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本を通して見える様々な視点

パーパス経営とデビット・アレン

ハーバードビジネスレビュー6月号、今回は「パーパス経営」特集。
そして、今並行して読んでいるのは「ストレスフリーの整理術」=デビット・
アレン(著)。本の詳細は割愛しますが、HBRではパーパス経営という上位概念、デビット・アレンの著書にはINBOXを使ったボトムアップの考え方が書かれています。
どちらの考え方も、今この瞬間に集中するためには必要な思考法という点で共通しています。ただ、片方だけを読んで行動に移すのと、2つの考え方を知った上で行動に移すのとでは微妙な違いが生まれてくるように思います。
なんの脈略もなく読んでいた本の内容がつながった感覚。意味合いは少し違いますが、スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチ「コネクティング ザ ドッツ」(点と点をつなぐ)みたいなだなぁと思ったりしてます。
(このスピーチは何度聞いても心を動かされるので、見たことがない方は是非一度見て見てください)
また、本を通して色々な人の視点を繋いで見ると、自分のバイアスにも気付かされて面白い。世の中にある全ての知識や考え方・スキルを理解、習得することは不可能ですが、世の中にある様々な考え方に触れ、その中から「情報を選び」「行動を選ぶ」ことができる自分でありたいものです。


環境問題と資本主義

環境問題と資本主義との関係について書かれた本「人新世の「資本論」」=斎藤幸平(著)と「自由と成長の経済学」=柿埜真吾(著)の対比も面白いです。
資本主義による成長にブレーキをかけないと環境破壊は進んでいってしまうという考え方と、資本主義経済の継続的な成長によって革新的な技術を生み出し・活用していくことで環境破壊は回避できるという考え方。この2つの考え方は0・1で考えると対立構造に見えますが、どちらが合っていてどちらが間違っているという話でもないように思います。そもそもテキストベースで著者が考えていることを100%の解像度で言語化することはできませんし、受け手側である読者の基礎知識やコンテクストを読み解く力、それによる解釈次第で捉え方は千差万別です。
個人的には、自分以外の人間がどのような考え方や主張を持っているのかを知ることで、何か気付きを得る・もしくは得られたら良いなぁくらいの態度が大切な気がしています。(絶対的な答えを持った人間など、この世にはいないと思っています)
何が合っている、間違っている・●●派、◆◆派のような二元論で語れるほど、世の中やそこで生きている人間は単純に語れるものじゃないというのが結論かもしれません。
ちなみに、上で紹介した2冊を読んだ後に「気候危機とグローバル・グリーンニューディール 地球を救う政治経済論」=ノーム・チョムスキー+ロバート・ポーリン(著)を読むと、妙に納得感が得られるのでオススメです。
おそらく、対話形式で書かれた文章が、上で言ったような二元論のような印象ではなく人間味を感じるからかもしれません。一方が問いかけ、一方が答える、そして、対話の中から新たな何かを見出していくという循環が「人の行動を変える」のではないでしょうか。
興味がある事柄に対して1冊の本を読んだだけで分かった気にならず、違った切り口の本を数冊読んで見る、そして実際に行動してみることの大切さを感じた今日でした。

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