見出し画像

心のろうそくに愛の火を

ついに行く
道とはかねて
聞きしかど
昨日今日とは
思はざりしを

人生もいつか
終わりが来るとわかっていたが
こんなに間近にあるとは。

そう在原業平は
辞世の句を詠んだ。



私が幼いとき
大好きな祖父も
こう言った。



ものはいつか壊れる。
と。



そして
祖父自身も
私が幼いときに亡くなった。



みんないつか
終わりが来るのだ。



でも祖父は
無くなってしまった
わけではない。

祖父の愛は
私の心に深く深く
今でもあり続けているし
祖父の生きざまは
私の指針だ。



いつか私の命の灯が
ふっと消えるその時まで。

誰かの心のろうそくに
私の心の愛の火を
おすそわけしながら
生きていきたい。



祖父が私の心のろうそくに
愛の火を分けてくれたように。