【ダイアローグキャンプ体験談02】ダイアローグキャンプとは、人生の中のイレギュラー
こんにちは。
ダイアローグキャンプスタッフのariです。
今回は、ダイアローグキャンプ(トライアル版)に参加した方のインタビューをお届けします。
ダイアローグキャンプに込められた思いやサービス概要については、こちらの記事をご覧ください。
今回も、前回に引き続きダイアローグキャンプ参加者のお一人に話を伺いました。話を伺ったのは新卒1年目の会社員・ゆたかさん(23歳)です。
ダイアローグキャンプ参加前の心境
―—ゆたかさんはどのようなことがきっかけで、ダイアローグキャンプに参加したのでしょうか。
主催者の森實さんから誘われ参加しました。森實さんは僕が学生の頃からの知り合いで、当時はよくキャリアの相談もしていました。
誘われたときは「年齢もバックグラウンドも異なるまったく知らない人たちに今の自分を客観的に見てもらえる」という点にとても惹かれました。ちょうどキャリアの方向性について悩んでいたので、よいタイミングだと思い参加してみることにしました。
実は当時、ふたつのキャリアの路線で迷っていて。
―—ふたつの路線?
このままビジネスの経験を積むか、フリーランスのカメラマンになるか、ですね。
参加当時はインサイドセールスの営業をやっていて、朝から晩までロボットのように働いていました。なので将来のことを考えたり、自分について深く考える時間と余裕を持てずにいたんです。
―—いつ頃からカメラマンになりたいと考えていたのですか?
カメラマンになることを意識したきっかけは、学生のときに1年間大学を休学して世界中をまわったことがあります。そのときに撮った写真がコンテストで選ばれ、カメラマンとして認められ始めて。それからカメラマンという道を考えるようになりました。
でも当時の僕は「営業としてビジネスの経験を積んだほうが将来役に立つのではないか」と判断し、営業の道を選びました。
―—なるほど…カメラマンを目指したいという気持ちがありつつも、ビジネス経験を積みたいという気持ちもあったんですね。
学生時代に世界一周するまで、どちらかというと安定志向だったことも関係しているかもしれません。理系の学部だったので、同級生のほとんどが大学院に進学してメーカーに就職するというルートを歩んでいました。みんな決められた道を歩んでいくイメージです。その環境下でも僕は世界一周をしたり、卒業後すぐに就職したりと、同級生とは少し違う道を歩んでいました。カメラマンになりたいという気持ちはありましたが、同時に「ビジネスの世界も一度見てみたい」という気持ちもあり、カメラマンの道は残しつつ、ビジネスの経験を積もうとしました。
ですが会社で尊敬していた先輩が辞めてしまい、僕の考えに共感してくれたり、人生のロールモデルになったりする人がいなくなってしまったんです。
営業の仕事にやりがいはあったけれど、自己理解しようとすればするほど退職一択になる気がして。営業の仕事と、自分のwill(=写真家)がどうつながるかが見出せなかったんです。
当時の上司にもたくさん相談しましたが納得できる答えが見つかりませんでした。そんなときに誘われたのがダイアローグキャンプでした。
ダイアローグキャンプに参加してみて
―—ダイアローグキャンプ当日のことを聞いていきたいと思います。当日はどんな雰囲気でしたか?
参加者は僕を含めて6名でした。焚火を囲んでバーベキューをしたり、テントのこじんまりとした空間で話したり……その日は雨も降っていたせいか、しっとりした雰囲気があって最高でしたね。話が盛り上がって夜中まで話していたのできっとみんな眠かったと思いますが、深い話をするのにピッタリな環境でした。
初対面の人たちと火を囲みながら深い話をするというのが非日常的で、それだけで価値があるように感じました。素直に楽しいと思える空間でした。
また、みんなモノの見方がバラバラで。社会通念にとらわれない方も多くて面白かったです。自分の意思を明確に持っていて、まわりに流されないタイプの方々だと思いました。僕の普段の生活を考えると、イレギュラーな人たちだな、と思いました。
―—「イレギュラー」とは?
年齢も住んでいるところもバラバラで。でも他者の意見をしっかりと受け入れる方ばかりだったので、一人ひとりの話にじっくり向き合うことができました。
いろんな価値観に触れられたという点で、自分の人生にとってイレギュラーだな、と感じました。ダイアローグキャンプに参加しなければ出会えないような人たちばかりでした。
―—なるほど……。多様な価値観の方がいることの意義を感じますね。対話の中で、特に印象に残っていることはありますか?
