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デジタル技術を軸に情報の価値を向上させる。データサイエンスグループ。

デジタルイノベーション推進部は、業務部門やディストリビューター・ディーラー、またお客様との間をデジタル技術を通じて繋ぎ、AIやデータを活用して企業の価値を上げていくための部署です。
今回紹介するデータサイエンスグループは、『MMCのデータ活用におけるCOドライバー*となり、事業成長を発進・加速させる』というMISSIONを策定し、MMCのデータドリブン文化を醸成し、事業活動の向上に貢献しています。
*COドライバー:自動車競技において、ドライバーとともに車両に乗り込み、ドライバーの走行を手助けする選手。

実際の業務にあたる、プロジェクトマネージャー(PM)の竹内 友理さんとデータサイエンティストの田村 暁さんに話を聞きました。

能動的にキャリアを重ねていくこと

―ふたりは、どのような経緯でデータサイエンスグループに配属になったのでしょうか?

田村:
私は、学生時代から数ヶ月ほどインターンをして、そのまま入社しています。自動車業界を選んだのは、私の父方の親戚に鉄道の駅長をしている人が何人かいまして、その影響で鉄道派ではあったのですが、乗り物全般に対してかっこいいなと思っていました。だから乗物系の仕事ができたらいいなと思っていたんです。それで、縁があって三菱自動車に来ました。

今は好きな車もできました。入社後のディーラーでの研修時、あるお客様が「三菱スタリオン」という車種に乗ってご来店されたんです。80年代に販売されていたスポーツタイプのものなんですが、今まで乗り続けていただいていて。それを見てすごくかっこいいと思って、単純ですけど欲しくなってしまって(笑)。

竹内さんは私のインターンのときのメンターでして、以来一緒に働いています。他社のインターンは、会社説明会的なものだけというものもありましたが、ここではプロジェクトに入って会議にも出席していましたし、実際に仕事をさせてもらえました。

竹内:
私は、以前は日系のセンサーメーカーで働いていました。仕事内容としては中国での営業活動やマーケティングが中心です。世界で流通している様々な製品に日本企業のセンサーは多く使われているので、非常に面白い業界でした。でも、小さい部品を作る世界から、それを使う大きな世界を見てみたくなって転職活動をしました。前職よりも三菱自動車にいるほうが長くなってきたところです。

キャリア入社して最初に配属となった部署は、市場で発生した品質不具合などに関して、ディストリビューターや設計・開発とやりとりをするような部署でした。必要に応じて海外現地での調査も行ったりしていましたね。

今いるデジタルイノベーション推進部への異動は、社内では少し珍しいケースかもしれません。「社内インターン」なるものを経ています。

発端は、以前の部署で自分に足りない知識があるな、と感じたことです。日々の業務で様々なデータを扱ってきましたが、データ活用方法やデータ分析結果の判断、要はデータを扱う人のスキルレベルによっては、一歩間違えると大きな判断ミスをしてしまうんだな、と。

そこで、どんなスキルが必要なのか考えたり調べたわけなのですが、エクセルなどのツールスキルではなく、理系的にデータを扱う力が足りてないのだとわかりました。私はいわゆる文系出身なのですが、このままではいけないと思い、自分でスクールを探して、本格的にデータサイエンスの勉強を始めました。その勉強を続けているタイミングでデジタルイノベーション推進部の存在を知り「数%でもいいので、データサイエンスグループの仕事をさせてほしい」と、アプローチしたのが、社内インターンをすることになったきっかけです。それから、しばらく両部の仕事をさせてもらえることになり、最終的には願い出て、こちらの部署に完全に異動させてもらった、という経緯です。

社内インターンのような制度は正式にはなかったのですが、私の場合は、両部の部長や人事が柔軟に対応してくれて、結果的に現在のグループに在籍しています。

データを軸に課題を解決していく

―ふたりが一緒に働いたプロジェクトをひとつ例にあげて仕事内容を説明してもらえますか?

竹内:

三菱自動車では、ディーラーにお越しになったお客様に、来店時の感想をお聞きする「お客様満足度調査」をさせていただいています。そこにはコメント欄もあり、本当に様々なことが書かれています。問題を解決してもらってよかったという感想、ご意見などなど。これが、世界中のディーラーで行われています。

ここのコメント欄はテキストの集積ですので、人手で何かを読み取ろうとしてもやりにくいのです。もちろん、読もうと思えば読めますが、あまりにも膨大で全部に目を通すことはできませんし、ましてや傾向を読み取ったり、リサーチをするために使うことはほとんど不可能です。

このテキストをデータ化し、田村さんのようにエンジニア的なスキルをもった人たちが、テキストデータを自動で分類したり、キーワード抽出できるような機械学習モデルを作成して、使える形にしていきます。例えば、この仕組みがあれば、ひとつの地域でなにか部品に問題が起きた時、他の地域で同様の問題が起きてないかをスピーディーに調べられるようになります。

