『平仮名』と書く? 『ひらがな』と書く?
文章を書くとき
これは漢字が良いか? それともひらがなが良いか?
こんな風に迷うことはありますか?
実は、文章を書く上で大切なポイントなんですよ。
少し前、とあるSNSで
「漢字ではなくひらがなで表記した方が良い言葉」
を紹介している投稿を見かけました。
コメント欄はちょっと驚くほどにぎわっており、
賛否が入り乱れておりました。
それらのコメントの中で目に留まったのが
「漢字があるのに漢字を使ってはいけないというのは納得できない」
と
「漢字を使わないと、漢字を知らない(頭が悪い)と思われそう」
というもの。
この二つについてわたしなりの回答をしてみましょう。
「漢字があるのに漢字を使ってはいけないというのは納得できない」についてーー
漢字には、その漢字になった成り立ちがあり
漢字字体に意味があります。
もちろん、使って良いから漢字が存在します。
だから、絶対に使ってはいけない……
ということはないでしょう。
漢字を使ってはいけないのではなく、
「ここはひらがなを使った方が読みやすい」
というイメージだと思っています。
具体的にどんな場面があるかというと…
ひとつ目は、難しい(読みづらい)漢字のとき
・憂鬱 ⇒ 憂うつ
・蒲公英 ⇒ タンポポ
・蓮華 ⇒ れんげ
・心太 ⇒ ところてん
上記の例も
常にひらがな(またはカタカナ)に
しなければいけないわけではありません。
ただ、わかりづらそうな漢字の場合は
ひらがなを利用することが多いです。
2つ目は、読み間違える可能性が高いとき
・校正を行った ⇒ 校正をおこなった
「行った」(いった)と読み間違えやすいため、
「おこなう」は基本的にひらがなを使います。
・寝る時に ⇒ 寝るときに
「就寝時」の場合は「時」を使います。
「じ」と「とき」がスムーズに読めるようひらがなを使います。
3つ目は、ひらがなにした方がイメージしやすいとき
・お名前を平仮名で書いてください。
⇒ お名前をひらがなで書いてください。
「漢字を使わないと、漢字を知らない(頭が悪い)と思われそう」についてーー
難しい漢字や難しい言葉を使うと
なんだか頭が良さそうな感じがしますよね。
ただ、文章は読み手に何かを伝えるために書いているはず。
読み手が「読みづらい」「理解できない」となったら
せっかくの文章を読んでもらえなくなります。
伝えたいことが伝わらなくなります。
もちろん、漢字が少なすぎる場合は
子どもっぽい文章という印象を与えてしまうことがあります。
そのため、重要なのは漢字とひらがなのバランスです。
あとは、その文章が何を目的にしたものか?
によっても使う漢字のバランスが変わります。
たとえば、
わたしはここのような個人のブログなどでは
親しみやすさや柔らかさを意識して「わたし」を使っています。
ただし、仕事で書くインタビュー記事内では「私」を使います。
個人のブログでは「子ども」と書きますが
堅めの文書の場合は「子供」を使います。
さらに、あるクライアントさんの場合は、
先方の指示で「こども」と書くようにしています。
文章を書くとき、
漢字を使うか、ひらがなを使うか迷ったときには
読む人の視点に立って、
「どちらがより伝わりやすいか?」を考えてみましょう。
また、漢字とひらがなの選択で
漢字を多く利用して重厚感を出したり、
ひらがなを多めにして柔らかさを出したり
と印象を変えることもできます。
もしも、これまで漢字とひらがなの使い分けを意識していなかった方は
一度ご自身の文章を読者の視点で読み直してみてくださいね。
もし文章作成で迷ったときは、ぜひお気軽にご相談ください。
ちなみに、校正指示では
漢字をひらがなにすることを「ひらく」
ひらがなを漢字にすることを「とじる」
と言います。
ちょっと覚えておくと
なんとなくカッコイイので、ぜひ使ってみてください!