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祝映画化!フィリピンで『セイキマツブルー』のサイン会をしてきた話

【コミックガム イベント裏レポート vol.3】
なんと!今回はリアルサイン会、しかもinフィリピンです。今まで『すうぃーぱっ! - 生活改善編 -』『エルフさんは痩せられない。』と2つのコミックガム作品で、Twitterを使ったサイン会の模様をnoteで報告してきました。

サイン会は書店でというのが一般的ですが、アイドル写真集を筆頭に年間で100回以上も開催している弊社。
どうしてもサイン会は東京に集中してしまうので、参加したくても来れない読者の方も多く、特に漫画は海外にいるファンの方も多いので、ネットサイン会との相性はいいかもしれません(顔出しNGの作家さんもいますし)。

サイン会も次の段階へと進んだ形ですかね、つまり2G! こう書くとそんなに凄いことでもないのかも…。

話は戻って、今回の会場はフィリピンのマニラです。
コミックガムから昨年末に発売した『セイキマツブルー』が、2020年公開予定の実写映画『セイキマツブルー』になったことで、11月1日から3日にわたって開催された「Coslandia 2019」に招待されることになったのです。

それでは、作家のヒロタシンタロウ先生と一緒にフィリピンに行ってきた模様をまとめてみようと思います。

公式サイトは、もちろん英語です。

まずは、いつも通り作品の紹介から。

作家のヒロタシンタロウ先生は、芸術大学卒業後にクリーチャーの立体作品を作りながら漫画も描いていて、2016年にpixivで発表した『怪虫の夏』が電脳マヴォに掲載、2018年からコミックガムで『セイキマツブルー』を連載してました。

同年には初単行本『セイキマツブルー』を発売し、作品の世界観や登場人物たちの魅力がじわじわと漫画好きな人たちに広がっていく中で、めでたく映画化の話が舞い込んできたのでした!

平凡な中学生活を送る女子中学生・高坂。
ある日、ふとしたことからクラスメート・遠峰がいじめられている現場に居合わせてしまう。
しかし彼女に見えたものは、いじめだけではなく奇妙な形をした怪獣・大王だった。
自分は関わり合いになる必要はないと考えつつも、高坂はいじめを見逃すことができず、遠峰に救いの手を伸ばしていく…。
成長していく恐怖の大王、そして二人の未来の先にあるのは…。

主演はフィリピンで活動しているAKB姉妹グループ「MNL48」の選抜メンバーのAbbyさん(遠峰役)。それから「1-Girls」のREIRAさん(高坂役)を始めとして、ネクストジェネレーションのアイドルたちが今年の夏に撮影を行い、現在は編集作業中とのこと。

ちなみに、撮影の様子はヒロタ先生に取材漫画としてまとめてもらいましたので、気になった方は『コミックガム』でチェックしてください!

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そうです。なぜフィリピンのイベントに? という答えは(皆さんが疑問に思っていること前提)、フィリピンの国民的アイドルが主演だったから! でした。映画化のエピソードは機会があれば「note」にまとめようと思います。

ということで、「Coslandia 2019」に参加するべく成田からマニラへと旅立つことになったのです。

映画版の遠峰は、フィリピンから母親と妹たちと一緒に日本に来たという設定。日本語での演技に挑戦してくれてます。

Day.1

朝6時に東京駅集合、そして成田空港へ。良い天気に恵まれました! 日本はすでに寒くなってきていましたが、向こうは夏服でOKな国。でも仕事だしジャケットは必要…、ノーパソはおそらく使わない…、それからコミックガムの単行本も…、なんて準備をしていたらそれなりの荷物に。

機内に持ち込めるサイズのキャリーに詰めたんですが、ちょっと重かったんで預けてしまった、それが失敗でした…。マニラについて荷物が出るまで30分弱、身軽なヒロタさんを待たせてしまうことに。

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リアルでは止めてたのに、結局載せてしまうエアポートおじさん。

とまぁ、搭乗時はそんなことになるとは露知らず、約5時間のフライトでは、タガログ語の勉強をしたり(結局使いませんでしたが)、仕事のメールチェックをしたり、見逃していた映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と『ジョン・ウィック パラベラム』の2本立ても楽しませてもらいました。

2本も見ている時点ですっかりEnjoyモードになってるんですけど、スマホ1台でも仕事をしっかりする気持ちだけはありました。

ヒロタさんはWiFiを使ってましたが、私はこれで充分でした。

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マニラはあいにくの曇り空、着く前にはスコールだったようです。

無事にマニラ空港に到着するも、先述の通り薄暗い荷捌き場で少し足止めされた後、とりあえず1万円を両替したら約5,000ペソに。これだと日本円換算もわかりやすい。物価はだいたい1/3くらいでしょうか、でも結果的に3日間で1万円も使わなかったんですよね。ちなみに時差は1時間です。

