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2022年9月23~24日の静岡県内での豪雨災害(第5報) 磐田市神増の土砂災害現場の現地踏査から

 10月1日、磐田市の段丘崖沿いで生じた土砂災害現場などを見てきました。まず、磐田市神増地区。道路標識が土砂に埋没している様子が見えます。こうした標識は看板下部の標準高さが1.8mなので、だいたい1.5mくらい土砂が堆積しているのではと思います。なおこの看板は土砂流出箇所直下から横方向に50mほど離れた場所なので、土砂の堆積高さは少なめにはなっていると思われます。

磐田市神増

 先の埋没した道路標識の土砂流出箇所を横(北側)からみます。道路啓開が進んでますが土砂流出箇所直下では2mほど土砂が堆積していました。土砂が流出し新たな土石流扇状地(沖積錐)を形成しています。付近にはこうした地形が連続しており、こんなことを言うのはつらいのですが、過去に繰り返し起こったことが今目の前にある状況です。

磐田市神増

 上記の土砂流出現場から150mほど南の土砂流出。これは全部が今回出た土砂ではなく、元からある土石流扇状地(沖積錐)の上に新たな土砂が乗った状況です。末端部で土砂の厚さは0.6m程度。これまでに同様な現象が繰り返し、我々が普段から見ている地形が形成されているのだという現実が見えます。

磐田市神増の土砂災害現場付近

 なにもこの場所が「過去から繰り返し土砂災害に見舞われてきた特別危険な場所」ということではありません。山麓部などでごく一般的にみられる地形です。繰り返されてきた自然の出来事、しかし私たちにとっては「災害」です。そうした中でどう暮らしていくのか、残念ながら明快な答えを持ちません。

 なおこの場所の空中写真が、国際航業から公開されています。一番よく見える写真はこのあたりでしょうか。


記事を読んでいただきありがとうございます。サポートいただけた際には、災害に関わる調査研究の費用に充てたいと思います。