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『ゼロ-アルファーー<出来事>のために』 断片②-2
………予定されていたはずの、文書の無限反復は余計なものだった。それは出来事を抹殺するための最も古くさい戦略だったのだ。なぜなら戦争と呼ばれるものは常に、この文書の反復の避けがたい腐食から、この同じものの反復の超-飢餓状態から、あらかじめその挫折が宣告されている再生のための触媒としての差異を渇望して生まれてきたからだ。
自ら生み出した砂漠を逃れ生き延びるために、この文書化の装置は必ず戦争を体内か
あの日いなくなった私へ
2013/9/12-13創作
あの日いなくなった君が
いつかどこかの街路で歌った
最初は一人で
そしてそのあとで一度立ち止まった
振り返り
何人かの君が歌っているのを見ると
時の流れの渦のなかへと片足を浸した
そのときから
その水の感触が忘れられない
苦痛でもなく
悲しみでもなく
ただそこにある疲労でもなく──
ただ君が
何人かの別の君たちと歌うのを感じた
沈黙の