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身近なDXコンサル事例紹介セミナー③~メガクラウド(AWS)を活用したサービスの実証・導入事例~

 今年2月22日に、Y-BASEイベント「身近なDXコンサル事例紹介セミナー」を開催しました。セミナーでは、デジタル技術を活用して課題解決に取り組みたい相談者に対して、Y-BASEの専門スタッフが、相談からDXの実現までをサポートする「DXコンサル」により、課題解決に取り組んだ事例について、企業関係者様へのインタビューを交えて紹介しました。
 こちらの投稿では、宇部市に本社を置かれる、株式会社UCDコンサルティング様による、メガクラウド(AWS)を活用したサービスの実証・導入事例について、セミナー内容を踏まえて紹介します。​
 

株式会社UCDコンサルティング様のご紹介

 株式会社UCDコンサルティング様は、廃棄物処理等に関するコンサルティングや、これらの営みに関連したシステム開発事業を展開しておられます。東京にもオフィスを開設されており、こうしたサービスを広域的に提供されています。

 業務上の課題と解決に向けた取組の概要

  UCDコンサルティング様では、自社でのシステム開発にあたり、新しくAWSを利用したいと判断される一方で、サーバー負荷や運用性などの面で不安を抱えておられました。DXコンサルを通じて、Y-BASEからは、AWAの専門家のご紹介し、環境構築のノウハウを享受いただいたほか、本番環境と同等の状態でのサーバーの負荷試験も支援させていただきました。DXコンサルを経て提供されているサービス「エコチャット」は、現在、住民の方の利便性向上や、行政事務の効率化に役立つシステムとして運用されています。 

DXコンサルを受けられた内田さんに伺いました

(モデレーター)
アプリの開発にあたって、Y-BASEをどういう形でご利用になったのか、まずきっかけを教えていただけますでしょうか。
 
(内田さん)
 Y-BASEさんがオープンしたのが一昨年11月頃と思いますが、その時に、テレビでY-BASEさんが開設されたというのを見て、見学をしました。ちょうどチャット開発の課題を持っていたところだったので、何かヒントがないのかなということで、まず見学させていただきました。実際に見学して、いろいろ相談に乗ってくれる担当の方がおられるということだったので、コンサルをしていただこうかなということで相談をしました。
 
(モデレーター)
チャット自体は既に開発をされていた最中だと思うんですが、どのようなポイントでご相談をされたかを教えていただけますでしょうか。
 
(内田さん)
 開発段階で、課題がたくさんありました。相談したいことはいっぱいあったんですけど、特に気になっていたのが自治体様向けのサービスなので、まず自治体様に受け入れてもらえるセキュリティはすごく重要視してました。さらに、導入を検討されていたところが43万人くらい人口がおられる自治体様で、それに耐えられるサーバーの性能・容量というのがすごく心配で、そこからDXコンサルのお話をさせていただきました。
 
(モデレーター)
 実際にそのご相談をされたときに、我々コンサルからは、どのような御提案をさせていただきましたでしょうか。
 
(内田さん)
 アマゾンのAWSというクラウドサーバーがあるんですけども、そこで構築して運用する方法をご提案をいただきました。
 
(モデレーター)
 では、コンサルタントからのAWSのご提案を受けて、どのように感じられましたか。
 
(内田さん)
 私達はローカルのサーバーでの開発しかしてなかったので、クラウドサーバーでの開発っていうのがまずあるんだということで、すごく驚きました。技術面で少し不安があったんですけど、Y-BASEさんに相談していきながら、アプリケーションの開発や実証実験の機会も提供いただけるのはすごく大きかったです。サーバーの負荷というのは、なかなか自分たちで実証実験まで難しかったんですけど、自治体様を相手に試すっていうのも少し難しい状況だったので、AWS上で開発に精通した企業様をご紹介いただいて、技術的なサポートをいただいたのは、とても助かりました。
 
(モデレーター)
 苦労されたことがあれば、教えてください。
 
(内田さん)
 ローカルサーバーでの開発ばかりやっていたので、新しいクラウド環境での開発では、本を読んだり、記事を調べながらだったので、なかなか時間がかかって。またエラーが出たとき、どう対応したらいいのかがすごく難しかったんですけど、私達のペースに合わせて、Y-BASEさんからサポートをいただいたので、それがすごく助かりました。
 
(モデレーター)
 どのくらいサイクルでコンサルを受けられたのでしょうか。
 
(内田さん)
 私達が1~2週間程度、自分たちで開発を進めていって、壁に当たったときに、ご相談させていただいてというペースで相談させてもらいました。
 
(モデレーター)
 AWSを採用されて、実際のところ、いかがでしたでしょうか。
 
(内田さん)
 すごく効果的で、AWSのサーバー自体が自治体さんすごく採用率が高くて、「当社で使ってるサーバーはAWSですよ」と、自治体様から信頼を得ることが、まずできました。他にも自分たちで構築すると、なかなかメンテナンスまで手が届かないとか、時間がかかるということがすごくネックだったんですけど、それを既存でやっていただけるサーバーだったので、エコチャットでやりたいことを十分に備えているクラウドサービスでした。
あとは、最初の構成から進めていって、人口が増えていけば、サーバー増強に対応してもらえるものだったので、新しいものをやっていく上でも、すごく私達には都合が良いサーバーでした。
 