田村:
今までいただいていた感想やご意見が、更に活用できるようになり、新たな価値を生みだせるんです。仕事としては、機械学習モデルを作るだけではなく、データを集めて整備する段階から始まります。その後で、テキストを読み込んでいき、分類をしていきます。タイヤならタイヤ、他の部品なら他の部品というふうに、コメントを読んで抽出したいキーワードをピックアップしては入力するという、かなり地道な作業です。その後にPythonなどの言語を使って機械学習モデルを構築していくという感じです。

横につながる力をつけて、社内での認知度を深めていくこれから

―既にあるテーマを分析するだけではないとなると、社内の他部署との連携も多い仕事ですね

竹内:

その通りです。「こんな仕組みを作ります」ということを説明して、他部署に協力を仰がなくてはなりませんし、作った仕組みを利用する部署の人たちが、今何を考えているか、どうなればいいと思っているかを聞き出して、聞き出して、本当に使えるものにしていく必要があります。そのためには、業務フローを見直したり、例えば、「アンケートのコメント欄は自由記述ではなく、ある程度お客様に回答を選択してもらえるような仕組みのほうがいいのかもしれない」など根本から考えていくことも必要になってきます。

田村:
これまででも品質・開発・企画・ITといった部門をはじめとして本当にいろいろな方と話をしてきたので、会社の仕組みがよくわかるんですよ。

竹内:
単に私たちに、スキルがあってできることがあったとしても、それが実際に活かせなければ全く意味がありません。出来ることが形になって、実際に社内できちんと運用されてビジネスに活きるということまで落とし込んでいく必要があります。

データとかシステムって部門ごとに、ぶつ切りになる傾向があります。隣の部門では何をやっているのか、データがどこに存在するのか明確でないこともあります。そこに私達が入り込んでいき、様々なデータを可視化して、最終的には横に連携していくのが理想だなと思っています。ひとつの部署や部門だけ見ていたらできないことを、私達が入っていくことによって実現できるのではないかな、と。

ただ、まだまだデータサイエンスグループも若いグループですし、社内にも私たちにどんなことができるのかがあまり伝わってないかもしれません。「うちの部署にこんなデータがあるんだけど、こういうデータ活用できたら良いなあ、まずはデータサイエンスグループに相談してみよう」というように考えてもらえるようになるといいのですが。

田村:
他の部署とも連携して仕事をするのに、この会社はちょうど良い大きさなのかなと思います。

竹内:
そうですね。もっともっと大きな会社になると、自分の部署で扱うデータが大きくなりすぎて、専門性が高くなってしまうかもしれません。でもここでは、品質管理、アフターサービス、営業系といろいろな部門のデータをみることができます。これは、自分たちの仕事の内容からいうと、すごく面白いことなのではないかと思っています。

専門性と総合力とが求められる仕事

―交渉力などのジェネラルな仕事のスキルと専門性の高いスキルとが共存する部署ですが、働く上でこれは重要だなと思う点はどんなところでしょう。

竹内:
前向きにポジティブに仕事に取りかかれるというのが、まず必須条件だと感じます。裁量がある環境ですし、グループには風通しの良さもすごくあると思います。だからこそ、与えられた仕事をこなしていくというよりも、課題設定から問題解決まで自分で考えて仕事をするスタイルを楽しむことができる方が向いているのではないでしょうか。

田村:
もちろん、グループのメンバーはとても協力的で優しい人たちばかりなので、相談しやすく、基本コミュニケーション能力が高めの人が多いかもしれません。

竹内:
「じゃあ、みんなでそれをするためにはどうしたらいいだろう?」「お金の面ではどうにかなるけれど、人はどうしよう」というように、相談しながらどんどん前に進めていくことができます。人に聞くことで、見えなかった問題も出てくることもあるので、基本的には外に開いているスタンスのほうが仕事はやりやすいと思います。

田村:
エンジニア的な部分のことをいえば、技術はあったほうがいいです。そうでないと、求められていることにスピード感をもって対応もできません。そのためには、技術の進化にもついていく必要もあります。

ただ、それ以上に必要なのは「言語力」では? とも思っています。もやもやっとした課題感はきちんと言葉にして説明しないと、誰にも伝わりません。課題が見えさえすれば、どんな手法を使ったらいいかは、あとから決まることです。まずは課題を言語化していかないと仕事が始まらないのです。

竹内:
グループ内には、データ基盤構築上手な人もいれば、データサイエンス系の人、可視化が得意な人とそれぞれですが、共通して大切なのはやっぱり「業務課題をしっかり問いに落とせるか」だと私も思います。

―その他にも何かありますか?
竹内:
あり方というか姿勢のお話なんですが。グループMISSIONにある「私達はドライバーではなく、それを支えるCOドライバーである」というところですよね。あくまでもドライバーは業務部門で、私達はそこに並走するメンバーなんだということです。
データサイエンスはあくまでも手段だと思っています。三菱自動車の主役は自動車です。自分たちはその主役をいかにサポートできるのか、というマインドでいたいですね。“デジタル”や“イノベーション”なんて言葉だけだとかっこいいのですが、やっぱり一番かっこいいのは、私たちが作っている車なんだ、という意識が持てる方だといいですね。



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