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【ミライの入試】#DHUEEX2025受賞作の全貌が明らかに!?

2005年の創立以来、つくる人たちを生み出してきたデジタルハリウッド大学(DHU)が、2022年秋に立ち上げたプロジェクト。

その名も #DHUEEX2025

公式サイトキービジュアル
https://www.dhw.ac.jp/dhueex2025/

『あなたが「つくりたい」入試とは?』という題目に対し、高校生・受験生たちから「今までにない新しい入試」のアイデアを募り、寄せられたアイデアの中から「これは!」というものがあれば、デジタルハリウッド大学2025年度入学者選抜で実現・実行しよう、という企画です。

このプロジェクトで、高校生・受験生から62件の「新しい入試のアイディア」が寄せられました。ご応募いただいた皆様、誠にありがとうございました。

審査員にはスタディサプリ進路編集長の仲井美夏さんと、学校教育コンサルタントの山内太地さんをお迎えし、デジタルハリウッド主催「近未来教育フォーラム2022(2022年11月24日)」内にて授賞式が執り行われました。(アーカイブ動画はこちら

今回はその中から栄えある最優秀賞、優秀賞に選ばれた3作品の全容を大公開。企画内容から審査員コメント、受賞者コメントまですべてお見せします。受賞作のどんなところが評価されたのか?ぜひ最後までご覧ください!


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【最優秀賞】梁本 真優 | なぜ、デジタルハリウッド大学のマスコットキャラクターには友達がいないのか。じゃあ、創ろう。


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◆企画内容(原文ママ)


なぜ、デジタルハリウッド大学のマスコットキャラクターには友達がいないのか。

もしかすると、彼女(または彼)は友達がいないことに毎日寂寥感に苛まれ、むせび泣いているかもしれない。

また、生徒や先生が家に帰宅すれば、自分だけがキャンパスで寒い夜を過ごすことになる。そこで考えた。

つまり、友だちを新しく考えたらいいのだ。

友達になる理想のデジハリマスコットキャラクターを創ること」をテーマに入試をする。

まず入試内容については、大学がマスコットキャラクターに何を求めているのか・どう大学に貢献すれば良いのかグループで話し合い、性格や見た目、機能なども考えてもらう。

例えば、「マスコットキャラクターのしっぽに監視カメラをつけて生徒がしっかりと授業を受けているかチェックする」といった設定もあれば、「お腹を開けたらmac bookが登場する」、「学長と仲が良い」など自由に創造してもらう。(私は小さいころから空想することが好きだった。こんなキャラクターがいたらおもしろいな、のようにワクワクして考えることを大学生になっても忘れずにいたい。)

また、もちろん元々いるマスコットキャラクターと友達になる必要があるので、相性も考える必要がある。それが終われば、簡単なイラストとともに発表して先生や他のグループの人にフィードバックをもらい、改良案をもう一度発表してもらう。これは、デザイン思考のプロトタイプに影響を受けたものだ。

これらはグループワークとして3.4人で実施するが、あらかじめ作成したルーブリックを使用して個人を評価する。また、完成したマスコットキャラクターのクオリティーで評価するというよりも過程を重視し、ゴールに向かってグループに貢献しようとしているか・コミュニケーション能力・アイディアの柔軟性といった観点を総合的に評価する。

なお、この入試方法に加え、志望理由書や活動報告書、基礎学力テストは高校までの頑張りを評価するために行いたいと考えている。

入試が終わる頃にはたくさんの友達ができて枕を濡らさずに済むだろう。

◆審査員コメント

仲井さん:
具体的かつキャッチーでアウトプットまでの過程や入試を考えた本人の想いも伝わってくる興味深い入試。
デザインに必要なペルソナ設定からプロセスの評価、アウトプットまでが見られるのもよい。さらにこのユニークな入試方式だけでなく、志望理由書等も使う点など、選考プロセスの中でのバランスも考えられているのも素敵でした。
山内さん:
着眼点は無茶苦茶良い。ただ、私のようにグループワークが苦手な人もいる。一人で考えて提出できるようにしてもよいのでは。

◆梁本さんコメント(原文ママ)

この度は #DHUEEX2025 で、光栄な賞をいただき誠にありがとうございます。受賞したと聞いたとき、失礼とは存じますが「やばっ審査員さんマジか」と思いました。それは、今回提出したマスコットキャラクターのアイディアは、「攻め」を意識したからです。

またアイディアだけでなく、文章もデジタルハリウッド大学に喧嘩を売っていると捉えられかねないものでした。きっと審査員の方々は不快に思うか、逆に面白いと思っていただけるかの2択だと思っていましたので、結果的に最優秀賞をいただけて本当に嬉しく思っております。

また、今回4人のクラスメートが協力してくれ、感謝しています。
改めまして、この度はありがとうございます。

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【優秀賞】大西 陽輝 | 映え入試


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◆企画内容(原文ママ)


デジタルネイティブとも呼ばれる現代の若者の得意を活かせる入試方式として、私は「映え入試」を提案する。

受験者はまず書類選考を通過した上で、新たにSNS(これは大学側が指定したアプリであり、利用できるのは大学関係者と在学生のみとする)でアカウントを作成し、大学側が出すテーマ(料理、風景など)について写真を撮影、自分なりに加工した上で投稿、そして指定された日程までに最もいいねを稼ぐことができた人から順に評価をつける(A〜C評価)(ただし撮影場所は受験者の住む都道府県内に限定する)。

