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#404 人は背中を押されるのを待っている

とはよく言ったもので、その役目が営業マンなのです。

特にエンドユーザーの場合ですが、営業の白黒をつけるクロージングの時に「検討します」と回答がくることが多いです。

「検討します」という言葉を本当に検討するものだと鵜呑みにする営業マンは少ないでしょう。
言葉の本質は「今は決められない」ということです。

そう、今は。

「検討します」とは便利な言葉で、今は決められないからちょっと時間がほしいという意味なのです。

エビングハウスの忘却曲線

ドイツのヘルマン・エビングハウスという方が提唱した中・長期記憶に対しての時間の経過と記憶の関係を表した曲線のことです。

それが示すには1日後には74%、1週間後には77%、1か月後には79%のことを忘れてしまいます。

つまり、1ヵ月後には21%のことしか覚えていないのです。

エンドユーザーは何を検討するのか

話しは戻りまして。

これは営業とエンドユーザーの永遠のテーマだと思うのですが、「検討します」という回答に対して、営業ならなんと返しますか?

僕の場合ですが、「どんなことを検討されますか?もし検討されるなら、今目の前にプロである僕がいるので今悩まれていることや不安なことを一緒に相談してみませんか?」と返します。

前提として、エンドユーザーは、その目的を達成したいから話を聞いています。

不動産の売却なら、不動産を売却したいと考えている。

査定をして、話をして、売るか売らないかを決めさせる。

決めさせるというのは決して悪いことではありません。

むしろ、早い段階で決定をさせないことには、何を考えるのか、何に悩むのかが分からなくなり、結局検討せずにポイっ。フェードアウト、さようなら。となってしまうのがオチなのです。

なぜなら、忘却曲線によると、結局記憶に定着しているものはほとんどないから。

本当に検討をするのなら何を考えるのかを引き出すべきだし、なにも検討することがない建前の断わりならそれをはっきりさせることが大切だと思っています。

不動産の査定において、検討します、と回答が返ってくることは非常に多いです。

結局何を検討するのかを大別すると、その金額で売るかどうか、その会社に依頼をするかどうかだけなのです。

プラットフォーム側の人間ですが、「検討します」の灰色の回答を、白黒はっきりできるサービスにしたいと常々考えています。

人は誰かに背中を押されることを待っています。

じゃなければ営業マンは存在しないと思います。


最後に

プルデンシャル時代に「検討します」と言われたときに切り返し話法をひとつ書いてみます。

「検討します」

「ありがとうございます。ぜひ検討していただきたいと思うんですけど。
ちなみに〇〇さん、お仕事されてますよね。大体何時くらいに帰宅されてますか?」

「20時くらいですね」

「なるほど。そこからご飯食べたり、お風呂入ったり、自分の好きなことして過ごしますよね。」

「そうですね」

「そしたら明日の仕事のためにと思って寝て、また起きて仕事して、帰宅して、ご飯食べて、お風呂入って、また寝てって過ごしていくと思うんですけど、実際検討していただける時間ってありそうですか?」

「んーあるかもしれないです」

「なるほど。例えばご飯を食べ終わったあとに、そうだ今日は好きなことするのやめて提案してもらった保険の内容検討しなきゃ、で検討すると思うんですけど、そこでどんなこと検討されますか?」

「保険に入るか入らないかですね」

「そうですよね。入るか入らないかに迷っているのは何か悩んでいることがあるからだと思います。忙しい〇〇さんだからこそ、検討に大幅な時間を割けないと思うんです。だからこそ今、何に悩んでいるかを今一緒に考えてみませんか?」

という話法がありました。

この文章書いてて思ったんですけど、在宅で仕事してる人多いからそんな効果的じゃないのかも。


白黒つけるの大事。

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