図1

「3DPでガラスが可能に」から

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3点に注目したい。
 1.3DPの「使いこなし」部分は重要未決課題
 2.理想形へのステップ
 3.戦略的なサービス縮小という自由度 

関連代表記事 Nature volume 544, pages 337–339 (20 April 2017)
https://www.nature.com/articles/nature22061?lang=en#videos
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A 3DP(3D-プリンター)は一時期の注目が下火になっていると感じるが、その技術は日進月歩で進化しており、実際の製造現場等への導入はジワジワと進んでいる。


B セラミクスから食物まで、立体・即時・その場プリントが可能となっている。Natureの報告ではガラス造形を可能にしている。このような材料進化はマダマダやまないが、事業(市場)形成として考えると、3DPの「使いこなし」部分に課題が多く、ここに対するソリューションが必用と考えられる。


A 3DP市場予測は、2022年に230憶ドル・CAGR18.4%(Fr2018 to2022)であり、内材料は32%、サービスが15%の構成比となっている*2。


B 当たり前のことである。3DPが欲しい人・事業者はいない。従来にない即時性であったり、物理的距離をskipすることによる時間・コスト効果であったり、よりクリエイティブな製品を製造するための開発フローなどが欲しいわけである。


A 3DPの機構や材料面がいくら進化したとしても、爆発的普及はしない。簡単に、顧客・消費者が効果を得ることができる状況を作ることが重要である。コスト面も重要であるが、ここは課金モデルでカバーすることもできる。


B 例えば、メーカーズ的なカフェであったり共同工作場に3DPがあるが、これを「使いこなせるユーザ」は少ない。どうやって図面(データ)に落とすのか。材料の選定は何をもって決定するのか。はたまたそもそも、頭の中にあるイメージを現実に落とすにはどうすればいいのか?この辺りを簡単に3DPに入力して出力できるようにしないと、指数的臨界点は超えないだろう。


A 3DPというプロダクトとセットで、「使いこなす訓練・アフターフォロー」を提供する。これは普通すぎる。3DPというプロダクトが進化・普及の初期にいる現在であれば、マシンスペックとしてソリューションを提供可能にする方が、強い競争力を産むだろう。


B 最終的には「脳内イメージの映像化」まで3DPの機能セットに組み込むと面白い*1。そして、数タップ程度で3DP出力にまで持っていけるようにする。ここに到達するまでの過程として、「教育やアフターフォロー」を徹底して提供する意義は強い。厚い、信頼関係のある顧客基盤を作っておくことは重要である。


A 3DPソリューション提供企業によっては、対象企業が含まれるサプライチェーンを俯瞰的に捉え、ここに対してソリューションを提供することも出来てくる。


B 「脳内イメージ映像化」といった最終像を予め描いているからこそ、戦略的に、(アフターフォローなどの)サービス縮小を打ち出すことも可能となる。営業などの厚い人財という強みが足枷になる未来を自ら作ってはいけない。

 

*1 参考 NeuroImage Volume 94, 1 July 2014, Pages 12-22
     CNET  MICHELLE STARR MARCH 31, 2014 4:10 PM PDT

*2 IDC Worldwide Semiannual 3D Printing Spending Guide
Worldwide Semiannual 3D Printing Spending Guide
 https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=IDC_P33192


/2019.01.01 JK

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