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犬たちの胸の内

思い出深いカラスの話

私はとてつもなく動物に懐かれる。初対面の猫や犬、最近ではカラスや鳩にまで追い掛けられるようになった。
昔々空から落ちて来たカラスをうっかり飼うことになり、そのカラスが事もあろうに「団子三兄弟」を記憶してマンションの家々を伝って小さなソロ・コンサートを開くようになり、住人の拍手を得られるまで歌い続けると言う騒動があり、街でもちょっとした噂のカラスになった(笑)。

今朝、とある神様から聞いた話によると、蜂には遭遇した相手が敵か味方かを嗅ぎ分ける能力を持っているらしい。なので養蜂場の人間に対し、上手く関係性が築けている蜜蜂は絶対に攻撃を加えないと言う、それが理由だそうだ。

色々な場所で色々な生き物が私に話し掛けて来るが、その多くが飼い主に自分の胸の内が伝わらないと言う愚痴である。

例えばこんな一例を‥。

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柴犬Ⓐの場合

心の台詞:
兎に角家でへったくそなサックスをず~っと吹きやがる飼い主に、なんとかしてサックスを止めて貰うには散歩散歩と言って外に連れ出すことなんだよ。
散歩に連れて行って貰ってる間は大人しく、飼い主の言うことを素直にきくいい子でいなければならない。それさえしておけば飼い主は僕を長い時間お散歩に連れ出してくれるから、せめてその間はあいつのへったくそなサックスを聞かずに済むんだ。
ほんっとうにへったくそだから、一度聞いてみてくれよ。鼓膜が溶けそうになるから。


トイプードルⒷの場合

心の台詞:
何だか我が家の飼い主は男のくせに、しょっちゅう泣いているのです。その度に僕は胸が痛みます。
僕が何か悪いことをしたのかな、それとも僕が悪い子だから困ってるのかな、ああそう言えば今朝ママにおしっこのことで叱られたからかな。

でも主といると泣き虫の僕の代わりに泣いてる気がして、可哀想なんだけどほっとするのです。
でも主の目に涙が溢れ出すと本当に胃が痛くなるほど僕も辛くなるから、そんな時はそっと膝の上に顎を乗せて主に「いいこいいこ」してあげることにしているんです。

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