話の内容というよりは、話し方のルールが印象に残っています。
ひとりにつき1時間、その人の持つモヤモヤを話してもらい、それに対しほかの参加者がそれぞれの視点から深掘っていく、というスタイルです。その際に重要視されていたのが、「どんなに予想外の意見でも受け入れること」と「”~のほうがよい”といった言い方をしないこと」の2つです。
この2つのルールによって、フラットな関係で対話できたと感じています。話の内容は、なかなか普段は話せないようなことが多かったですが、話していくうちに内容が深いところまでおちていって、自然と気づきや自己理解が深まる、という感じでした。
―—ほかの参加者からゆたかさんに向けての発言で、印象に残った言葉はありますか?
「感性と論理のベクトルが重なっていないんじゃない?」という言葉ですね。この言葉を聞いて、感性の面では「写真を撮りたい」という気持ちがある一方で、「営業経験を積んだほうが将来役に立つ」と考えていることが僕の抱えているボトルネックなのだと気づきました。
ずっと「カメラマンになった自分」と「営業を続けている自分」を天秤にかけていましたが、ダイアローグキャンプ参加前は論理の面、つまり「営業経験を積むこと」が勝っていたようです。ですがこの言葉を聞いて、「"写真を撮りたい"という気持ちの後押しを、自分以外の誰かにしてほしい」という自分の本心に気がつきました。自分ひとりで決断を踏み切るのには勇気が必要だったのだと思いました。
ダイアローグキャンプを経て決断したことと、これから
―—ダイアローグキャンプに参加して、なにか気持ちの変化などありましたか?
とてもありました。
参加後すぐに4連休があったので、もう一度自分自身のことについて深く考えました。対話のなかでいただいた「感性と論理のベクトルが重なっていない」という言葉を手掛かりに、自分の考えを最大限「論理=営業経験を積むこと」から「感性=写真を撮りたい」に寄せてみようと思うようになりました。ここまでじっくり自分のことについて考える時間は久しぶりで、頭をフルに使った感覚です。
―—じっくりとご自分の本心に向き合えたんですね。
はい。自分と向き合って考えた結果、当時働いていた会社を退職するという決断をしました。
―—後悔はなかったのですか?
なかったです。ダイアローグキャンプ参加前も「退職する」という選択肢はありましたが、もし参加前に退職していたら、後悔していたかもしれません。
でも、ダイアローグキャンプで得た気づきをもとに自分自身と対話する時間を設けたことで、納得感をもって退職できました。
―—今後のキャリアについてはどのように考えていますか?
自分にじっくりと向き合った結果、新しく挑戦してみたい仕事が見つかったので今は新しい仕事に向けて勉強中です。一方で、フリーのカメラマンになるという希望も捨ててはいません。
実は先日カメラマンとして初めての写真展を開いたんです。これまでの集大成となる機会をつくることができたという手応えと同時に、カメラマンとしてもっと経験を積みたいという想いが湧き上がってきました。
ダイアローグキャンプの参加を経て、感性に正直な自分に気づけたのは大きな収穫でした。
―—ダイアローグキャンプで得た言葉や時間が、人生の新しい選択肢を生んだのですね。
はい。ダイアローグキャンプでは、自分ひとりでは気がつくことのできなかったことを発見できました。発見したというより、もともとあった想いを引き出された、という感じでしょうか。
まわりの方が真剣だから、自分の感情や言葉がストレートに出てきたのだと思います。参加前に上司とも同じような話を何度も繰り返してきましたが、自分のことをまったく知らない人だからこそ話せることがあったのかもしれません。自分の話に集中できる環境がありました。機会があればまた参加したいですね。
―—退職という大きな決断をされたばかりですが、また参加したいのですか…?
知らない人と火を囲んで話すっていう体験が単純に楽しかったんです(笑)今回はたまたまキャリア面での決断につながりましたが、ぜひまた参加したいです。
―—スタッフ冥利に尽きるお言葉、ありがとうございます(笑)本日はありがとうございました!
ゆたかさんは自分の意思がはっきりしている印象を持ちましたが、そんなゆたかさんでも気がつかなかった本音を引きだしたのが、ダイアローグキャンプだったのですね。
何気なく生活していたら出会うことのできない人や空間に囲まれて、ゆたかさんの考えがリフレッシュされたのかもしれません。ダイアローグキャンプの「イレギュラー」な体験、ぜひ皆さんにも味わっていただきたいと思います!
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