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失敗しないSFAの導入と定着のキホン

今日はSFAの導入と定着についてご紹介します。

みなさん、SFA使えてますか?
「使えてるぜ!」と胸を張って言える方はそのままブラウザを閉じてください。

「なんかイマイチだなぁ〜」とか、
「もっと色々やりたいんだけどなぁ」とか、
「みんな入力しないんだよ〜」とか、
そう思っている方はぜひ最後まで読んでください!

SFAは失敗しやすい

SFAの導入や定着は非常に失敗しやすいです。
これは日経BPが出しているDXへの技術で言及があるシステム導入の失敗率のデータです。

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ここでは、AIやIoT関連は失敗しやすい。
SFAやCSMは鬼門
と表現されております。

成功率43.7%って恐怖ですよね。半数以上失敗ですからね。

では、なぜこのような失敗をしてしまうのか、多くの方が勘違いするあるあるネタを通じて紐解いていきましょう。

勘違い①SFAは売上を上げるツールである

まず明確に否定しておきます。SFAは直接的に売上を上げるツールではありません。

売上=商談件数×成約率×単価

と表現されることが多いかと思います。
SFAを導入することによって、この件数、成約率、単価のどこに影響があるのでしょうか。

どこにも直接的な影響はありません。
SFAを活用したマネジメントによって、間接的に、単価や成約率が上がることはありますが、直接的ではありません。

タクシー広告を打てば問い合わせ件数が増える
というような直接的な効果ではないのです。

僕が考えるSFAで得られる効果とは、
情報の集約と可視化によって、適切で定量的なマネジメントの材料を揃える
です。

また、副次的に、二重入力や転記作業を最適化することもできると考えています。

勘違い②SFAは入力工数を減らすツールだ

これも誤りです。
正確には、極稀に入力工数は下がるが、
多くの場合、入力工数は削減されない。と表現したほうが良いかもしれません。

まず、SFAが何もない状態の企業の場合、商談管理をエクセルやスプレッドシートで実施していたり、場合によっては営業の脳内で実行している場合もあります。
日報を書いている企業もあるかもしれませんね。

でも・・・
そんな状況の企業が真面目に商談管理や日報を入力しているでしょうか?

僕の経験上、していないのです。

なので、SFAを導入すると、
正確な入力やデータの質の担保をする結果、
今まで以上に入力に費やす時間は増えます。

まず、ここを声を大にして言いたい。

多くの企業はSFAを導入することで入力工数が増えます。

世間のイメージではSFAは魔法のツールのように感じるかもしれませんが、そんなことありません。

導入の成功率が50%を下回る、鬼門となるITツールなのです。

SFAの強みはアウトプットにある

じゃあ、そんなSFAは企業にとって本当に必要なの?
と問われたら、僕は自信を持って、「絶対必要だ」と答えます。

SFAの真価はアウトプットにあります。

例えば、
「昨年の5月の受注商談と失注商談の一覧を出して!」
「今月の商談一覧と、来月の見込み案件を一覧で出して!」
「Aランクで30日以上訪問できていないお客様一覧出して!」

こんなこと言われたことありませんか?

SFAを正しく使えている企業であれば、2分以内に出せると思いますが、
そうでない企業の場合は半日作業になると思います。

僕もSFAが全く機能していない企業で働いていたとき、これらは半日作業でしたが、SFAがしっかり機能している会社の場合、一瞬で一覧を出すことができました。

ここです。ここがSFAの強みです。

アウトプットをすると、SFAが活きてくるのです。

しかし、その前提となる条件は、しっかりとデータが入力されていることにあります。

SFAがうまく活用できていない企業は、
名刺入力をするだけ、日報を入力するだけ、案件入力をするだけのツールにSFAが成り下がっています。

しっかりアウトプットすることでSFAの真価を発揮させましょう。

勘違い③あれこれ管理したがる経営層、マネージャ

これもSFA失敗の定番です。

SFAはアウトプットが重要であるとお伝えすると、
「アウトプットが重要なのか。じゃあアレもみたい。コレも見たい。」

と、多くの経営層の方や営業マネージャが言い始めます。

気持ちはすっごくわかります。

でも、アレもコレも見るためには、もととなるデータが必要なのです。
その元となるデータは営業が全部入力をしているのです。

SFAを導入することで入力工数が増える

と先ほどお伝えしたとおりで、その思っているアウトプットを全部作ろうと思うと、膨大な入力が必要となります。

・管理したい→入力させよう→入力大変→顧客との接点の時間が減る
・管理したい→入力させよう→適当に入力→結局、アウトプットできない

こんな感じで失敗するんです。

例えば、Salesforceが利用しているSSMという管理項目であったり、

MEDDIC やBANT、その他の様々な管理項目を作り運用できるレベルは、もうプロレベル。

跳び箱で20段を飛ぶようなものなんです。

そもそも、SFAがない企業がいきなり20段飛ぶなんて無理。
ケイン・コスギか池谷直樹しかできない神の領域です。

まずは地道に2段など、低いレベルから設定すればいいのです。

跳び箱の2段とはなにか?

