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持ち歩くのは 小さな鞄一つでいい。『ぜんぶ、すてれば』【無料公開#10】

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持ち歩くのは 小さな鞄一つでいい。


身軽な生活を始めるに、一番手っ取り早いのは、鞄を小さくすることだ。 

僕は飛行機に乗る時も、大きなトランクは持ち歩かない。 

ハンドキャリーが可能な極小さな鞄を一つだけ。

どこに行くにもこれで出かける。

鞄の中に入れるのは、下着と靴下、 i P a d 、家の鍵、眼鏡くらい。 

出張先での服は現地で調達する。

どうせ一カ所の滞在は長くても三泊四日だから。

あとは携帯電話、小さな財布、薄い手帳、 

渡航に必要な貴重品を忘れないようにするだけ。 

鞄を一つだけと決めて、サイズをコンパクトにするだけで、 

自然と持ち物は減ります。 

たくさん入らないから、数を絞らざるを得ない。 

もしも鞄を二個も三個も持って、大きなトランクまで引っ張るとなれば、 

入る分だけモノを詰め込もうとしてしまう。

最初から「これしか持っていけない」と枠を決めてしまえば、

諦めざるを得ない。 

新しいモノを買えば、古いモノを捨てるしかない。 

常に持ち物が入れ替わる感じが、フレッシュで気持ちいい。 

なんといっても預けた荷物の心配はいらないし、 

荷物がターンテーブルから出て来るまでの時間が節約できる。 

小さな鞄一つだけの生活、どうですか?

<著者プロフィール>

中野 善壽(なかの・よしひさ)
東方文化支援財団代表理事 元寺田倉庫代表取締役社長兼CEO 1944年生まれ。 幼少期、祖父母の元で「全ては自己責任」という考え方を厳しく叩き込まれ、 その意識は人一倍強く持っていると自負する。好きな言葉は「因果応報」。 その後、弘前高校、千葉商科大学卒業後、伊勢丹に入社。子会社のマミーナにて 社会人としてのスタートを切る。 1973年、鈴屋に転職、海外事業にも深く携わる。 1991年、退社後すぐに台湾に渡る。 台湾では、力覇集団百貨店部門代表、遠東集団董事長特別顧問及び 亜東百貨COOを歴任。 2010年、寺田倉庫に入社、2011年、代表取締役社長兼CEOとなり、 2013年から寺田倉庫が拠点とする天王洲アイルエリアを アートの力で独特の雰囲気、文化を感じる街に変身させた。 2018年、日本の法人格としては初となるモンブラン国際文化賞の受賞を果たす。 2015年12月台湾の文化部国際政策諮問委員となる。 2019年6月寺田倉庫退社、2019年8月、地域や国境を越えた 信頼感の醸成をはかり、東方文化を極めたいという飛躍したビジョンを持つ 東方文化支援財団を設立し、代表理事に。現在に至る。


『ぜんぶ、すてれば』の著者印税は東方地域で支援を必要とする子どもたちへ全額寄付されます。

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