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1on1ミーティングの道具箱 - 第5回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:思い込みの解消②

1on1 のヒントとコツをプロのメンターが1つひとつ紹介していく
第5回「自分の考え方のクセを知る」後編 
話しやすく、支援的で、お互いの違いを認め合い、失敗を恐れず前向きに
挑戦できる雰囲気と対話がもてる1on1ミーティング。その実現を損ねる
考え方のクセ=思い込みを解消する合理的で実践的な方法をご紹介します。
”考え方を変えたら悩みが消える、ラクになる”

継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。


「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第5回


現在地




はじめに


誰もが持ちやすい考え方のクセ「思い込み」
何か心当たりはありますか?  気づくことが第1歩です。

私たちは人生経験から
身についたよくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。


・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



第1章 

自分の思考やコミュニケーションのクセを
理解する


1on1ミーティングの成功に不可欠な
・ラポール形成 (信頼関係)
・心理的安全性

その基礎、土台をつくるためには

自分の考え方のクセを知る


前回の #4 "Quiz & FUN"


「計画通りに進まなかったから、今日の1on1は全然ダメ」
と考えるマネジャーにどんな声をかけますか?


この問いを考えながら自身の態度や言動、
考え方のクセをふり返る。


自分の考え方のクセを知る 後編


思い込みの解消(修正)2.


「思い込み」は第2/3回「コミュニケーションの傾向/クセ」⇓ 同様
円滑なコミュニケーションを阻害するのみならず、問題や悩みを
こじらせてしまいます。

「思い込み」は「コミュニケーションの傾向/クセ」の悪い面を
誘発、増幅させます。

例①

コンフリクトの悪い面「攻撃的」+ 思い込み「~でなければならない」


例②

フォローの悪い面「回避的」+ 思い込み「~にちがいない」



1on1ミーティングにとって不可欠なラポールを形成するためにも、
自身の心身の健全や成長のためにも「思い込み」の解消に役立つ
ABC理論

A: 刺激(でき事)
B: 刺激と反応の間にある考え方や受け取り方(認知)
C: 反応(感情、症状、行為)

自分でコントロールできるBの考え方、受け取り方を変えることによって
早く悩みが消える知的で合理的な解決策
です。

詳しくは第4回 前編をご確認ください。


どのように考えたか(認知)を修正、思い込みを解消するには


1. 自分が嫌な感情をもつきっかけになったでき事は?

2. そのでき事に対して抱いた嫌な感情の度合いは? 
 例:1から10までで表すとどれくらい?

3. そのでき事に対してどのように考えたか?ふり返る
 
考え方のクセ

4. 自分の考えにある「思い込み」を見つける

5. 「思い込み」に対してパワフルな質問をする
 例:それって絶対?誰が決めたの?もう終わりなの?

6. 新しい考え方を定着させ習慣にする

改変:「凹まない練習」かおり&ゆかり著 日本実業出版社 2017年



日記を書くことも有効です。ダイアリー式メンターHara のラジオ #2 #3 


『4.自分の考えにある「思い込み」を見つける』をご説明します。



よくある例として

A. お子さんが「逆上がりができない」と言います。
B. 素潜りを練習している人が「水中で息ができない」と言います。

これら2つの「できない」は A. 練習したり、
酸素ボンベなど B. 手段を講じれば「できる」に変わります


C. 若い人が「すっぴんでは外を歩くことはできない」と言います。
D. 高校生が「スマホがないと生活できない」と言います。

これら2つの「できない」は
C. 「すっぴんを見られたら、皆に嫌われるにちがいないの思い込みから
D. 「スマホがない生活なんて、耐えられないの思い込みから来ています。

皆さんご自身に思い当たることはありませんか?
1on1ミーティングで話し手の「~できない」に思い当るふしはありますか?

「できない」は「能力」が原因か、「思い込み」から来るものか
見極めることが必要
です。

「思い込み」を見つけたら、それを解消/修正するために
パワフルな質問(自問自答)をします。



質問を投げかけることによって「思い込み」を解消/修正します。



『5. 「思い込み」に対してパワフルな質問をする』を見てみましょう。


例:
それって絶対
誰が決めたの?
もう終わりなの?
自分にメリットはあるの?


質問を繰り返していくうちにだんだんと理性的になり納得していきます。
2.の嫌な感情の度合いも減少していきます。
感情のみならず、自ずと行動も変わります

質問で注意すること: 状況や相手に合わせて言い方や表現の工夫が必要


「思い込み」を解消するために「考え方のクセ」を修正していきますが、
長年かけて身についたクセを変えるには時間も粘り強さも必要です。

コミュニケーションのクセも、考え方のクセも
習慣を変えるためには、新たな習慣を身につけなければなりません。
同じことを繰り返してしまうことも。

そんなときは自分のタイミングで仕切り直してまた進み始めれば
きっと新しい習慣が自分のものになるでしょう。


第2回から今回まで
1on1ミーティングの成功に不可欠なラポール形成、心理的安全性を損ねる
「4つのコミュニケーションの傾向」と「考え方のクセ=思い込み」を
解消、修正するヒントとコツをご紹介してきました。

1on1ミーティングでの話しやすく、支援的で、お互いの違いを
認め合い、失敗を恐れず前向きに挑戦できる雰囲気と対話がもてる
土台づくりの大きな一歩を前進です


次回は、いよいよ1on1ミーティングの成功に不可欠な
 第2章「ラポールを形成する」に入ります。


「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して
複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。


ポイント


対話での事故やケガを防ぐために「感情と思考の柔軟性と筋力」は最強の防具になる。



次回のテーマ


柱 2
ラポールを形成する
タイムライン
1on1ミーティング開始前
1on1ミーティングの開始から終了まで


ラポールを形成する


#5 Quiz & FUN


「ラポール(信頼関係)を形成するためには何が大切ですか?」


次回までに考えてみましょう!


メッセージ


感情と思考の柔軟性のためのストレッチ体操を続けましょう。


with all of my thanks and friendship


# 1から# 5まで英語版記事を同時公開


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「ダイアリーのコツ」                視聴時間:6分


「ダイアリーをふり返るコメントのコツ」     視聴時間:5分33秒




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