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S3第4話【ヨロシサン・エクスプレス】#2

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 ヨロシンカンセン! それは、北米大陸を横断し、バンクーバーからニューヨークに至り、折り返してLAに至る壮大なるレールラインだ。かつてこの鉄道が物流の要であった時代もあるが、ウキハシ・ポータル関連技術が発展した今、それは専ら、ヨロシサン・インターナショナルの威光の象徴として悠然と走る観光列車である。

 貨物車両4両、Sクラス客室6両、食堂1両、SSクラス客室6両、食堂1両、先頭車両と連なる巨大シンカンセンの利用者は基本的にカチグミであり、客室には寝台が備わっている。荒野を貫き、山脈を貫き、湖を貫き、壮麗なるヨロシンカンセンは誇り高くヨロシサンを逍遥、乗客に安全と満足を提供する!

 ヨロシンカンセンは美しく工学的に理にかなった流線型で、荒野を徘徊する文明消失者達の攻撃など全く問題にしない。自己再生機能、電磁バリア、一般的なキャノン砲も当然備えたヨロシンカンセンの車両は極めて安全であり、危険は全くない。時折出回る闇情報は全てフェイクニュースだと社は主張する。

 マスラダ達の入り込んだ客室はSクラス。寝台はスペースを重視して3段式、6名が利用できる。多少窮屈さは感じるが、机にラップトップUNIXをひろげた作業も可能だ。SSクラスにもなれば、まるでホテルのスイートルームめいた快適さであるという。「思ったほど速くないんだな」ザックは窓に顔をつける。

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