見出し画像

「自分の価値を高めたいので転職を決意しました」?

これは中途採用の面接の時に、転職希望の方からよく聞く転職理由です。

割と、こう話してくれる人は多いので、これを読んでいる人の中でも「自分の価値(マーケットにおける価値や絶対的な価値?)を高めたい」と考えている方も多いのかなと思います。

もしかしたら「今の仕事が単調に感じられ、それをずっと続けていては給料は上がらないのではないか」「今の職場だとなかなか良い経験に恵まれないので、自分は成長できないのではないか?」と不安になっているのかもしれません。なので「いっそのこと転職をして職場も仕事も変えて、新しい環境に身を置けば新しい経験をすることが出来て、自分の価値が上がるのではないだろうか」と考えてるのかもしれません。

ところが、「自分の価値を高めるために転職」しようと思っても、自分の価値を高めてくれる会社への転職はうまくいきません。

理由は単純なのですが、企業が中途採用者に求めている人は「自社に入社してくれたら、自社の価値を高めてくれそうな人」なのであって、「あなたの価値を高める為にあなたを採用します」あるいは「うちの会社だったらあなたの価値を高めてあげる事が出来ると思うから採用します」のではないのです。

もちろん、「自社の価値を高めてもらう為に、当社ではあなたに対して教育投資をします」と言う考え方はどこの会社でも持っていますので、入社後にスキルや知識を身につけてもらうために様々な教育制度や研修制度を整えています。企業はすべての社員に自分自身の価値を高めてほしいと考えていますが、それは企業で活躍し企業の価値をより高めてほしいからになりません。

一方、そもそも企業の中で活躍する人というのはどういう人なのでしょうか。それは多くの場合、自分からすすんでスキルや知識を得るために動き、現在の業務に真摯にと取り組みながらいかにそこから成果を生み出せば良いのか、といった視点で努力をしながら業務改善を行っていることがおおいのではないでしょうか。自ら現状に満足をせず、常に向上心を持ちながら仕事に向き合っていく、その努力の中でその企業の中で価値の高い社員になる事が出来ていると言えるのです。企業はそういう人に対してなら、自社に入社してもらい新しい業務に取り組みながらさらに教育投資を行って行こう!そして共に企業の価値を高めて行っておもらおう!と考えるものなのです。

つまり、企業としてほしい人材は、まずは今のところでどれだけ努力をすることが出来るのか?どれだけ成果を出せるのか=価値を高めることが出来るのかを考えて行動している人であって、なんとなく「今のままじゃ自分は活躍できない、価値が上がらない。じゃぁ別のところを探そうかなぁ」と思っている人ではないのです。ましてや、まだまだ今の職場で十分に活躍していない人を採用することはないと言っていいでしょう。

順番が逆なのです。

「価値を高める為に転職」をするのではなく、「価値が高くなったからこそ転職」が可能になるのです。

もしあなたが「自分の価値を高める為に転職をする」と思っているのであれば、まずいまいる場所で価値の高い人間になってください。価値の高い人間は、企業としては是非ほしい人材ですので、きっと自分の考えるような転職が出来るようになるでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?