僕が思う跳び箱の2段レベルはコレです。

・活動履歴
-メールor電話or訪問(Web会議)
・商談入力
-受注予定時期&金額&フェーズ(案件の進み具合)

たったこれだけ。
でも、これの入力を徹底するだけで、かなりのレベルのアウトプットをすることが可能です。

まずはここから。
とにかく、管理する項目を減らす。

これが大鉄則です。

そして、データが無いことにはアウトプットができません。

とにかく、1ヶ月、我慢して入力をして貰う必要があります。
ここ、めちゃめちゃ大変です。

入力の徹底させればいい。業務命令はNG

活動履歴を残し、商談情報を入力するだけでもハードルが高いです。
ただ、多くのマネージャや経営層の方は、
「徹底して入力をさせればいい」と考えます。

これが危険。

入力は面倒くさいです。やりたくないです。
自分も全部入力しろって言われたら、めんどくせーなって思いますよね?

ここで重要となるのが、やる目的の明確化です。

多くの場合、こんなことが起きています。

経営層:売上10億円のために、営業リソースの最適化をしたい。まずは可視化して現状を把握しよう。
マネージャ:とにかく、営業の現状を把握だ。入力を徹底。
営業:入力でしょ、分かってるよ、でも訪問しなきゃ・・・

多くの場合、経営層が考える売上10億という目的が、現場に近づくにつれ、どっかに行ってしまいます。
入力が目的となってしまうのです。

入力が目的だとやる気でないですよね。

なので、経営層から、
なぜやるのか。目的はどうなるのか。
1ヶ月後、どのようなアウトプットがされるのか。
これをどうやって使っていくのか。
これらをすべて明示する必要があります。

ここまで考えられていない?
それは、まだSFAを導入してはダメなサインです。
しっかり考えましょう。

アウトプットを正にし、会議をする

まず、1ヶ月入力をしたとしましょう。
おそらく、かなり質の高いアウトプットができているはずです。

こうなったら、そのSFAのアウトプットを正に会議をしましょう。

個別に会議のための資料を作っていてはダメ。
ここに出てくるデータを正として会話をする。

すると、今まで入力でメンドくさかったことが、アウトプットによって、
「めっちゃ便利やん」に切り替わるタイミングとなるのです。

ここでアウトプットをリードするのは経営層やマネージャです。

自分がどのような指標を確認し、考えているのか。
アウトプットによってリーダーシップを示しましょう。

そして、そのリーダーシップを見たメンバーが、自発的に動くようになる。
これがSFAの真髄です。

言うは易く行うは難しですが、この状態まで引き上げられたらSFAは勝手に定着していくでしょう。

その状態になったらようやく、跳び箱を5段にして、MEDDICの管理をするなど、次のレベルに行けばいいのです。

おまけ①細かいけどめっちゃ重要なテクニック

諸々の項目を作成する際に徹底してほしいのが、
タイピングをしない
です。

活動の種目で、
メール、電話、訪問
って入力をしてほしいのに、
Mailって書く人もいれば、MAILって全角で書く人も出てきます。

とにかく、タイピングをせず、
プルダウン型の選択リストや、
チェックボックスなど、入力をしない構築をしましょう。

おまけ②だれが管理するか

何度も言いますが、SFAの真価はアウトプットです。
僕がオススメする初期の管理者は営業マネージャが自分でやることです。

都度、アウトプットを作成するたびに人にお願いしていたら元も子もないので、とにかく営業マネージャが自分で活用し、
自分でアウトプットを作り、
それを責任を持って会議の材料として活用しましょう。

全ては営業マネージャにかかってます。
自信が無いのであれば導入しないことも選択肢です。
ツールに振り回されては意味がありませんよ!

まとめ

今回お伝えした内容は、定着よりも導入に主眼を置いておりますが、
徹底的に定着させるに当たっては、下記5点を明確化させておくと良いです。

①ゴール
→SFAで何を実現したいのか
②責任と役割
→だれが、何を、どう管理するのか、明確化させること
③アクションプラン
→いつまでに、何をどうしておきたいのか
④ベストプラクティスにならえ
→とにかく最小限に、入力をしない。無駄なことはしない
⑤成功の基準
→どうなっていたら成功なのか、自分たちで設定をすること

この5点については、株式会社digsasとしてプロダクトを準備しているので、
ご案内できるタイミングになったらご紹介します。

最後に

今日お伝えした私のノウハウをつぎ込んだ珠玉のSFA設定リストをどこかで公開したいなと思っています。
公開の可否は別途確認しております・・・
希望者の方はご連絡ください。

特段、この設定リスト等で費用をいただこうとは思っておりませんが、
これはあくまで設定だけ。
(ここは一旦、Salesforceを前提で設定しています。)


そこからどうやって活用していくのか、前章の5項目を含めてフルコミットしてやってみたい方は全力フルサポートするのでご連絡ください!

もちろん、Salesforce,Hubspot,ZOHO,DynamicsCRM,eセールスマネージャ,Sensesなど、ツールは問わずご相談に乗っております!


SaaSの営業×サブスクリプションの本質の正しい情報を書いていこうと思います! サポートいただけたら、リサーチ費用に充てたいと思います。 他にもHIPHOP好きな人と仲良くできると嬉しいです。