タイトル正

トビリソーバ収穫祭【グルジア酔いどれ夜話/Siontak】

第十四夜

2015年4月に呼称をグルジアからジョージアへと変更した、南コーカサスの国。日本ではあまり馴染みのないこのジョージアへ、シルクロード旅行中にたどりついたSiontakさんのコラムです。ジョージアとはいったいどんな国で、どんな生活をしているのか!?

第2、4火曜日更新
<著者:Siontak>

毎年10月にトビリシであるお祭り、トビリソーバ(Tbilisoba)に遊びに行ってきた。

グルジアの町や村はどこもこの時期に町祭り、村祭りを開く。ワインの仕込が終わった頃に行われるため、収穫祭と解釈していいような気がする。英語版のWkipedia記事を読むとオクトーバーフェスティヴァルとあるが、ミュンヘンのオクトーバーフェストとその由来も、規模も全然関係ないけど、「飲みまくる」という点ではビールとワインの違いはあれ、似てると言えそうだ。

10月のグルジアは秋が深まり寒くなってくるので旅行シーズンではないが、この時期に来て各地の祭りやワインづくりを見て回るのもいい旅行になりそう。運が良ければワイン醸造の後に残る葡萄カスで醸すチャチャ(Chacha)や、葡萄果汁のキャラメルの中にナッツを入れたチュルチュヘラ(Churchkhela)の手作り現場も見れるかもしれない。

といってもそこはグルジアのお祭り、グルジア人が主役となって楽しむもので決して観光客を当て込んだ町おこしの祭りではない。そのため、ぼくら外国人からするとまとまりがないというかいきあたりばったりなところも多い。たとえば今年のトビリソーバーの開催日が10月15,16日と決まってもグルジア語で報道されただけでグルジア観光局や英語のグルジアメディアではまったく案内がなかった。今回ぼくは友人の旅行者と一緒にトビリソーバを楽しんだのだけど彼らが言うにはゲストハウスの半分以上の宿泊客がトビリソーバという祭りの当日であることを知らなかったようだ。

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