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SEOが嫌いでした。そんな私が心を改めた日。「トゥレット症」を検索する親の気持ち #ずるい文章術 vol.3

こんにちは、奥山です。

SEOについて言わせてください。
ずっとSEOが嫌いでした。

ウェブメディアwithnewsの編集長を8年やっていたんですが、時々、業者の方から「SEO強化しませんか?」なんていう連絡をいただくことがありました。

正直、「なんかうさんくさいな」って思ってました。すみません。

今は、そんなこと思っていません。SEO大事です。

でも、条件つきです。
ちゃんとしたSEOなら、です。

ちゃんとしたって何?

困っている人に寄り添っているか?

検索って、人々の「何か知りたい」という気持ちの表れだと思うんです。

「何か知りたい」の背景には、「(何かの情報がないから)困っている」があるはずです。

つまり、困っていることに向き合うかどうかが、ちゃんとしているかと、ちゃんとしていないかを分ける気がしています。

ちゃんとしていないSEOは、困っていることなんかお構いなしに、ひたすら上位に食い込むことだけを考えます
一定の効果はあるかもしれませんが、困っている人の役に立っているかどうかは微妙です。

数年前、医療情報という最も困っている人がいる領域で、残念なことが起きました。
上位に食い込むことだけを考えたSEOのために、不確かな情報を大量にばらまいたのです。

結局、サイトは閉鎖されました。そんなのは長続きしないのです。

だから、できれば、困っている人に寄りそうSEOがしたいし、たぶんできるはず。

そのことに気づかせてくれた記事があります。

筆者は元新聞記者なんですが、タイトルにあるように「白目をむく」といった息子さんの症状に動揺し、ネットで情報をかき集めます。そしてさらに不安になるという繰り返しに陥ります。

そこから、専門家、支援団体に巡り合うまでの日々を記事にまとめています。

この記事、実は、検索流入がものすごく多いんです。

理由はタイトルです。
タイトルに見慣れない言葉「トゥレット症」があります。

これ重要です

「トゥレット症」で検索した人がこの記事に行き着いているのです。
一見、普通のSEOの成功事例です。
でも、これはちゃんとしたSEOです

どういうことか。

それは、タイトルをつける人間が「トゥレット症」で検索するユーザーの姿をイメージできていたからです。

なぜか。

それは、筆者がそうしていたからです。

子どもに心配な症状が現れた。
色んな情報を調べて、どうやら「トゥレット症」のようだとわかる。
そうしたら、普通、「トゥレット症」で検索しまくります。

筆者がまさにそれでした。

不安に駆られて検索する親の姿を思い描きながら、記事のタイトルには「トゥレット症」を入れました。

筆者のように、なんとか手がかりを得たい(その多くは安心したい)。
その切実な思いをわかった上で、やっぱり専門家に相談しましょう、そういうことを伝える記事になっています。

技術も使い方次第

SEO施策において、タイトルは重要です。

記事の中身をコンパクトに伝える情報であり、それは検索エンジンのアルゴリズムでも重視されていると言われています。

だから、目を引くタイトルを考える。それはそれで大事なことですが、
しかし、もっと先を考えないといけません。

検索をしているのは、筆者と同じように少ない情報の中で右往左往し、ようやくたどり着いた「トゥレット症」という言葉で調べている人。

そこまで考えることができて、ようやくちゃんとしたSEOの風格が出てきます。

一般的にSEOは無味乾燥で技術的な要素が強いと思われがちです。
しかし、技術も使い方次第です。

本当に大事なのは、ユーザーの立場を想像すること

子どもを心配して「トゥレット症」と入力して検索している人が今もいる。その姿を想像してタイトルを考えたことで、ユーザーが自分で探して記事を読みにきてくれる。

そうした心境まで考えることによって、
ユーザーはわざわざ探してやってきてくれる。
膨大なコンテンツをかき分け、たどり着いてくれる。

そういうSEOは本当に大事。

そして、この記事は今も、流入が続いているのです。

といったことを『スマホで「読まれる」「つながる」文章術』という一冊の本にまとめました。SEOにおいて最も大事なタイトルの付け方、ユーザーが思わず話題にする、つぶやきたくなるきっかけづくりの手法について、実際の記事の事例を踏まえて解説しています。よろしかったらぜひ。

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