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【医師が作った医師向けアプリ】病棟業務管理のお供にMOTiCAN~モチカン~のススメ

筆者はこれまで、医師向けサービスやアプリなどのレビューを行ってきました。
COVID-19の影響で仕事が忙しくなり、2019年~2023年ごろはレビューなどをあまり実施できない状況でした。

2024年になり、noteやXでの発信を徐々に再開しましたが、医師向けのほとんど新しいサービスが出ていない状態でした。

特に医師の業務の効率化などに関連する個人向けアプリはほとんどなく、非常に残念な気持ちになりました。

そこで、自分で作ることにしました。自身も経験したJ-OSLERなどの大変さを軽減したり、病棟業務の紙業務を少しでも減らすアプリを作成しました。

病棟業務を紙管理していませんか?

こんな感じでしょうか

筆者もそのように紙で管理するよう習ってきました。

患者一覧用紙での管理にはいくつかの問題点があります。


まずは紛失です。
患者さんの名前などが書かれた個人情報の塊である患者一覧用紙。病院内に落ちること見たことありませんか?

1枚の紙を持ち歩いている、人が多いので、当然そのようなトラブルもよく起こります。

2つ目は蓄積性がないことです。

病棟の一覧用紙は、その日が終わったらシュレッダー廃棄です。
医師の資格取得や、自己学習ためにはそれから学ぶために関するメモや症例管理が日常的に行われますが、患者一覧用紙は毎日触るにもかかわらず、蓄積性がありません。

大きくこの2つを改善したアプリがMOTiCANです。
"モチカン"と読みます。


MOTiCANでできること

病棟ToDo管理

MOTiCANでは、匿名化した患者情報を入力して、患者一覧用紙の代わりに、スマホアプリで日々の病棟業務を管理できます。

最初の画面はこんな感じ
IDやイニシャルは実際のデータを入力せずに匿名化して入力します。

日常的に行うカルテ記載、検査オーダー、処方箋のオーダー、点滴のオーダーについては、チェックボックスを使ってタスクを管理します。

ちなみに左下の「SpO2モニター指示」とあるのは症例ごとのメモ欄の一番上の行が一覧で表示されるようになっています。

ちょっとしたメモを表示するのに便利ですね。

一覧の部分をタップすると症例詳細ページに移動します。


症例詳細ページ

カレンダータスク機能も搭載しています。

看護師さんから言われた処方切れの件や病状説明の日程について、メモ・リマインダーを設定できます。

ToDoは症例横断的に見ることができるので、タスク漏れを防ぐことができますね。

ToDo画面


日時を入れておけば、カレンダー画面に表示されるので、その日の予定がすぐにわかります。

自分のプライベート用カレンダーアプリに入れるとぐちゃぐちゃになっちゃうので、MOTiCANで管理すると便利です。

カレンダー画面


症例管理

MOTiCANのもう一つの機能は症例管理です。

先ほどのToDoで使った症例データは、自動的に医師ユーザーに紐づいたデータベースに保管され、病名などから再度見つけ出すことができます。

経験に基づく知識を蓄積する中で、匿名化した症例情報を自身のデータベースに蓄積できたら便利かと考えて作成した機能です。

よく自身の経験症例をExcelなどにまとめている先生がいらっしゃいますが、MOTICANなら作業しなくても経験症例のメモが自動的に出来上がるというわけです。


見つけ出すときに健作できます。

今後、勉強に役立つ機能についても搭載予定です。

J-OSLER機能

症例管理機能のアドバンス機能としてJ-OSLER対応機能も搭載しています。

J-OSLERが一眼で管理

内科J-OSLERでは160近い症例レポートを提出する必要があります。

この場合、レポートに使用しない症例も含めて200近い症例を整理し、レポートに使用するための選別を行う必要があります。

従来、学会が決めた疾患群の表を用いて自身の経験症例を整理していく必要があり、整理だけでも苦労する部分でした。

MOTiCANではJ-OSLER機能を用いて、「病名→疾患群への自動分類」ができます。
もう疾患群の紙と睨めっこする必要はありませんね。

また、経験した症例数も自動でカウントされ一覧として見ることができるので、不足している症例分野についてもすぐに洗い出すことができます。


MOTiCANのメリットとしては、日々の病棟業務の中で自動的に経験症例がJ-OSLER病名として整理され、あとから必要症例を探す必要がなくなることです。

このアプリを使わないと「カルテから症例探し→自分でメモしていく」という作業が必要となり、これに大変な時間がかかっていました。

ぜひ内科専攻医の先生の負担軽減につながればと思います。

J-OSLER機能を使用するには登録時にJ-OSLER病名のボタンをONにするだけです。これで登録できる病名がJOSLER準拠となり、J-OSLER症例として表の中にカウントされていきます。

J-OSLERボタンをONにすると

J-OSLERに対応した病名となり、ボタンも出現するようになっています。

J-OSLER機能

症例登録と病歴要約にカウントできるフラグ機能もつけているので、有効に使ってください。このフラグをONにするとJ-OSLERの表のカウントに追加されますよ。

病名はJ-OSLER準拠になります

病名入力はリストからも行えますが、一番上の検索窓に数文字入れていくのがおすすめです。

複数の疾患群に当て余る場合にはこのように表示されます。


病名を選ぶと診療科と疾患群情報も自動セット

J-OSLER機能などMOTiCANのいくつかの機能は、医師免許のアップロードを必要としています。

これはサーバー費用がバカにならないため、過剰に使用されることを防ぐ目的があります。現状、赤字サービスなのでご理解いただければ助かります。

医師による医師向けアプリ開発

MOTiCANは医師が開発しているアプリです。

医師目線で開発できることでかゆいところに手の届いた機能を実装できると考えています。

こんな機能を作ってほしい、アプリ開発に参加してみたいなどあれば、XアカウントにDMいただければ対応できると思います。

でじすたねっと:https://twitter.com/digista_net

現状iOSのみですが、近いうちにAndroid版もリリース予定です。
気になった方は、iPadなどでご利用いただくか、この記事の拡散にご協力いただけますと、開発者のやる気につながります。


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