「DHU ハロウィンパーティ 2020」がバーチャル空間で開催!フルリモートで準備を進めた実行委員が語る舞台裏とは
2020年10月30日、デジタルハリウッド大学(以下、DHU)では今年もハロウィンパーティが開催されました!
DHUのハロウィンパーティは、毎年恒例の伝統行事。学年の垣根を超えて多くの学生が参加するため、DHUではもっとも盛り上がるイベントのひとつです。
昨年まではリアルのキャンパスに学生が集い、仮装コンテストやライブパフォーマンスなど数多くの演目が催されました。しかし今年は緊急事態宣言が発令され、都内の大学ではオンラインで講義を受けることが一般的になる前例のない年。
11月現在、DHUの一部の学生はキャンパスへ登校し始めていますが、大多数の学生がインターネットを介し、自宅で講義を受けています。
そんな今までにない環境で、DHUの学生・スタッフ共に、「新しいハロウィンを作り上げたい。こうした思いで新たに立ち上がったのが「DHU Halloween Party 2020」でした。
ハロウィンパーティの会場を、キャンパスからバーチャル空間へ
DHUでは今後アバターを利用した講義やイベントも積極的に開催したいという展望もあり、その先駆けとして今年のハロウィンパーティの会場はバーチャル空間が選ばれました。
オリジナルのアバターやデフォルトで用意されているアバターを利用して、PCやスマホVRヘッドセットから簡単に入場ができる「cluster」というツールが使用されました。
■cluster
スマホ・PC・VR機器など、さまざまな環境からバーチャル空間に集まることが可能なバーチャルSNS。音楽ライブや発表会、コンテストなどが開催でき、自分の分身であるアバターを利用して、自宅でも気軽にイベントを体感できる。
そして恒例行事となっていた仮装コンテストは、「アバターコンテスト」に。「ステキと思える3Dアバター」を募集したところ多数の応募が寄せられ、学長や実行委員による投票でファイナリストが選ばれました。
選ばれた学生には、完全ワイヤレスのVRヘッドセット「Oculus Quest 2」、ディズニーペアチケット、Amazonギフトカードなどの景品が贈られました。
コンテストに参加したいけど、アバターを自力で作るのは難しそう。そう考える学生のために、事前に3DCGを専門とする小倉准教授による「VRoid Studio 講座」をZoomで実施。
VRの知識がない学生でも1時間でひとつのアバターを完成させることができ、オリジナルのアバターを持つ学生が増えるきっかけにもなりました。
イベントの運営を担当したのは、1年生の実行委員
リアルでのハロウィンパーティへ参加することに対してハードルの高さを感じていた人も、自宅から気軽にリモートで参加できるようになって嬉しいという声も上がっています。
こうした今までにないハロウィンパーティが開催できた舞台裏では、2020年に入学したばかりの1年生が中心となり、運営をサポートしていました。
今回は、実行委員長として活躍された南真也さんへお話を伺いました。
——南さんは1年生ということで、入学されてからまだ間もないですが、DHUはいかがですか。
私は静岡県に住んでいて入学してからまだ一度も登校したことがなく、すべてリモートで講義に出席しているので、正直キャンパスの雰囲気がまだ分からないんですよね。
——静岡から勉強されているんですね!ではまだ同級生とも対面したことはない?
友達とはチャットやZoomで交流することはあるのですが、まだ一度も会ったことがありません。講義が終わった後に撮影に行くなどして、友達とつるんでみたい思いはあるのですが……。
ただオンラインでも講義自体は問題なく受けられているので、今のところ東京に引っ越したり、キャンパスに講義を受けに行ったりする目処は立っていません。
——では、現在もリモートで学習を進められているんですね。そういった中でハロウィンパーティの運営に参加されたきっかけは何だったのでしょう?
ハロウィンパーティ開催の3週間ほど前に、杉山学長からSlackで募集がかかり、VRに関わるイベント運営に興味があって応募をしました。
▲杉山学長からの開催告知メッセージ
まだDHUに入学して半年ほどしか経っていないし、VRの技術もあるわけではありませんでしたが、1年生である自分でも運営としてチームに貢献することができました。
——どんなことを担当しましたか?
イベント開催の告知文を作成したり、アバターコンテストの参加者に連絡を取ったりと、学生の集客と参加者のサポートが主な仕事でした。VRなどの最新技術に興味があり、そうした専門の方と一緒に動けたことは良かったと思っています。
フルリモートでのイベント運営
——事前の準備はすべてSlackでやりとりをされたと伺いましたが、その点はいかがでしたか?
Slackなどのチャットツールは高校生のときから使用していたし、講義もすべてオンラインで受講しているので、運営のメンバーとのやりとりは比較的スムーズに行えたと思います。
▲杉山学長と南さんがSlackで会話をしている様子
——高校生のころからSlackを活用されていたんですね。
そうですね。チャットで文字だけでの会話には慣れていました。ですがリモートのチームで動くということに関してはまだ慣れておらず、難しいと感じることもありました。
——どんなところが難しかったのでしょう?
