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働きがいとは何か?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#14】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:働きがいとは何か?

A:働きがいとは、仕事のやりがいと働きやすさが揃っていること


働きがいとは、仕事のやりがいと働きやすさが揃っていること

「働きがい」「仕事のやりがい」「働きやすさ」
似たような言葉ですが、それぞれ意味が違います。
世界中の企業の働きがいを調査しているGPTW社の定義によれば「働きがい」とは「仕事のやりがい」と「働きやすさ」が揃っている状態です(図表033)。

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仕事のやりがいとは、手応えを感じながら前に進むこと

仕事のやりがいの「甲斐(がい・かい)」とは、ボートを漕ぐときに手に持つオールのことです。
前に進むときに抵抗を感じてこそ、やりがいなのです。前に進まなくては、やりがいは感じられません。
しかし楽々と進んでしまっても、やりがいにはなりません。困難に手応えを感じながら前に進むことが「やりがい」なのです。
仕事自体から生まれる報酬「内的報酬」、研究者ハーズバーグの言う「動機づけ(モチベーション)要因」とも関係が深い言葉です。

働きやすさとは、快適に働き続けられる環境があること

働きやすさとは、快適に働き続けるための、就労環境や労働条件があることです。
働きやすさを向上させるために、労働時間を短くする、有休消化率をあげる、賃金水準を上げる、といった施策が取られます。
外部から与えられる報酬「外部報酬」、ハーズバーグの「衛生(予防)」とも関係が深い言葉です。

「働き方改革」は主に「働きやすさ」を推進している

現代の企業が「働き方改革」として取り組んでいるのは、主に「働きやすさ」に関する施策です。施策の成果が目に見えやすく、着手しやすいためです。
そして「仕事のやりがい」は目に見えにくく、すぐには成果が見えないため、本質的な取り組みは難しいようです。

次回は働きがいと業績の関係について確認します。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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