように思う。自分でいうのもなんだが、私は、(質はさておき)仕事の速さに関しては、これまでほとんど負けたことがない。また、海外赴任も2年目になり、英語もめっちゃ得意ではないが一応ビジネスレベルではある。日本の大学に通っていた時から、ゼミで毎週大量の英語文献を読みこなしていた経験もある。それでも、2コース同時にとるのは断念した。すべてを勉強に捧げるなら、おそらく2コースまでなら仕事と両立できると思うが、その人生の組み立てでよいのかは、個人で考えて選ぶ必要がある。3コース以上は、仕事と両立はほぼ無理だと思う。

③文献の探し方

前回の記事で、コースが始まる前にオリエンテーションがあると紹介した。その中に紹介されている文献ポータルサイトを活用して、追加の資料を手に入れる。私の場合は、あえて使い慣れないサイトを使わなくてもいいと思ったので、Google Scholarを使って学術記事を探したり、もともとリーディングの課題で出ていた文献の参考文献をたどって調べたり、関係のありそうなウェブ記事をググったり…と、広く探すようにした。また、PDFファイルだとコピーして翻訳するときに変な改行がされてしまう不便なものが多いので、なるべくそのような心配がない記事にした。

④Written Assignment(エッセイ)の作り方

APAという論文形式で書くことが求められる。それに則っていないと点数がしっかりもらえない。APA形式については、具体的にはググって探していただきたいが、ざっくりいうと、1ページ目は表紙。2ページ目で概要を1枚で説明する。3-5ページ目でやっと本文を書く。最後のページで参考文献。すべてのページのヘッダーには、タイトルとページ数をいれる。決められたフォント(Times New Roman)を使い、フォントの大きさ(12ポイント)や行間サイズ(1.5)も指定がある。どの文献から引用した知見かわかるよう、本文で著者名と発行年も記載する…といったようなものだ。かなり細かく指定があるので、最初は私も含めほとんどのクラスメイトがすべてを網羅できていない。Discussion AssignmentやWritten Assignmentで他のクラスメイトから指摘を受けて、再度APA形式を見直す…ということを、数週間にわたってやっていたように思う。

ここまでの3記事で書いてきたことが基本情報で、もうあとは個人で進められると思う。ちなみに私は、組織行動論と管理会計の2コースが自動登録されていたが、前回の記事でお伝えの通り、1コースに絞りたかったため、コースが始まった瞬間に管理会計をWithdrawalした。このコースは追って別タームで履修しなくてはならない。また、Optional Resourceとして「書き方」「ペア評価の仕方」というコースもあるが、私は知識と思考に集中するため、仕組みは習うより慣れろでいいかな…と思い、着手しなかった。

次回の記事では、最初のコース「組織行動論」で私が実感した、University of the Peopleならではの学びと発見、そして実際の成績をお伝えしようと思う。それでは、素敵な日曜日を!

DJエンジェルより

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