たとえばですが、それぞれの予定を共有し、タスクを役割分担することがうまくできませんでした。
リアルの教室で放課後に作業をするなら、物理的につかまえて「これをやって!」と声をかけられますよね。でもオンラインだと、画面の向こうにいるメンバーをつかまえようがない。
——たしかに、オンラインだと「リアルタイムで会話をする」難しさはありそうですね。その壁はどのように乗り越えたのでしょうか?
とにかく、参加者に通知がいくようにしました。事前にイベントの告知をする際に、グループにただ書き込むだけでは、本人に通知がいかない可能性がありますし、見逃されてしまう場合もあります。
そのためメンションという宛名をつけてメッセージに気付きやすくしたり、ダイレクトメッセージを送ったりと、頑張って通知を届けるようにしたら、なんとか参加者の皆さんへ伝えることができたと思います。
——南さんが尽力されることで、メンバーや参加者の皆さんは?
イベントが近づくにつれてチームがまとまり、Slack内での参加者の熱も高まってきたと思います。
実行委員は有志で集まったため、かなりやる気のある人ばかりだったこともありますが、自分から主体的に働きかけることで、メンバーを巻き込んで前に進められるんだと実感できました。
講義以外でも先生と交流する機会に
——ハロウィンパーティを終えて、率直にいかがでしたか。
楽しく終えられました。講義以外ではあまり関わりのなかった学生や先生、大学の事務局の方とも関われましたし。
——どんなことが特に印象に残りましたか?
学長とお話しできたことでしょうか。私は入学してから一度も登校していないので、廊下でお見かけすることも学長室に遊びに行くこともなく、お話しできるのは「デジタルコミュニケーション概論」という講義で質問をするくらいでした。
オンラインではあるけれど、講義以外の場で学長と交流できたのは楽しかったですね。
▲アバター姿の杉山学長
——どんな話をされましたか?
DHUにおいてVRがどう活用されているのか、といった話をたくさんしました。どうやら先輩が卒業制作で、バーチャル空間に巨大な島を作ってくれたとのことで、ゆくゆくはそこにもDHUのキャンパスを建設するかも?とのことでした。
——駿河台や八王子だけでなくオンラインにもキャンパスを?
そうなったら面白いですよね。気持ちの良い南の島を作りたいなあ、なんて学長はおっしゃっていました。
代表的なVRヘッドセットである「オキュラスシリーズ」の価格がお手頃になってきたことで、これから大学の備品として数を増やしていくそうですし、講義での「VRChat」の活用も前向きに検討されているとのことでした。
■VRChat
バーチャル空間にアバターで入室し、コミュニケーションをとることができるソーシャルVRアプリ。ボイスチャットだけでなく、自身の動きをアバターに反映させボディーランゲージでも交流が可能。
アバターで講義に出席するなど、オンラインコミュニケーションにも幅が生まれる
——ハロウィンパーティだけでなく、講義でもバーチャル空間を利用するかもしれないのですね。
そうなんですよね。実はゼミという小規模の演習クラスでは、すでにアバターで参加している上級生の話も聞きました。
ビデオ通話が苦手な自分にとっては、はやくそうしたゼミにも参加してみたいです。
——まだZoomでの受講が主流?
基本的にはZoomで授業を受ける学生がほとんどです。でも最近はZoomに飽きてしまう学生も出てきて、アバターを利用した講義も徐々に増やすかもしれないと先生から伺いました。
▲アバター姿の南さん
——アバターを利用すると、どんな良いことがあるのでしょう。
身だしなみを整えなくても気軽に交流ができますし、バーチャル空間を探索できるので、なによりゲーム感覚で授業を楽しめるんじゃないかと思います。
ほかにも、その日の気分でアバターの交換もできますし、リアルの顔と違ってアバターの容姿なら柔軟に変化させることも可能です。
DHUの新たな学びの場を、バーチャル空間にも
——今後、新しいコミュニケーションの場がどんどん作られていく環境にいて、学生生活はどう変わりそうですか?
講義だけでなく今回のハロウィンパーティのような、顔を出す必要がないアバターを利用したイベントは増えてくるんじゃないかと思います。
チャットやビデオ通話だけでなく、アバターでも講義に参加できるなど、オンラインでいかに交流するか選択肢が増えるのはとても良いことですよね。
——南さん自身も、今後何かやっていきたい?
私も、アバターを利用してDHUで何か面白いことを生み出したり、携わったりしたいと思っています。
以前まではPCのスペックによって、3Dのアバターの作成やバーチャル空間の利用をできる人が限られていましたが、最近はiPhoneなどで顔をスキャンし、スマホで手軽に V tuberになれる時代もやってきました。
VRが新たな居場所になる流れはおそらくやってくるので、私自身もアバターを利用して、DHUで何かイベントや交流の場をもっと増やしていけるお手伝いができればと思います。
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