(モデレーター)
 AWSを採用されてる企業さんもたくさんいらっしゃると思うんですけど、何かコンタクトを取られたパートナーさんとか、そういったことはいらっしゃったんでしょうか。
 
(内田さん)
 AWS採用したことで、AWS上でまた提携できるアイディアとか、またこういうことができるんじゃないかということで、いろんな企業さん、ベンダーさんとまた繋がることができました。私達が思っていた以上のソリューションが生まれて、いろんなシステムを開発できるようになりました。
 
(モデレーター)
 負荷試験のやり方なども、コンサルでいろいろ試行錯誤して試されたということでしょうか。
 
(内田さん)
 そうですね。当社のボトルネックになってたサーバー負荷試験で、サーバー機能のアドバイスいただいてですね、結構時間はかかったんですが、自信を持って自治体様に提案できるサービスを作ることができました。
 
(モデレーター)
 コンサルを受けながらの実証や開発と、同時並行で何かご自身で取り組まれていたこととか、そういったものはございますでしょうか。
 
(内田さん)
 AWSを採用して、開発環境がすごくやりやすくなって、また画像認識部分のパートナーと技術連携ができました。同時に開発はもうできるなというところが見えたので、今度は営業面にコストと時間をかけられたのはすごく大きかったです。
 
(モデレーター)
 Y-BASEを使うにあたって不安に思った点がございましたら、教えていただけますでしょうか。
 
(内田さん)
 まず私達がやりたいことと、Y-BASEさんが提供・支援していただけることに相違がないかは不安でした。私達も全て仕様書を作ってるわけでもなくて、アイディアベースのところがすごく多かったので、そちらに対応していただけるのかなってすごく不安だったんですけど、相談させていただいたら、柔軟に対応していただけて、最初に相談する前に思ったことが杞憂だったなというのが、すごく実感です。
 
(モデレーター)
 実際にコンサルを受けられるにあたって、事前に何か準備したこととか、そういったものがございましたか。
 
(内田さん)
 技術的な相談をしたかったので、まず私達のアイディアベースのところを、少なくとも伝えられるようにまとめておかないといけないなとは思いました。それなりに形にしたら、あとは全て汲み取っていただいて、相談に乗っていただけたと思います。
 
(モデレーター)
 あと、Y-BASEのご利用方法ですが、現地にお越しになったか、それともオンラインで対応されたのでしょうか。
 
(内田さん)
 当初は、まず現地にお伺いしました。それで施設だったり、どういったサービスがあるのかなというのを見学させていただいて、その後の相談は、オンラインで当社の開発担当をメインに進んでいきましたが、移動時間が削減できましたし、また東京のベンダーさんともオンラインでつながらせていただいたので、そこはすごく助かりました。
 
(モデレーター)
 最後に、エコチャットの今後の展開についてお考えをお聞かせいただきたいんですけども。先月、ニュースや新聞にも報じられた神奈川県の藤沢市での導入のお話とかを少しご紹介いただくことはできますでしょうか。
 
(内田さん)
 まず私達の方でチャットのシステムから神奈川県の藤沢市さんに導入していただきました。パッカー車や粗大ゴミとかを収集する車の作業員さんがタブレットを持って、1日100件ぐらい回らないといけないんですが、その100件が場所がどこにあるのかを、全てGoogleマップ上にピンが刺さって見ることができます。また回収した直後にもう回収の報告がすべてできるようなシステムになります。

 導入のメリットですが、今までは毎月1万枚ぐらい作業指示書と地図を印刷されていたそうです。それが全くゼロになって完全ペーパーレスになりました。さらに、その印刷の時間に毎日2時間、一番多い水曜日には1日4時間も職員の方がずっと付きっ切りでしたが、その人件費も全く不要になったと報告を受けています。今まで大体40%ぐらいが電話受付で、オペレーターの方が大変な状態だったんですけど、導入後は毎月2%程度下がっていて、逆にチャットの利用率が毎月2%ずつ上昇しています。オペレーター人件費で換算すると、年間で何百万円という経費になるので、今後さらに電子決済のシステムまでチャットでできるようにしていきますので、そこまで進めば、電話オペレーターとチャットの比率が逆転するんじゃないかと。これはもう全国的に見ても画期的なことですので、今からはそこにチャレンジしていくというのが藤沢市さんの導入事例になります。

(モデレーター)
 我々が部分的にお手伝いをさせていただいたものですが、こういったサービスが、世に出て、皆さんのお役に立っているところとか、御社の事業に貢献できているということを、非常に嬉しく思っております。引き続きのご発展を祈っております。今日はありがとうございました。

終わりに

 いかがでしたでしょうか。ここまで、Y-BASEのDXコンサル事例の一例をご紹介させていただきました。Y-BASEには、日々、様々なご相談が寄せられており、お客様に対して最適な解決アイディアを提案しています。この他にも多様な事例をHPで公開していますので、どうぞご覧ください。
 Y-BASEでは、今後も、山口県内の地域の皆様が抱える困りごとや課題に対して、デジタルの力を活用して、一つでも多くの解決に貢献できるようサポートしてまいります。


<インタビューの内容はYouTubeでもご覧いただけます>