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IT人材不足は“顕在化”と育成を“内製”によって解決できるという仮説

DXという言葉がビジネスにおいて毎日使われるようになり数年。

DXとは、

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用
て、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

出典:経済産業省 「DX推進指標とそのガイダンス」

という変革自体を指す言葉です。

また、2018年に経済産業省より発表されたDXレポートによると、

日本国内の特異なITの活用状況により、DXが困難な状態にある。このまま放置すると2025年には年間で12兆円の経済損失が発生する可能性がある。→通称 2025年の崖

との指摘がありました。

それから2年半の間で、今世紀最大ともいえる“コロナ禍”に見舞われ、全ての人や企業は新たな生活様式への変革が大至急迫られています。

そんな中、2020年末に経済産業省が発表したDXレポート2.0という中間報告結果を見ると、多くの企業がDXに対してほぼ未着手。

経産省さんの
「結局他人事でやってねーじゃねーか!」
という怒りと読み取れるような考察が記載されております。


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出典:(経済産業省 DXレポート2.0)

95%の会社が本気で取り組んでいない・・・

人材が不足しているので、当然の結果だと思う

また、2025年までに約45万人のIT人材が不足するとの指摘がされています。

トヨタの全世界の従業員が37万人、
2021年3月に大学を卒業方の民間企業就職希望者数が44.7万人と考えるとすごい数・・・

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出典:経済産業省 IT人材需給に関する調査

さらに日本は特殊な事情が絡んできます。
日本のIT人材はベンダー側(提供者側)に偏りまくっているのです。

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出典:IT人材白書 2017

ただでさえ人手不足で、みんな売り手側にいるので、社内にリードできる人がおらず、やりたくても手がつけられない状況だと考えたほうが良いのではないでしょうか。

そんな中で、

シニアマネジメントがフォーカスしないから進まないんだ!
デジタルのことわかってい無いだろ!
人が足りてないだろ!

と指摘されても、「ごもっともです・・・分かってはいるのですが・・・」としか言えない状況だと思います。

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出典:マッキンゼー デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ

そんな中で、僕がある仮説を考えてみたのでお伝えしたいと思います。

IT人材は不足していない。顕在化していないだけ

以下、IT人材白書2020(2021年3月9日時点で最新)からの出典です。

①相変わらず、IT提供側に人材が偏っている

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②ユーザー企業のIT人員の職種とレベル

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ここでいうIT人材とは、CCSFという情報推進機構が定義したレベルを活用しているのですが・・・

多くの企業は、社内や業界をリードするレベルの人材(=高度IT人材人材)に限って不足していると嘆いており、
その他の一般的なIT人材が既に社内にいることに気付いていないと考えています。
(以下、潜在的IT人材と呼びます。)

当然のように、潜在的IT人材を育成する環境も整っていないと思われます。

物凄い暴論のように聞こえてしまいますが、CCSFの定義に則ると、
毎年5万人も合格をし、その半数以上が非IT企業所属という、
ITパスポートの合格者もIT人材になるのです。

他にも、IT部門以外に所属しながら、
・業務プロセスやシステムの運用を考える人
・システム導入のメンバー
・様々な企画部門
であったり、近年導入が進むSaaSにおいて、アプリごとの運用リーダーやAdminと言われる方たちも同様に潜在的IT人材といえます。

“IT”という業界は近い将来に無くなる

ビジネスパーソンの大多数が、プライベートではスマホを持ち、音楽や映画、SNSなどを楽しんでいます。
そして、仕事では必ずパソコンを使っていると思います。

ITは特別なことと考えるのではなく、もはや日常であり、全ての業種業界がIT(デジタル)に関わるビジネスにシフトしていくと考えています。

僕の身の回りで起きている具体例として、DJがまさしくそれです。
僕はプライベートで14年ほどクラブDJをしています。(コロナ以降は休業中ですが・・・)
HIPHOPに興味をもって20年くらいが経ちました。

僕が中学生や高校生のときに憧れていたDJは100%アナログのレコードを使ってプレイをしていました。

しかし、今の現役バリバリのクラブDJは、ほぼ100%、PCを使ってDJをします。

旧来のDJは、
レコード屋で新譜をチェックして、大量の重いレコードをクラブに持ち運び、イベントの告知は繁華街にフライヤー(ビラ)をとにかく配る。
自分のプロモーションをするときはCDにMIXを焼いてクラブで手渡し。

2021年のDJは、
DJ用の配信サイトで新譜をチェックして、PC1台に何万曲もの音楽を入れて運び、PC内の音楽データベースを整理し、イベントの告知はSNSが中心。
自分のプロモーションはクラウドサービス(Sound CloudやMix Cloud)のURLを共有。

いまや、DJをしていてPCを触れない人は全くいません。
多くのDJは自覚をしてはいませんが、ほぼ全員IT人材だと思っています。

(これはあくまで極端な例ではありますが・・・)

これと同様に、全ビジネスパーソンのIT人材化が必要だと思っています。

AIやデータ分析をする人だけが、
プログラミングによってアプリを作る人だけがIT人材ではないのです。

全ビジネスパーソンIT人材化の必要性(一例)

先日のGartner社のホワイトペーパーにおいて、非常に興味深い提言がされておりました。

2025年のBtoB営業はデジタルコマースに変わる!というものです。
ご興味のある方は↑
お急ぎの方は要約を↓

このホワイトペーパーは、
旧来型の人力営業はお客様が求めていないので淘汰される。
デジタルへ変革し、業務を変え、競争優位性を作らないと死ぬぞ!

と言っています。
つまり、BtoB営業もDXが必要で、それを担う営業も、IT人材であると僕は読み取りました。

再掲:DXの言葉の定義
ビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用
て、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

ベンダーは頼りにならない→内製化

経産省のDXレポート2.0に話を戻しますが、この中において、ITベンダー自体の変革の重要性が記載されております。

超訳すると、

システムの個別開発でユーザーの競争優位性を作る時代ではない。
大規模システム開発は減っていく。
ベンダーのエンジニアによる開発は減っていく。
共通化できるものは使っていこう。
ベンダーはユーザーに売るのではなく、共創する形にシフトチェンジするべきだ。

となっております。

つまりは、ベンダー側への変革を求めているのですが・・・
僕は、先に変化するのはユーザーなので、変革できていないベンダーに頼るのではなく、
IT人材の“顕在化”と育成を継続的な“内製化”をしてくべきだと考えています。

これを実現するためのPlatformを作りました

ここまで長々と書いてきましたが、
全ビジネスパーソンのIT人材化に必要な思考をSaaSとして提供致します。

・会社全体のVisionや経営の目標
・具体的な戦略の策定
・カスタマージャーニーを中心としたビジネスプロセス
・活用するITとデータ構造
・それらを推進する体制

を支援するSaaSとなっております。

中長期的には、
様々な企業が共通的に活用できるデジタルプラットフォームによって、
世の中のベストプラクティスを蓄積、可視化をし誰もが活用できる形にし、
IT人材の見える化やマッチングまで可能なエコシステムの形成を目指しています。

以前、社数限定でご提供を開始したクローズドのα版についても、
多くのご要望を頂きましたため、若干数の増枠の予定です・・・
(近日中にご案内します。)

お問い合わせ等は弊社Webサイトまでお願いいたします。

Twitterでもお気軽にご連絡ください。


SaaSの営業×サブスクリプションの本質の正しい情報を書いていこうと思います! サポートいただけたら、リサーチ費用に充てたいと思います。 他にもHIPHOP好きな人と仲良くできると嬉しいです。