内定者研修の目的と方法、利用ツールの説明｜札幌のエンジニア組織レポート
ダイアモンドヘッド株式会社 札幌開発の小菅です。内定者研修をどのようなコンセプトで行っているのかを、簡単に紹介します。
本記事の内定者研修の記事は、以下の新卒研修と対となります。
内定者研修の目的
私たちが内定者研修を行っている目的は以下の通りです。
自然体で技術と接するエンジニア教育
利用頻度の高い技術の基礎知識を修得
事前に会社や同僚に慣れる
いざという時に相談できる体制の構築
今の時代に合った内定者向けの研修を組み立てるよう心掛けています。
今使われているIT技術、コンピューター技術、普段から利用するOSやプログラミング言語。これらは国籍を問わず世界中のあらゆる方々の貢献によって成り立っています。
私たちは札幌の会社ですが、東京を中心とした日本基準での視点ではなく、札幌から世界と直接つながる考え方でソフトウェア開発を行う組織作りの一環として、内定者研修を組み立てています。
内定者研修の方法
MOOCsを活用
MOOCsは大規模でオープンなオンライン講座の総称です。誰でも自由に受講出来るものが多く、courseraのように無料と有料の両方が含まれるサービスも含まれます。
私たちの内定者研修はRuby Koansから始まりました。Koans（禅の公案）を取り入れたのは、nilとnullとblankとemptyなど近しいが異なる意味を持つものを言語仕様と一緒に理解したかったのがきっかけです。
今はPython KoansとfreeCodeCampを積極的に活用するようになりました。他にもMOOCsで活用できるコンテンツを試しては取り入れています。
UNIVERSITY OF THE PEOPLEを参考
UNIVERSITY OF THE PEOPLEは裕福層のような教育を受けられない方向けに創設された、授業料無料のアメリカのオンライン大学です。学位を取得するための試験を受けるのに費用が掛かりますが、他校と比べると格安で学位を取得できるのが特徴的です。
学生同士で学ぶ効果を高め、運営費を抑えるための工夫が随所にされており、以下のようなエッセンスを参考にして、内定者研修の運営に取り入れています。
レポートのピアレビュー
ラーニングジャーナル
完全オンライン
いつからでも開始可能、各自の予定に合わせて進行可能
どのようなスキルレベルからでも参加可能
オープンソース製品の活用
Moodle、Outline、Rocket.chatのいずれもオープンソース製品として有料のクラウド版が提供されています。弊社ではこれらを契約して利用しています。
1. Moodle
Moodleは世界中の大学で利用されている最もメジャーなLMS（学習管理システム）の1つです。
生徒から評判は置いておいたとして、使い慣れている方が多いツールであるのは事実です。内定者の方がスムーズに使い始められる点から、カリキュラムの管理とレポート提出にMoodleを利用しています。
2. Outline
ナレッジベースやドキュメント管理にはOutlineを利用し始めています。
まず、入社前の方が利用するため、社員が業務で利用しているツール（Confluence）とアカウントを分離する必要がありました。その上で誰でも簡単に文書管理ができて、編集できる。そして廉価で利用できる点からOutlineを利用しています。
3. Rocket.chat
内定者との連絡ツールとして、メールの他にチャットツールのRocket.chatを利用しています。チャットツールもコンプライアンス上で業務と分離する必要がありました。
Rocket.chatは強固なセキュリティと厳密なアクセス制御が特徴のチャットツールです。利用企業として、世界最大規模の金融コングリマリットのクレディスイス、世界最大規模の軍事組織のアメリカ海軍などの異色な名前が並びます（参考記事）。
登場頻度の高い基礎スキルと業務スキルの獲得
業務では登場頻度が高いが、実務寄りなため学校教育では学びにくい基礎知識が存在します。この代表的な1つがリレーショナルデータベースとSQLです。
このデータベースとSQLを学ぶためにTOPSICを導入しました。2021年度の内定者研修で部分的に試して見た結果、良好な成果を得られたため、2022年度の内定者研修からは本格的に導入して行きます。
内定者研修の良くある誤解
ここでは内定者研修にあたり、よく起こる誤解を説明して行きます。
間違い：資格取得を目的とする
資格が必要な業務というのは存在しますが、ソフトウェア開発ではそれほど多くありません。これは学習者の問題ではなく、IT関係の資格が実務に影響を与えていない事を意味しています。
そのため、学習そのものは有益ですが、資格取得による恩恵が少ないため、資格を取得する目的を見いだせない状況が長らく続いています。
間違い：学校での教育が物足りないから再教育する
民間企業で行われている事業や現場での業務活動は各社で異なるため、学校の教育成果が民間企業にアジャストするのは難しいです。
そのため、私たちは大学などでどのような教育が行われているのか理解した上でプロジェクト運営を行う形にしました。それがプログラミング言語であればPythonであり、数学的思考とも言える抽象化能力でした。
さいごに、時代の変化と今後
ソフトウェア開発は高度化が進み、求められる人材も変化して来ています。プラットフォームも進化し、テックカンパニーが多く登場し、エンジニアは開発のみを行う役割では無くなりつつあります。
また、この数年でオンラインでの学習コンテンツや教育手法が数年で拡充したのを強く感じています。
そのため、5年前や10年前の方法が今では物足りないものになっており、今の時代に合わせた学習手法を取り入れる方が効果を期待できます。
数年で人が大きく成長するように、内定者研修といった教育も次の世代を育てられるよう変化し続けるのが肝要と考えています。
新卒採用に興味をお持ちの方へ
弊社の新卒採用に興味のある方は以下の新卒サイトをご参照下さい。
インターンシップに興味をお持ちの方へ
募集要項や応募選考フローや良くある質問などの情報を長期インターンシップ募集サイトにまとめました。興味をお持ちの方はリンク先をご確認下さいますようお願いします。
ダイアモンドヘッドの公式LINEアカウント
LINEアカウントを友達登録すると、チャットを利用しての個別相談や限定イベントへ参加できます。以下リンクから友達追加が可能です。
以上となります。ご拝読ありがとうございました。