そしてようやく空港のゲートから1歩出たら…、蒸し暑い!スコールの後だったからもあると思いますが夏の日本に戻ってきた感覚です。ジャケットは厳しいなぁと、さっそくTシャツ1枚に。マニラ空港から会場までは送迎車での移動だったので、とても快適でした。

が、ドライバーさんの運転が荒いw。ちょっと煽りすぎでしょ、いや、フィリピンでは普通なのかも? 詳しくは書けませんが、絶対にここでは運転は出来ないなと…。

昔遊んだゲームを思いだしました。懐かしい~(もちろんイメージです)

それにしても車だらけでクラクションが鳴り響いているイメージで行ったのに道はガラガラ、それもそのはずで11月1日は万聖節というキリスト教の祭日で、多くの人は帰省している(日本でいうお盆ですね)とのこと。街はすでにクリスマスの飾りつけがされていて、キリスト教が生活にリンクしているのが良く分かりました。

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道には警官の姿をたくさん見ましたが、どういう交通法規なのか不明。高架下にはたくさんの人がいて、雨宿りをしているのか住んでいるのか…。

イベント会場の「SMX Convention Center Aura」は空港から30分くらい。途中でホテルにチェックインだけして駆けつけました。といっても金曜日の昼間ということもあって、のんびりとした雰囲気。

映画監督の橋さんに到着した旨を伝えると「ヒロタ先生“たち”の本番は明日ですからー」とすでにフィリピンモード(沖縄時間よりも更にゆったりらしい)に。その言葉に甘えてブラブラと会場のドでかいショッピングモールを散策することに。

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会場入り口近くに設置された撮影スポット。コスプレイヤーさんたちも大勢いましたよ。

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モールのゲートでは、セキュリティチェックがありました。ここに入れる(ここで買い物ができる)人と入れない(できない)人、建設中の高層ビルとスラム、成長期の国の様子が良くわかりました。

18時前にはスタッフから、「今日はもうホテルに戻って大丈夫ですよ。」と言われ、イベント初日は関係者に挨拶をしたり、映画『セイキマツブルー』のブースをチェックしたくらいでイベントは終了となりました。

用意してもらったホテルはマカティという繁華街の近く、「治安は心配するほど悪くないから大丈夫、それから物売りの子ども達に囲まれないように。そしてスリには気をつけてください。スリにだけは気をつけて!」と念を押されて車から降ろされたので、バッグを抱えながらフィリピンの街へと繰り出すことに…。

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繁華街エリアとはいえ日本と比べて街灯やネオンが圧倒的に少なく暗い、道路は至る所が掘り起こされて工事中。遠くにそびえ立つビルにはTRUMPの文字が。

「夕飯は何にしましょう?」とヒロタさんと歩き始めてすぐ、いかにもな売人が近づいてきて精力剤やらあやしげな薬を勧めてくる。道路脇には女性が立っているし、子どもたちはお土産的なモノを売りにくるし、これくらいは、さもありなんと思って何人もの売人を断りながら歩いていると…、

「バチバチバチッ!!」
「バッチバチバチ!!」

と聞いたことのない破裂音が! 驚いて振り返るとスタンガンを持った売人が、バチバチさせながら近づいてくる! スタンガンの音だけで寿命縮むわ…というより、そんな人からは普通に買わないでしょ…と、夜の散策は諦めて近くにあったアメリカンダイニングに入ることに。観光客で賑わう店内で片言の英語で注文し、ようやく一息つくことができました。

それにしても学生の頃に初めて歌舞伎町を歩いた感じ、ギラギラヒリヒリしているフィリピンの夜を経験させてもらいました。それから近くのセブンイレブンで買い物してホテルへと早々に引き上げることにしました。(翌朝ヒロタさんは一人でコンビニに出かけたようです、私は爆睡中)

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入口にセキュリティーが立つ店の中で安心して乾杯!この日はラグビーワールドカップの3決でしたが、テレビでは闘牛が流れてました。

Day.2

朝8時ごろ起床。TVで現地の番組を見ていたら「ヤクルト」や「ミロ」のCMが流れていました。そういえば、昨日行ったスーパーマーケットでも日本の食品がたくさん売ってました。

日本で同じようなイベントだと10時もしくは11時はスタートですが、「“だいたい”12時くらいからですねー」と言われていたので、せっかくフィリピンに来たんだからと、午前中は観光することにしました。このアバウトな感じいいかも!

