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コロナ禍において人材マネジメントの原理原則に立ち戻る『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#1】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。今回この連載を始めるにあたり、著者の坪谷さんからメッセージをいただきました。人材マネジメントの「実践者」である坪谷さんの想い、必見です!

■コロナ禍に見る「人事の本質」

2020年4月、新型コロナウィルスの影響で緊急避難宣言が出されました。企業における働き方は大きく変わり、リモートワークが前提となりつつあります。

私のクライアントや人事領域の仲間たちと話していると、人材マネジメントにおける「ごまかしが効かなくなっている」という声を多く聞きます。

これまで表面上のケアやフォローで取り繕えたことが、問題化してしまうというのです。
突然の退職、会議の無断欠席、連絡が取れない、コンプラ違反…。

メンバーの様子が見えない中で突発的に起きるこれらの問題に人事もマネジメントも苦しんでいます。

一方で、この状況でも着々と前進し続けている方もいます。
私の見立てでは、それは「本質」的な人材マネジメントに取り組んできた結果です。
企業のミッションに共感し、自分のキャリアと向き合い、意義ある仕事に取り組んできたメンバーは、今も揺らがないのです。

より本質へ。 

いまこそ、人材マネジメントの原理原則に立ち戻るべきだと私は感じています。


■筆者自己紹介

はじめまして。坪谷(つぼたに)です。

私はかつて、意気込みだけを持った人事担当者でした。

「疲弊した現場をどうにかしたい」
「一人ひとりが活躍できる会社にしたい」

そんな想いで頑張っていたものの、現実としては採用、労務、給与計算など日々のルーチン業務をこなすだけで精一杯でした。さらに経営層からはあらゆる要望が降ってきます。うちのビジョンを作り直したい、評価の仕組みを改善したい、次の採用は他社と全然違うことをやってみたい…。そして現場に目を移すと、無理のあるプロジェクト、厳しい納期、疲れきったマネジャー、倒れていく優秀なリーダー、現場に馴染めない若手社員…。

いったい何をどうすれば良いのかわからず、途方に暮れる日々でした。

なにかを改善しようとすると、これまでのやり方の批判となってしまう。
流行している施策、他社の事例を真似してみても自社にはなじまない。
先人や書物から学ぼうとしても、人によって言っていることが違い、どこにも「正解」が見当たらない。

どうすれば、個と組織が生きるのか
人事には、いったい何ができるのか
ないかもしれない、答えを知りたい

それから20年間、人事担当者として、人事マネジャーとして、リクルート社の人事コンサルとして、アカツキ社の人事企画として、数社の人事顧問として、人事領域で戦ってきました。

私は人材マネジメントの研究者ではなく「実践者」です。
そのため企業の人事で、実際に使える知識を大切にしています。

現在は「人事の意志を形にする」ため株式会社 壺中天を設立して、各社の人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などを行っています。

そしてこのたび、その実践の中で見えてきたことをまとめて書籍として出版することになりました。それが『図解・人材マネジメント入門 ー人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボー』です。


■当書のねらい

当書はその名のとおり、人材マネジメントの入門書です。はじめてこの領域を学ぶ方、あらためて基礎から学びたい方に向けて、執筆しています。

人事担当者になったばかりのとき、私は人材マネジメントの領域の広さに驚き、捉えようのなさに混乱し、 理解に苦しみました。その体験から、初学者だった頃の自分が助かるような、人材マネジメントの原理原則を体系的にわかりやすく理解できる本を書きたいと考えました。

そして、知識を身につけるだけではなく、初学者の方が「人事」として持論を持つための、きっかけとなることを目指しました。

人事とは「人を生かして、事をなす」ことだと私は考えます。
「人を犠牲にしてでも、事をなす」は違います。
「人は元気に生きているが、事がなされない」も違います。

「一人ひとりの力が十全に発揮されて、それによって組織の目的とする事が成し遂げられる」その状態を実現することが、人事の本分だと考えています。

企業の人事担当者、経営者、管理職(現場マネジャー)、そして人材業界の方など、人を生かして成果を上げる立場にいる方はすべて「人事」です。

答えがなく、複雑でつかみどころのない人材マネジメントに悩み、学びたいと思っている「人事」の方が当書を読んで「そう考えたらいいのか!」と感じてくれたら、つまり持論形成のきっかけとなったら、こんなに嬉しいことはありません。

5月28日に電子書籍版が、6月26日に紙の書籍が発売となります。
それに先立ち、noteで本文の内容の一部を毎日公開していきます。


人と組織の関係が問い直されているいまこそ、人材マネジメントの原理原則に立ち戻るべきだと私は感じています。

この環境下で、原理原則を体系的にまとめた当書を出版できたことを感謝するとともに、皆さんが「本質」的に人材マネジメントを実践していく一助になることを願っております。

私のお伝えしたいことは以上です。

2020年5月
坪谷邦生

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。


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