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ワークショップがビジネスの現場にもたらす効果

アバナードのエクスペリエンスデザインチームで、UI/UXデザイナー、ワークショップファシリテーターをしている中嶋です。

近年、ビジネスの現場でワークショップが活用されています。実際に私も社内、社外を問わず、切れ目なくワークショップに関わる日々が続いています。今回はそんな日々の経験から、ワークショップがビジネスの現場にどんな効果をもたらすかをお伝えしたいと思います。


そもそもワークショップとはどんなものなのか、「ワークショップデザイン論 第2版」 山内 祐平・森 玲奈 ・安斎 勇樹 (著) 慶應義塾大学出版会 では以下のように記載があります。

「Workshop」はもともと「工房」という意味であり、物が作られる場所を表す言葉であった。ワークショップが学習の形式として取り扱われる際には、工房が持つ「作ることで学ぶ」側面をメタファーとして利用していると言える。

また、「ワークショップデザイン 知をつむぐ対話の場づくり」 堀 公俊・加藤 彰 (著) 日本経済新聞出版 ではワークショップを以下のように定義しています。

ワークショップとは主体的に参加したメンバーが協働体験を通じて創造と学習を生み出す場

元々は演劇や美術で取り入れられていた「作ることで学ぶ」場であったワークショップが、現在では主体的な創造と学習の場として、アート、教育、まちづくり、カルチャー教室、研修など、さまざまな場で行われるようになりました。

今回はその中から、ビジネスの現場(組織・チームのビジョン作成、チームビルディング、業務改善や現場の課題解決、新規事業のアイデア創出など)でワークショップを活用した場合の特に有用な効果について、経験をもとにまとめてみました。

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体験の共有・一体感の醸成

ワークショップに参加しているメンバー同士が「一緒に考え、一緒に創る体験」を共有することで、組織やプロジェクトに対するコミットメントを高めることや、組織の壁を超えたコラボレーションを実現することができます。また、目標の設定からアイデア創出までの体験を共有できていることで、成果に一貫性を持たせることができます。

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能動的な参加

ワークショップでは参加メンバーが当事者意識を持って参加するように設計され、能動的な参加を促します。通常の会議だと話し手と聞き手に分かれてしまったり、声の大きい人の意見だけが目立ってしまうことがよくありますが、ワークショップでは通常の会議では見過ごされてしまうようなアイデアや意見にも光を当てることができます。

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高い創発性

ワークショップでは誰のどんなアイデアでも、まずは前向きに受け入れます。多様な参加メンバーのいろんな意見を建設的に積み重ねていくことで、一人で考えていた時や通常の会議では思いつかなかったアイデアが生まれる「創発」を目指します。イノベーションの文脈でワークショップの活用が取り上げられることが多いのは、こういったワークショップの効果があるからだと思われます。

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速いスピード

ビジネスの現場でワークショップを行う場合、多くは数日から数週間の短期集中型で、熱量を保った状態でスタートからゴールまでを走り抜けます。先行きが不透明で予測が困難な時代であるからこそ、これまでのやり方にとらわれずにアイデアをクイックに形にして検証し、それを繰り返すことが重要です。

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以上、アバナードでの実体験をふまえてワークショップをビジネスの現場で行う効果をまとめてみました。このように、ビジネスの現場でワークショップを行うことの利点がたくさんある一方で、適切な準備や仕切りを行わないとその効果は半減してしまいます。適切なテーマの設定とプログラムのデザイン、参加者や場などを準備する「ワークショップデザインのスキル」と、当日の雰囲気作りや臨機応変に対応する「ファシリテーションのスキル」が必要不可欠です。

ワークショップの特徴やデザインについては、冒頭でも紹介した以下の書籍がとても参考になります。ご興味ある方はアマゾンからも購入できますので、リンクを貼っておきます。

ワークショップデザイン 知をつむぐ対話の場づくり

ワークショップデザイン論 第2版


アバナードでは、お客様にヒアリングを行い、それぞれのお客様に合わせてカスタマイズしたワークショップをご提供しています。
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