といってもあまり時間も無いので、世界遺産に登録されているサン・アグスティン教会へ向かうことに。タクシーは料金をふっかけられる可能性が高く、乗り合いバスのようなジプニーは乗り方が分からず、配車アプリのGrabを使うことにしましたが、とても便利でした。

サービスの利用は自己責任でお願いします。

観光サイトで調べていたら、サン・アグスティン教会の近くにサンチャゴ要塞、マニラ大聖堂もあると知ったので先にそちらへ行くことにしました。ここで2つ目の失敗です。

サンチャゴ要塞は意外に広く、それから歩いてマニラ大聖堂へ。荘厳な堂内でしばし休息。そしていよいよサン・アグスティン教会へとテクテクと歩いていったのですが、半分開いている扉には無情にも“11:30~LUNCH BREAK”の看板が! こういうところは時間通りなのね…。

教会エリアが意外に地元感が強く午前中だったからか観光客も少ない、旅先の開放感はありつつも、昨晩のスタンガンの恐怖とスリへの警戒に野良犬も加わって、よく分からないテンションになり、時計を見ることをすっかり忘れてました…。(なので、テクテクというよりかはビクテクかも)

せっかく来たけど1時間ここで待つのは時間的に厳しいので、外観だけ眺めてイベント会場へと向かうことにしました。Grabで呼んだ車に乗ると何故かホッとしました。

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サンチャゴ要塞から対岸を撮影、橋を渡った先にみえる地元感が溢れるマーケットがとても気になります。

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教会の中はどうなっていたのか、次の機会には必ず!

いよいよ「Coslandia 2019」の2日目です。映画『セイキマツブル-』特設ブースは、壁一面にヒロタ先生のイラストが貼られていて会場でも目立っていました。橋監督がプロモーション用に作った動画も流れていて、漫画と同じく青みがかった映像で「早く見たいっ」と期待値と一緒にテンションも上がりました↑↑

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ブースに来てくれたファンの人たちと、片言の英語と翻訳アプリでコミュニケーション。同じモールの映画館では『HELLO WORLD』が上映されていたりと、日本文化は身近な存在。

セイキマツイベントカバー

フィリピンでのイベント&映画公開時用として、英語に翻訳した『セイキマツブルー』や撮影風景などが掲載されているカタログも販売。

さて、いよいよサイン会。とその前に、隣のステージで映画の記者会見をするということなので、ヒロタさんと一緒に舞台裏まで行き、監督や出演者の皆さんが壇上に揃ったことを確認し、客席へと行こうとした瞬間にサプライズが…。

「ヒロタさんと一緒にステージに並んで!」とMCを務めていた、さがね正裕(X-GUN)さんに呼ばれ、しかも前列!? 着飾っている出演者の皆さんの中に、バッグを斜め掛けしている私と少し緊張気味のヒロタ先生が並ぶことに。

そして会見の最後、こちらが用意していたサプライズとして、ヒロタ先生からAbbyさんやREIRAさんへ似顔絵をプレゼント! 昨晩からイベント開始直前までのギリギリで仕上げてもらったんですが、喜んでもらえたようで良かったです。

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まぁ、これも良い経験と思うことにします…。

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ヒロタ先生が描いた色紙の写真を撮り忘れてるという残念な感じ…。ですのでカタログに収録していたイラストを代わりに。

いよいよイベント2日目の締め、ブースでのサイン会です。高坂役のREIRAさんと遠峰役のAbbyさん、それから橋監督とヒロタ先生の4人が寄せ書きしたサインはかなりレア。さらさらーっと目の前でイラストを描くヒロタ先生姿に、並んでいたファンの皆さんも感激してくれてました。

私もこういう形のサイン会は初めてで、笑顔で「Thank you」というだけ。あっという間に時は過ぎて、サイン会も無事に終了。ヒロタ先生、お疲れさまでした! 映画が公開されたらまたフィリピンに行きたいですね。

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現地のマスコミに囲まれながらのサイン会。記者会見でも質問が集中していたAbbyさんの人気の高さは凄いです。

今回は、ほぼフィリピン旅行記となってしまいました。モールの明るさと路地裏の暗さ、高層ビルの頑強さとスラムの儚さ。生活している人々のエネルギーは強く、それは明るい場所からも暗い場所からも感じることができました。垣間見たのはフィリピンの一部だけですが、まるで戦後から高度経済成長期の日本(生まれていないのであくまでイメージ)に転生したような、そんな経験でした。ヒロタ先生がどんなことを感じ、それをどう表現するのか。映画の完成と合わせて楽しみにしたいと思います。

しかしフィリピンで、「日本の漫画は何で読んでいるか?」と聞くと、申し訳なさそうに「海賊版です…。」と。やはり正規の英語版を出さなければ!と心に決めてDay.3は帰国の途に。それに関しては現在準備中ですので、発表が出来るタイミングになりましたら「コミックガム公式」Twitterでお知らせしたいと思います!


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