人類の偏ったCO₂排出量。

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ドイツのインフォグラフィクスを紹介しているStatistaは2021年12月16日に、データジャーナリストのフローリアン・ザント(Florian Zandt)による「Humanity's Uneven CO₂ Footprint」を公開した。

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https://time-az.com/main/detail/75872

2019年の一人当たりのCO₂排出量が20.8トンと、個人レベルで最も気候変動に貢献しているのは、アメリカとカナダからなる地域であることが、マイナス要因ではあるが、世界ランキングで再び北米がトップになった。

悪くても。良くても世界一になりたい国かもしれない。

インド、中国、日本、ロシアといった国々が州レベルで高い二酸化炭素排出量に関与していても、私たちのグラフが示すように、地域的な文脈で見るとトップ3にすら入らない国もある。

マスコミや想像で話してはいけないということである。

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フランスの研究機関World Inequality Labが発表した「World Inequality Report 2022」のデータによると、中央アジア&ロシアとヨーロッパの地域はそれぞれ9.9トン、9.7トンで2位と3位となっている。

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ヨーロッパの順位は、ドイツなど富裕層の多い国家が上位を占めていることで説明できる。

中国の総排出量が米国、インド、ロシア、日本の合計を上回っているにもかかわらず、中央アジア・ロシアが2位なのは、中国の富と技術レベルの格差が原因であると考えられる。

つまり、中国が技術、製造、輸送のホットスポットになっているにもかかわらず、北京、深圳、上海などの中心地以外の住民は、中国、ひいてはこの地域の二酸化炭素排出量にそれほど貢献していない。

同じような仕組みは、7.4トンの二酸化炭素を排出する中東でも見られる。
Global Carbon Projectの調査によると、クウェートやカタールのような国は、北米の両国を合わせた一人当たりの排出量が多い一方で、クウェート、エジプト、シリアといった場所は、一人当たりのCO₂排出量が2トン前後で推移しているのだそうである。

全体として、「World Inequality Report 2022」によると、2019年の世界の排出量の約50%は上位10%の炭素排出者が担っており、下位50%は全体の12%にしか寄与していないことが判明した。

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このような不平等は、炭素税を含む現行の一般的な気候変動政策の見直しが必要であり、特定の排出量目標に合わせた国別の対策が長期的にはより実りあるものになる可能性を示唆している。

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