また、他者への委託等の不正を行わせないため、撮影から加工までの過程をレポート形式として提出することも義務付け、これにも評価をつける(A〜C評価)。

この2つでA評価を取得できた場合、その受験者を合格とする。この入試方式によって例えば風景が課題として出された場合、都会から受験する人もちろん地方、いわゆる田舎から受験する人も評価を得られることが可能になり都会と地方の教育格差の是正につながる可能性がある。

また、季節や環境によっては受験者によって不利になる可能性があるので、出すテーマは複数にする。

◆審査員コメント

仲井さん:
名前のキャッチーさとテーマの分かりやすさ、不正防止などの対策まで実施に向けてよく考えられた、今っぽさを感じる面白い入試だなと感じました。一方、受ける側の得意は活かせるが、受け取り手が何を見抜く・見極める想定なのかは、入試としてもう一段設定があるとよいなと思いました。

山内さん:
いいねの数を競わせるのは、売れてなんぼのエンタメ業界を目指すうえで必須の素質でとても良い。

◆大西さんコメント(原文ママ)

映像関係に特化した大学ということで、それらと我々若者が得意とする「映え」とを結びつけました。これまでにない新しい入試方式として、みなさんに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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【優秀賞】柘植 衣花 | プロデュース型選抜


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◆企画内容(原文ママ)


1、大学のサイトにてペルソナの設定を公開する。
(例)49歳日本人男性
最近の悩み…
・部下との情報交換の際世代格差によりミスリードが生じてしまう、コミュニケーションが取りづらい。
・最近電車通勤になったため、痴漢と疑われないか不安に思っている。
など

2、受験者はペルソナの設定を受け、どんな作品を作ればペルソナの悩みが解決するのかを考え、企画書を作成しコピーしたものをペルソナ公開から一週間以内に大学へ提出。

3、企画書提出後、制作した企画のプレゼンテーションを行う。
なお、プレゼンテーションは大学が用意した会場にて審査員に直接、またはzoomなどを使用しオンラインでプレゼンテーションをするか、企画について説明したプレゼンテーション動画を作成し、その動画を提出するか受験者が選ぶことができる。受験者は2の企画書提出の際プレゼンテーション方法を選択、回答する。

4、提出された企画書、プレゼンテーションを受け、企画はペルソナに沿っているか、全体を通してアドミッションポリシーに沿っているか、プレゼンテーションの完成度などの観点から点数をつける。

この試験ではデジタルコミュニケーションの利活用により人類社会へ貢献する意欲があるのか、不確実で予測不能な未来をどのように自分らしく生き抜くのか、などを測ることができます。

またプレゼンテーションを動画提出も可能にすることでプレゼンテーションが苦手な受験者、動画づくりが得意な受験者などが自己を表現しやすいのではないかと思います。

加えて近年世界で議題となっている文化盗用や人口問題などをペルソナの設定に組み込むことで、受験者の社会問題に対する関心、ひとりの地球人として異なる文化を尊重し、どのように国際社会と関わりを持とうとしているのかも試すことができるのではないでしょうか。

このようにペルソナに対し作品を作るプロデュース力、そして自分の強みや個性をどうやってアピールするかというセルフプロデュース力を試す試験内容となっているため、「プロデュース型選抜」という入試タイトルにしました。

◆審査員コメント

仲井さん:
課題が明確で具体的、実践的で、多角的な評価が最終的にかなう入試でよく考えられてるなと思いました。「不確実で予測不可能な未来をどのように自分らしく生き抜くのか」をこの入試でどう見抜くのかのイメージをもっと具体的にしたいですね。

山内さん:
出題されるペルソナも受験生が考えるべき。高い創造性や独創性が要求される良い入試になる。

◆柘植さんコメント(原文ママ)

この度は優秀賞に選んでいただき、ありがとうございます。
私の通う学校は中高一貫校で、中学生の頃から探究活動を行っており、今回応募させていただいた作品では探究活動で学んだ問題発見解決能力を重視して作成したので、その点を評価していただきとても嬉しいです!
ちなみに例で出させていただいたペルソナの〈最近の悩み〉に関しては近年ニュースで見かけた話題を元につくりあげたのですが、人物像は司会の方々のご推察のとおり、父を参考にしました(笑)。

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いかがでしたでしょうか?

面接や紙の試験にとらわれない、クリエイティブな力が試されるアイディアが寄せられました。入試すらもエンターテインメントにしてしまおう、というDHUの姿勢に共感いただけたことに、教職員一同嬉しい気持ちでいっぱいです。

入賞されました3名の皆様、本当におめでとうございました。そして惜しくも受賞を逃した59組の応募者の皆様、#DHUEEX2025 へのご参加ありがとうございました!

#DHUEEX2025の公式サイトでは、新しい入試に関するアイデアを今後も継続的に募集します。探究活動やこれからの進路を考える上でのヒント・きっかけになれば幸いです。

入試すら、自分でつくってしまおう。


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